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ジェンダー地雷原を裸足で歩き続ける漫画、「ヒメゴト~十九歳の制服~」

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

昨日Twitterのタイムラインで「今なら3巻まで試し読みできる」と回ってきた漫画があった。ついつい暇だったので読み始めたら、これが止まらないのなんの。一気に3冊ひと休みもせず読み終えてしまった。峰浪りょうの「ヒメゴト~十九歳の制服~」という漫画で、タイトルとその副題の字面のとおり“秘め事”と“性”を扱った作品だ。スマホ等の広告では以下のバナーが使われていて一見するとただのエロ漫画のようだけど(確かにこのシーンはあるけども)、中身は全くそんなものではない。(以下、ネタバレなしの作品レビュー)




▲この広告だけの印象を持つと良い意味で火傷する作品。


あらすじをくどくど説明するより読んでもらった方が早いタイプの漫画ではある。が、性描写もありつつ粘性の高い群像劇なので、好みはキッパリ分かれそうな気もする。簡単に言うと3人のキャラクターの主観が入れ替わりつつ進んでいく作品。

一口に群像劇といってもその内情がひと捻りもふた捻りもあり、「幼少期からの男性的な振る舞いを女性らしいものに改める機会を逃したまま大学生にまでなってしまい、独り部屋で高校時代の制服を着て自慰を行い自身の性を確かめる女の子」と「大学でも噂のイケメンだけどその中世的な顔立ちの裏には女装癖があり憧れの女性の格好を執拗に真似る男の子」と「普段はお嬢様を気取る女子大生だが15歳と偽り自身の性を売ることに若さというアイデンティティを覚える女の子」の、交差する性と欲の物語になっている。

“この漫画の感想は男女で大きく変わってくるだろう”という前提でひとりの男としての感想を述べると、非常に興味深くページをめくる手が止まらなかったのが本音だ。女になりたい女と、女になりたい男が、互いの秘密を知ってしまい“女友達”になる。女装男子は売春少女にその実情を知らず憧れているし、男性的な女性は女友達となった女装男子の“(男)性”を否が応でも感じ取っていく。その秘め事の共有に、私も自ずと巻き込まれてしまう。この作品に限らず「互いの秘密を共有する系」の漫画は多々あるが、これの何が面白いかって「読者もその“共有の輪”に入れる」からだ。学校の教室の隅で内緒話をする集団に入れたような、あの薄い共犯関係の感覚。この「ヒメゴト」は、そこに更に秘匿性の高い“性”が絡んでくるから面白い。ヒヤヒヤとヒリヒリが脳の裏側をかすめていくのだ。

また、「男性的な振る舞いを捨てたい女性」「女装する男性」「売春がアイデンティティの女性」、そのどれも私の中には無い要素であり、それをこの漫画は疑似体験させてくれる。ただ物語が進んでいくだけでなく、「なぜそれをしたいのか」「どうしてそう思うのか」が非常に繊細に描かれており、それを突き詰めていくとそこには誰もが普遍的に持っている性衝動や自尊心が息づいている。アウトプットの形は私としてはピンとこないけれども、でも、描写のおかげでその根っこの部分が「何となくわかる」。この、「わかってしまう」感覚が、クセになっていくのだ。漫画や映画で疑似体験とはよく言うけれど、これはその精度が非常に高い。

19歳という子供でも大人でもない年齢において、その心の奥底に溜まった泥のような鬱憤を“性”というカテゴリーで逃げずに正面から捉え続ける。一歩間違えたらそれこそこのご時世なら「炎上」してしまいそうな、そんな多方面にギリギリの描写が垣間見えるからこそ、前述した疑似体験を覚えつつ(自分でも嫌になるほど)野次馬性分が顔を見せてくる。「なんとなくわかる」とキャラクターと肩を並べながら、でも心の中で他人の秘密を覗き見してニヤニヤするような下品な自分もいて、そのアンバランスさと背徳感がそっくりそのまま作品内のテーマにもなっているのだ。

最近思うのは、「面白い」漫画と「“くる”」漫画って、また違うな、と。頭でも感情でもなくて、心のどこかをグッと掴んでくるような「“くる”」タイプの作品は、感想を上手くアウトプットできないままにページをめくる手が止まらなくなる。それは往々にして「作品に誘導された心理状態」が「作品の物語としてのテーマ」とイコールになっている場合が多く、上手い具合に作者に踊らされているのだと後になって気付く。言うまでもなくこの「ヒメゴト」もそのタイプの作品であり、共犯感覚・疑似体験・アンバランス・背徳感、その全てをじわりじわりと覚えながら、ジェンダーという地雷原を裸足でひたひたと歩き続けていく錯覚に浸ることができる。

好みが大きく分かれる漫画であろうことは重ね重ね明言しておくが、「ヒメゴト~十九歳の制服~」、私はとても気に入った作品だ。「惡の華」が好きな人には特にオススメしておきたい。(作品自体は全8巻で完結済み)

※2015年11月27日0時までコミック小学館ブックスにて3巻まで無料配信されています。


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「ウォーターボーイズ」の波紋、その邦画界へ流れ込んだ功罪とは (サンプル)

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

一介の映画好きとしてネットのその界隈をウロウロしていると、決まって聞こえてくる声がある。「邦画はクソ」「洋画しか観ない」「邦画は駄作ばかり」。海も次元もまたがって鑑賞する雑食な自分からすると少しムムッとなってしまうフレーズだが、ここまではいかずとも近い感覚を持っている人は多いように見受けられる。そもそも論として製作費や規模が違うとか技術力の差がありすぎるとか土壌も歴史も何もかも …などと言い出すときりがないのだけど、とにかく何かと「洋画>邦画」で語られ“がち”な風潮は否めない。

邦画の名作と言われるひとつに、「ウォーターボーイズ」という作品がある。実際に先日行ったTSUTAYAにも「ハズレなしの名作コーナー」に陳列してあった。言わずと知れた矢口史靖監督が撮った2001年の作品で、主演は妻夫木聡。もはや名前だけなら知らない人はいないだろう。公開当時は口コミで人気が広がり6ヶ月超えのロングランを記録した。この「ウォーターボーイズ」という作品は、“光る部分”と“抱える部分”が非常に多く、実は主に2000年以降の邦画を語ろうとすると絶対に無視できない場所に堂々と鎮座している。そんな男子シンクロ映画を、ひとつの作品として、そして邦画として、紐解いていきたい。


※※※


ストーリーは単純明快で、「色々あって男子なのにシンクロをやることになった数名の高校生が数々のトラブルを切り抜けながら青春に青春を重ねて文化祭の舞台を成功させて恋も叶ってイェイ!」という内容だ。邦画、と言わずとも“青春映画”のくくりでも高確率で名前が挙がってくるだろう。しかしその功罪は凄まじい。「圧倒的なシンクロ演技の迫力と盛り上がり」「青春の勢いと熱」は飛び抜けて魅力的だが、「執拗なナンセンスギャグ」「わざとらしくオーバーな演技」「決して上手いとは言えないプロット構成」など、その荒削りな部分はどうしても気になってしまう。

例えば、物語は主人公の鈴木が現役最後の水泳大会で惨敗し、シャワー室で悔し泣きをする場面から幕を開ける。その後、たまたま通りかかったプールに駆けつける女子高生の集団と遭遇。早まる鼓動と流れる音楽。思わず行き着いた先では、美麗なシンクロが披露されていた。…この冒頭のシーン、鈴木がシンクロ用のノースクリップ(鼻栓)を偶然拾うくだりから始まり、ワンカットの長回しでシンクロ演技目撃までの高揚感を演出している。「なんだなんだ? この先でなにをやっているんだ?」という鈴木の期待と焦りが手に取るように伝わるカメラワークは見事で、実際のシンクロもインパクトがある。

しかし、この「鈴木が偶然目撃したシンクロに衝撃を受ける」という導入は、その後全く活かされない。赴任してきた美人教師(眞鍋かをり)に釣られて水泳部員が急増するも、彼女がシンクロをやりたいと言い出すと鈴木を含む5人組だけが取り残される(このシンクロ願望を告白するシーンも非常に大仰でわざとらしい)。彼らは突如産休に入った眞鍋かをりから「シンクロ頑張ってね」と言い残され、呆然としたまま諦めようとするも、突然意見をひるがえしシンクロをやることを決意する。

彼らはなぜシンクロをやるのか。「男がシンクロ」とはこの作品以降非常にメジャーな概念になったが、当時、同時に劇中ではまだまだ白い目で見られることが多かっただろう。そんな(言ってしまえば)“恥ずかしい”ことを、なぜ彼らはやとうと思ったのか。それは……






■完全版は2015年12月末発売予定の電子書籍『THE BEST』(0円)に収録予定。詳しい内容や進捗状況はこちら


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「S.I.C. 仮面ライダーメタル」にみるダブルの拡張性と基本設定の巧さ

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

先日、Twitterで以前から交流させてもらっているきろーさんが、自作改造フィギュアの写真をアップしていた。その名も「S.I.C.仮面ライダーメタル」。「S.I.C.」とはその筋では有名なハイエイジフィギュアブランドだけど、そんな高価なフィギュアにパテを盛りスプレーを噴き改造を施した、というワケ。「仮面ライダーダブル」の劇場版に登場した「仮面ライダージョーカー」がメタルメモリを使った姿、という設定らしい。以前から製作過程をずっとTwitterで見ていたので、完成の暁にはぜひブログで紹介させてくれ、とお願いしていた。(快諾をいただいたので以下掲載)


S.I.C.改造 仮面ライダーメタル 完成しました! 自分設定としてはジョーカーがメタルを使ったフォームチェンジですが、面倒くさいので呼び名は仮面ライダーメタルとします。 その辺の細かい自分設定はブログに書こう… うおおおおおおん pic.twitter.com/KIa5sGOc1Q

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

@shin_kiroh3 細部~① pic.twitter.com/1v6q3AmTpr

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

@shin_kiroh3 細部~② 仮面ライダージョーカーを素体として、造形をいじったのは頭部,胸部,背中,肩だけです まあ処女作?なのでこんなもんで 肩はMを模したモールドを入れました ポージングはまだ撮ってないので後程… pic.twitter.com/6uI1hU6BWG

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

『メェタルゥッ!!!』 pic.twitter.com/stfF58qhi3

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

@shin_kiroh3 「さぁ…お前の罪を数えろ…!!」 pic.twitter.com/8yZLaL7BLh

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

@shin_kiroh3 ぶんぶん!ぶんぶん!! メタルシャフトにメタルメモリを装填してマキシマムドライブ! シャフトを振り回して的に攻撃する『ライダースイング』が必殺技だー!! pic.twitter.com/Ug1vdoUDju

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

ジョーカーと一緒に 塗膜を過信してブンドドしまくってたら早速一か所塗装ハゲを作ってしまったのでビビッてあんまりポージングできなくなりました 強いと言っても限度があるね、さすがに既製品ほどまでにはいかない さあ…次はトリガーだ! pic.twitter.com/8mqB70p3wr

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

適度なシルバーの出し方に随分苦労されていたらしいが、結果としてものすごくかっこいいと思う。テカテカなり過ぎず、それでいて澄んだ自己主張をする深みがあり、端的に言うととっても綺麗。ダブルの基本9フォームの中ではサイクロンメタルが一番好きな自分にとって、惚れ惚れする塗装。いやはや、お疲れ様です。


※※※


きろーさんの「仮面ライダーメタル」を見ていると、ダブル放送当時にひとしきり妄想したのを思い出す。そもそもダブルのシステム自体が、設定に凝りがちなオタクにとってドンピシャなのだ。メモリは左右に3つずつの計6個あり、その内半分が「戦闘スタイル」(格闘・棒術・銃撃)、もう半分が「属性」(風・炎・神秘)、という区分になっている。この9パターンの組み合わせを敵によって即座に使い分ける様は、やはり「仮面ライダークウガ」のフォームチェンジを思い出してしまう。

どうしてもフォームチェンジの数が増えると「その姿になる必然性」が薄れてしまいがちなヒーロー特撮番組だけど、こと平成仮面ライダーに限ってはクウガとダブルが秀でている印象が強い。オーズやドライブも頑張ってはいたけど、そもそもの消化しなければならないアイテム(玩具)の数の多さに押されてしまったような気がする。ダブルは、基本の9フォームにファングとエクストリームという計11形態をメインとし、他にロストドライバーを用いたジョーカーも登場した。メタルメモリはジョーカーと同じ「戦闘スタイル」“側”のメモリなので、おそらく使ったら前述の改造S.I.C.のような姿になったのではないだろうか。

誰もが妄想したものだと(私もご多分に漏れず)、やはり「仮面ライダーファング」は欠かせない。ファングメモリ単独使用で変身する、全身白色で鋭利なフォルムの戦士。ここで超獰猛な動きを見せるかフィリップ的な知的なしぐさをさせるかは、意見が分かれるところだろう。また、例えばドーパントメモリをダブルドライバーに刺したらどうなるか、というのは本編では実現しなかった。散った霧彦のナスカのメモリが仮に翔太郎に渡っていたら、撃破したテラーのメモリが砕けずに息子であるフィリップの手元に残っていたら…。妄想は止まらない。そもそもアクセルメモリがエクストリーム用として想定されていたというシュラウドの思惑が、更にファンの想像を加速させるのだ。





また、ダブルの物語そのものが「探偵もの」として小刻みに完結する形式であるため、アフターストーリーやサイドストーリーのバリエーションは無限に広がっていく。事実公式でもその後の劇場版に事件を絡めてゲスト出演を繰り返しているし、ドライブのスピンオフ「仮面ライダーチェイサー」にも事件を追ってアクセルが登場するという。探偵や刑事という設定は「依頼(捜査)が舞い込む」という“受け”の作劇であるため、例えば「クレヨンしんちゃん」や「サザエさん」のように、いつものメンバーが変わらずそこにいながら新たに来るイベントに対応するだけで、お話が十二分に転がっていく。こういった枠組みがまたもやファンの想像を掻き立てるのだ。ダブルの基本設定がいかに練りに練られた末に走り出していたか、完結から何年経っても実感する機会と度々遭遇する。

フィクション作品におけるリアルと嘘のバランスにおいても、本来なら「こんなに事件が起こったら~」「誰々があれを知らないのはおかしい~」「不自然だ~」という類のツッコミを、探偵ものならではの「守秘義務」、そして闇ルートで流通するドラッグのように描写されるガイアメモリというアイテムが、良い意味での細かい設定や線引きの“ボカし”として機能している。描かないところは「描かないこと」が不自然ではないし、それは転じてファンの妄想の種に昇華されていくのだ。

キャスト本人も熱望していると聞くが、私もやはり未だにスピンオフ「仮面ライダージョーカー」を諦めきれない。フィリップが何らかの理由で囚われてしまい単身活躍する翔太郎の雄姿とか、妄想を始めると本当にきりがない…。


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仮面ライダーゴースト 第8話「発動!もう一つのモノリス!」【週刊ライダー時評 ゴーストウォッチメン】

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

ゴースト初の前後編、その後編である第8話。しかしもう8週、つまり約2ヶ月が経ったのか。早いなあ。さてさて今回はマコトの裏事情が少しずつ語られつつタケルにもそれが伝わっていくストーリー。よくよく考えると、「パーカーチェンジを含めた新しいライダーの顔見せ」が今回初めて無かったんですよね。第1話から、オレ魂・ムサシ、エジソン、ロビンフット、ニュートン・スペクター、ノブナガ・ツタンカーメン、ベートーベン、ビリーザキッド…と、毎回新登場のインパクトが物語に付加されていたのですが、今回はそれが無し。しかし、ドラマの殺伐さと縦筋がしっかり深まってきているので、物足りなさは感じない。このバランスが中々良いなあ、と。


目次】:【7話】<【8話】>【9話】


■第8話「発動!もう一つのモノリス!」(2015年11月29日放送)


「俺はなすべきことをなす!」

恒男の依頼で、恒男の親友・智則と団地の住民の行方を追っていたタケルは眼魔と戦うことに。分裂するインセクト眼魔に苦戦していた時、西園寺から奪ったビリー・ザ・キッドの眼魂を手にしたアカリとオナリが駆けつける。アカリから受け取った眼魂でビリー・ザ・キッド魂にゴーストチェンジし眼魔を倒したと思った瞬間、アカリとオナリが攫われてしまった。さらに倒したと思った眼魔が重機を取り込み巨大化しタケルに襲いかかる。イグアナゴーストライカーで立ち向かうタケル。

その頃、スペクターの前に再び西園寺が現れる。西園寺が語る10年前の出来事。一方、眼魔が操る団地の住民が向かう先には謎のモノリスが・・・。西園寺、眼魔、アラン、スペクターがそれぞれの思惑で動き出す。タケルは眼魔を倒して、無事アカリとオナリを救出することが出来るのか?大注目の第8話、ご期待下さい。

仙人曰く、今回の偉人は「・・・」

再び消え去るまでの時間は27日
残り10個の眼魂(アイコン)を集めろ!

脚本:福田卓郎
監督:柴貴行


仮面ライダーゴースト8話。マコト関連の縦軸の話をどんどん進めつつ、タケルの親父の責任の所在、暗躍する元助手が持つ5個の眼魂など、通常回らしい依頼をこなしながらお話の要素を出揃わせて整理し、しっかり提示した回だったな、と。残り20日ほどとのことだが、この先がある意味全く読めない。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

来週には弁慶眼魂登場とのことでこれで15個出揃う訳だけど、そうなると本格的に三つ巴の争奪戦に突入か? 英雄の生き様と絡めたドラマが魅力的なのでもっとやって欲しいんだけど、そのラインはちょっと弱くなるかもね...。 pic.twitter.com/WTo8XB1jCo

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

それこそオーズばりの争奪戦になるとすれば、もしかしたらこの辺りの「既成眼魂」の本格的な出番は年明け以降かな? 乱戦の末にとりあえず15個を揃えて、ちゃんと使っていくのは第2章から ...とか。そして15個披露の末に最終フォーム登場。 pic.twitter.com/C72dPkzPuy

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

しかしスペクターとゴーストのこの戦いには痺れた。これこれ、こういう殺伐とした説明不足と行き違いによる殺し合いがいかにも平成ライダーなんだよ。ファイズやカブトで散々やってたあのノリを思い出して妙に興奮してしまった。いいねいいね。 pic.twitter.com/OZNLd9LpXn

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

直でノブナガになる時のマコトのギリギリっとした拳の握り方とか、ワクワクするよなあ、ああいうカット。めちゃくちゃ怒って殺る気満々なのにしっかり変身ポーズを取るというこのアンバランスさが「平成ライダーらしさ」よね。マコトくんが回数重ねてあのポーズをモノにしてる感じがいいね。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

しかしここにエジソンが映ってないのがなんだかほんとに可哀想だなあ。 pic.twitter.com/gRo2Gow1Q0

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

スペクターがガンガンハンド使って互換性のあるゴーストのベルトで大開眼したり、ニュートンで廃車を引き寄せて壁にして攻撃を防いだり。。ゴーストの脚本はもう何も心配することはない。福田さんは間違いなくデキる。

— アントぼうや (@Ueri9) 2015, 11月 29

本日は仮面ライダーゴーストの放送日でしたね!もちろん「バトライド・ウォー 創生」でも大活躍します!詳細情報はHPでのキャラクター情報公開までもう少しお待ちください!https://t.co/VH77VwuWWF #バトライド pic.twitter.com/hUX75oeeN7

— 「仮面ライダー」家庭用ゲーム公式 (@Rider_Game_PR) 2015, 11月 28

明日も仮面ライダーゴーストに出演するインセクトガンマちゃんに色を付けてみました。何に使うでも無い……イラストのはずです‼︎ ついでに→ #いいニーハイの日 pic.twitter.com/uk2el84sVJ

— 島本和彦31日東A59ウラシマモト (@simakazu) 2015, 11月 28

Kamen Rider Ghost Opening MV / 氣志團 / 我ら思う、故に我ら在り/ "Warera Omou, Yue ni W... https://t.co/onZQJZuvHJ @YouTubeさんから 1分とフルでエアギター行けることを確信した。

— DP兄さん@12/12日暮里遠征 (@diamondpower612) 2015, 11月 28

氣志團のフル、いいなあ。「人は必ず死ぬ。だから生きてる間は一緒にいてくれよ」。いい歌詞だ。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

おそらくあの眼鏡の男の方が人体実験をしたがっており「モノリスのスイッチを入れた犯人」なんだろうけど、マコトは物の見事に性格を歪められてるなあ、と。でもこの手のは誤解が解けて真犯人が確定すればサクッと仲間になる流れだな。 pic.twitter.com/pSWaZVPXP2

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

マコト「タケル... すまなかった。俺はお前たちを半ば憎むことで、妹のために非情でいられる自分を保っていたのかもしれない。本当の敵はアイツら... いや、俺の心の弱さだった。今更許してもらおうとは思わない。ただ、本当にすまなかった」 年明けくらいに言ってそう。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

一方のタケルはマコトが出てきてまた悩み始めたけど、予告も見るにベートーベン回で決意した「生き切る」は全くブレていないようで、冷静にマコトの抱えるものと向き合えそうだな、と。しかもその諭す役割はアカリも御成も十分担えるポテンシャルがあって、マコトデレ待った無しだな。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

しかしゴーストの脚本は本当にバランスが良い。パズルの組み方が絶妙だ。タケルはなよなよしくも芯が太いし、アカリも御成も一歩間違えたら賑やかしポジションなのに好感度がめちゃくちゃ高い。マコトの非道っぷりもギリギリのバランスで魅せることに成功している。安定感と安心を覚えてきたぞー。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

しかしスペクターが武器の手を開いてグッと掴んでの必殺技からのニュートンで防衛までの流れは本当に良かった。こういう「おっ!おおおっ!?」って技とアイデアの応酬は平成1期の頃にはなかった魅力のひとつだよなあ。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

ゴーストはこの8話までで第1章のピースが出揃った感じがあるので、ここからどう混戦模様を繰り広げるかが楽しみだな。予告の新キャラもいい感じで絡んできそうだ。取り急ぎ、スペクターとは和解ならずとも敵の敵は味方理論で共闘していきそう。楽しみ楽しみ。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 11月 29

気付けば「超MOVIE大戦ジェネシス」まであと二週!「ゴーストウォッチメン番外編」という感じでこちらもブログに感想をまとめておこうかな…。


目次】:【7話】<【8話】>【9話】


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男はポジティブに熱心に「結婚できない理由」に沈んでいくのかもしれない

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

嫁さんと結婚して数年が経つ。そりゃあ、ずっと一緒に居れば喧嘩もあったしギスギスした時もあったけれど、基本的に円満な家庭を築けていると自負している。互いに互いを尊重し合う関係でこのまま続けていけたらな、と心の底から願っている。

もういくつ数えると30になる歳になって、周囲でも結婚を考える友人が増えてきた。それは、性別に関係なくだけども、やはり女友達の方がややペースが早い印象がある。自分は20代の半ばで結婚したので、友人の中では早い方だった。でも、あの時の母の言葉が無かったら未だに結婚はしていなかったのかな、と密かに胸に秘めている思い出がある。これは、実は嫁さんにもしっかり話していない。


※※※


大学を卒業して、商社に入社し、営業マンをしていた。当時の彼女(今の嫁さん)とは大学時代からの付き合いで、自分が就職してしばらくしても良好な関係が続いていたので、どことなくこのまま結婚するんだろうな、と何の確証もなく思っていた。しかし、「相手が好きで一緒に居たい」と「結婚する」ということは、突き詰めると全くイコールではない。特に男性からすると、やはり人ひとりの人生を担う重い責任があるという思い込みが強く、その責任を背負う重責を受け止められて初めて結婚が見えてくるのだと、その頃の私も漠然と捉えていた。

夫婦の責任の所在なんてそのパートナーによって十人十色な訳だけど、ひとりの男として二十数年生きてきた体感として、やはり「結婚における男の責任」というのは社会的によくよく“見られて”しまうものだな、と感じる。男尊女卑とか、そういう話をする気はさらさら無い。しかし、まだまだ実情として男性の方に責任のウェイトを測り“がち”な社会なんだなあ、と感じる機会は今でも多い。だからこそ、本当に結婚するのであれば、奥さんになる女性を名実ともに幸せにする責任と覚悟がなければならないと、そう頭の片隅に強い意識が根付いていた。

しかし、「奥さんを幸せにする」とは具体的にどういうことなのか。漠然とした覚悟や責任という壁を感じながらも、この部分の具体例はどこか妙に風通しがよく、すっからかんだ。それを突き詰めると、精神的な面も大きいとは分かっていながらも、やはり男としては金銭的な面に目を向けざるを得なくなる。今の手取りはいくらか。ボーナスはいくらか。貯蓄はいくらか。会社における今の身分で結婚なんて、“まだまだ早い”。そうやって、「責任」を無意識に「貯金額」や「会社での役職」に置き換え、結果としてぼんやりとした形で「一人前になったらプロポーズしよう」という答えに辿り着いてしまう。

言うまでもなく、入社してすぐの人間が「一人前」になれるはずもなく、それはたった数年働いたところで変わるはずもない。そうやって、「まだ一人前ではない。貯金も少ないし」「まだ一人前ではない。手取りはひとりで暮らすのにやっとだから」「まだ一人前ではない。会社でもミスしてばかりの若造だから」、などと「結婚できない理由」という沼に沈んでいく。言うまでもなく、私自身がそうだった。彼女とは「結婚したい」とどこか確信めいたものを持っていたが、結局は前述の「結婚できない理由」に阻まれ、ずっと二の足を踏んでいた。まるで「責任」の自意識過剰状態だ。


※※※


そんな頃、たまたま実家に帰った際に、母とゆっくり話す機会があった。「なんで結婚しないの?」と直球ストレートに質問され、前述のような内容をダラダラと話した。要は、「色々な面で自分はまだまだ一人前じゃないから」という言い回しだ。すると母は、「その“一人前”になれるのは、果たしていつなの? 言ってごらん?」と私に詰め寄った。思わず言葉を濁しつつ、給与・貯蓄・会社でのスキルアップ… ぐるぐると考えて、何が根拠かさっぱり分からないが「…35歳?」と答えた。その頃になれば、会社である程度のポストを得て活躍しているだろう、という願望込みの数字であった。

すると母は、「じゃああなたが35で結婚を決意するとして、その時お嫁さんは何歳なの?」と続ける。「将来子供は何人欲しいの? 例えば3人欲しかったとして、それは“間に合う”の?」、と。少し考えれば分かることなのに、この時の私には大きなショックだった。誤解を招きたくないのでしっかり書いておくが、夫婦の幸せの形は必ずしも子供ではないし(もっと言うと結婚も決して万人共通のゴールではない)、私も嫁さんも、将来子宝に恵まれる保証はどこにもない。それに、30代の女性の出産に関して、ケチを付けたい訳でもない。しかし目の前の母は、十数年前に40歳を目前にして私の弟を出産した。医学的には「高齢出産」に相当する年齢であり、足には太く青い血管が何本も走り、相当な体力を要したことは誰よりも私が知っていた。そんな母だからこそ、「35で結婚したとして“間に合う”のか?」と聞いてくる視線には、説得力があった。

私と彼女は、将来子供が欲しいね、とよく話していた。結婚の約束まではいかなかったけど、お互いに核心には触れず理想の家庭像を確認し合うような、そんな会話はたまに発生していた。彼女が将来複数の子供を産みたいということは聞いていたし、それも、できれば計画性を持って(年子は避けつつ学費が要るタイミングを考慮しながら)“妊活”をしたいという意思があることも知っていた。そして、そんな彼女の希望は、私の希望とも合致するものだった。だからこそ、私たちカップルにとって「35で結婚したとして“間に合う”のか?」という母の問いかけは大いに刺さった。漠然とした「責任」を追い求めている猶予なんて、私にはそこまで残されていなかったのである。

他にも色々なきっかけはあったが、私にとっては実はこの母とのやり取りが結婚を決めた明確な一歩だった。私が独りよがりに漠然とした「責任」を探している間に、彼女の身体には“タイムリミット”が刻々と迫っていたのだ。高齢出産になればなるほど、産まれる子供だけでなく母体のリスクも高まる。デリケートな話題ながらあえて誤解を恐れず書くが、(「子供が複数欲しい」と思っていた私たちふたりにとっては)、科学的な“タイムリミット”は確かに存在したのだ。自分のことばかり考えていて、その動かしようもない事実がいつの間にか盲点になっていた。非常に恥ずかしく、今では大いに反省している。


※※※


男友達と結婚について話すと、「いや、今の自分にまだまだ結婚は早い」という答えが返ってくることは多々ある。一体何が“早い”のだろうか。それは、パートナーと意見を擦り合わせた上での“早い”という結論なのだろうか。私はいつも気になってしまう。もしかしたら男は、将来の奥さんを幸せにしてあげたいからこそ、ポジティブに熱心に「結婚できない理由」に沈んでいくのかもしれない。そんなカップルの盲点や行き違いが、もしかしたらこれまで数々の“別れ”を演出してしまったのだろうか。

あくまで「私たちカップルの理想の家庭像を踏まえた上で」「高齢出産を経験した私の母のアドバイスが」「大いに刺さった」という個人的な話であり、誰しもそうであるとは到底思っていないことを、重ね重ね書き置いておきたい。とはいえ、このひとつの体験談がどこかの誰かの相互理解の一助になれたとしたら、この上なく嬉しいと思ったのである。


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なぜ彼氏や夫はパートナーがいながら「エロ本」「AV」を隠し持つのか? その理屈と男女の認識差を解説する
「S.I.C. 仮面ライダーメタル」にみるダブルの拡張性と基本設定の巧さ
「ウォーターボーイズ」の波紋、その邦画界へ流れ込んだ功罪とは (サンプル)
ジェンダー地雷原を裸足で歩き続ける漫画、「ヒメゴト~十九歳の制服~」

俺は「遊☆戯☆王リアルタイム世代の熱い思い出」を召喚!ドン☆ (サンプル)

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

大人になって紙の札を触る機会はどうしてもお札くらいになってしまったけれど、今でもたまにトランプをやるとカードを「切る」(シャッフルする)動作だけは人並み以上にできる自信がある。束になったトランプをランダムに抜いて上に重ね、それを繰り返す。シュッ!シュッ!シュッ!…というあの動作。否が応でも血が騒ぐ。今から始まるのが他愛のないババ抜きであったとしても、心の奥底には幕を開ける「決闘(デュエル)」に奮い立つ自分がいるのだ。

高橋和希により1996年から週刊少年ジャンプで連載を開始した漫画、「遊☆戯☆王」。気弱な高校生・武藤遊戯がある日祖父から貰った千年パズルを解いたことをきっかけに、自身に古代エジプトの王の魂を宿す。二重人格となった彼は、あらゆるゲームで戦い続ける“遊戯の王”となりながら、失われた王(ファラオ)の魂を巡る友情と闇の戦いに挑んでいく…。連載開始当時に小学生だった自分はこの作品をリアルタイムで読んでおり、98年の東映アニメーション制作によるアニメ化、そして00年にカードゲームをメインとした「デュエルモンスターズ」としてのアニメ化、社会現象となったOCG(オフィシャルカードゲーム)の大流行など、その全てに大いに揉まれてきた。

そんな遊戯王世代の回顧録をひたすらに綴りながら、原作「遊☆戯☆王」を中心にその物語の魅力に迫ってみたい。


※※※


原作の「遊☆戯☆王」が「友情」の物語であることは広く知られた話だ。遊戯は、自分をいじめていた城之内や本田を更なるいじめっ子から庇い、その行動が城之内をプールに飛び込ませる。彼のずぶ濡れの行動がパズルの最後の1ピースであり、その友情成立を経て完成した千年パズルは、遊戯に通称“闇遊戯”という裏人格を潜ませる。「ジョジョの奇妙な冒険」で知られる荒木飛呂彦の影響を強く受けていると公言するだけあり、その奇怪演出とホラーテイストの中で活躍する闇遊戯のダークヒーローっぷりは当時の私には新鮮であった。ゴゴゴ…といった擬音の演出など、ジョジョ視点で読み込むと原作序盤は別の面白さが垣間見える。サブキャラや脇役が再登場する箱庭感覚の物語などは、まるでジョジョ四部のようでもある。





スポーツや格闘、戦闘をせずに、「主人公がゲームで悪を裁く」。それも必殺仕事人のごとく闇に紛れて人目のないところでそのゲームが行われ、負けた悪人に対してはこの上ない皮肉の効いた罰ゲームを喰らわせる。その所業は遊戯“本人”でさえ気付いていない。そんな影のヒーローとして描かれていく闇遊戯の活躍は非常にエキセントリックであり、どこかバットマン的な“闇の仕置きヒーロー”のようなカッコよさも併せ持っていた。(まさにアメコミチックなダークヒーロー・ゾンパイアという存在が出てくるあたり、高橋先生も相当なアメコミ好きだと思われる)

この連載序盤から後に宿命のライバルとなる海馬が登場し「M&W(マジック&ウィザーズ)」というカードゲームも初登場。そして、物語終盤の鍵を握る存在・シャーディーも登場し、古代エジプトの謎が物語の根底にあることが示唆されていく。また、カプセル・モンスター・チェスや龍札(ドラゴンカード)など作者オリジナルのゲームの多数登場。読者にとっては初めて出会うゲームなのに、短時間でしっかり「勝つための説得力のあるロジック」を提示してくれるのが面白い。海馬が遊戯を陥れるために仕組んだプロジェクト「DEATH-T」を潜り抜け、カードゲームとしての魅力、そして友情物語の側面が次第に……






■完全版は2015年12月末発売予定の電子書籍『THE BEST』(0円)に収録予定。詳しい内容や進捗状況はこちら


(あわせて読みたい)
懐かしいぜ!東映版アニメ「遊☆戯☆王」ホームページで思い出に浸ろう! ~90年代の遺産と闇のゲーム!


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【過去記事】
男はポジティブに熱心に「結婚できない理由」に沈んでいくのかもしれない
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ネットから灰色が消えようとしている

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

私だけかもしれないが、「ネットって面倒臭いなあ」と思うことが最近増えた気がする。例えばの話だけど、SNSでも個人のブログでも公式のアナウンスでも、「リンゴは赤くて美味しいですね」という意見に対して「オレンジの橙色は何がいけないんですか? みかんは不味いってことですか!」と鼻息を荒くして叫ぶ人を頻繁に目にするようになった。触れてもいない・作ってもいない「敵」と「攻撃」をそこに感じ取り、更にそこに「攻撃」で返す。何が厄介かというと、この報復の「攻撃」には「正義」があると“その人”は信じ切ってしまっているのだ。まるで正当性に悪酔いしている。


※※※


本当は専門用語があるのかもしれないけれど、今咄嗟に考えた単語として「中間情報」というものを説明してみたい。これは、例えば面と向かって誰かと会話した時の、表情・声の調子・しぐさ・周囲の環境、そういった“主張(言葉の上での白黒)以外”の部分を指す(ことにする)。私が友人と話していて「〇〇って作品、面白くないよね~」と語ったとして、本当にその作品を“面白くなく”思っているかといったら、必ずしもそうではない。あえてそういうニュアンスを用いる場合や、冗談であったり、むしろ好きだからこその裏返しでそう形容する時もあるかもしれない。

そんな時は、わざと表情を作り、口元、視線、そして手の動きからもっと挙げれば背中の角度まで、無意識に全ての「中間情報」を使って相手にそれを伝えようとするだろう。「面白くない」という発せられた言葉“そのまま”ではなく、それを補強するからこそメッセージが成立する、という訳だ。白でもない黒でもない意見、その中間を取り持ったり繋げたりする。





これが、インターネットの世界では非常に難しい。というより、実質不可能である。この0と1の世界では、表情も声のトーンも身振り手振りも何も伝わらない。「発言(=文字)」、唯一である。こうして「中間情報」は喪失してしまうのだけど、だからこそ誤解を招かないような表現が求められるし、それを読み取ろうとする意識も欠かしてはいけない。こんな、非常に当たり前すぎてあくびが出るような事実を改めて痛感するほどに、最近はネット社会を面倒臭く感じることが多い。「文字」のみに絞られようとそこに絶対あったはずの「中間情報」を読み取る意識が“微塵も”ない人もいて、そういう人が最初に挙げたようにトンチンカンなオレンジ批判批判を始めてしまうのだろう。「文字」はその字面だけ見ると(切り取ると)白黒がつけやすく、「中間情報」が体現していた「灰色」が往々にして見えにくい。


※※※


これは読み取る方だけでなく出力する側にも同じことが言えて、双方ともにどうやったって失われてしまう「中間情報」をいかに文字に埋め込むか(いかに意識的にサルベージするか)という視点は、欠かしてはいけないのだろうと思う。そして、世の中には沢山の灰色な意見が渦巻いていることを実生活の中でみんな感じているはずなのに、「文字」だけのネットの中ではどこかそれが無く全て白黒つけられるような錯覚を覚えてしまう人もいる。

例えばSNS等で好きなアニメにちょっとでも否定的なニュアンスを書き込むと、すぐにアンチと認定されたり、その逆も往々にして発生する。更には、「〇〇アンチはすぐに××という作品と比較して貶す」などと全く身に覚えのない罪状まで付加されてしまい、濡れ衣で拘束されるハメになる。「この作品はとにかく好きなのだけど、だからこそここは欠点だと個人的に感じている」という“灰色”を全く読み取ろうとせず、白黒の世界でたまたま目の前の意見が黒寄りだったから黒断定、と烙印を押される。しかも、そんな人は粘着質にそれを長々と押し付け、無いこと無いこと触れて回ったりもする。迷惑なことこの上ない。

差別と正しさという意味でもその事案は発生していて、「〇〇に疑問を呈する」ということは必ずしも「××の味方」ではないのに、それをそうと決めつけてかかる人がいる。白黒の世界、つまり、ネットには敵か味方かしかいないと思っているのだろうか。自分が少しでも気に入らない相手は全部“敵”にしてしまい、己の叫ぶ正当性が倫理観を著しく欠いていることに気付かず殴りかかる。「言及していないこと」は「考えていないこと」でもないのに、全方位に100点満点じゃない文章は袋叩きにされる。そしてその正しさや白黒とはまた別の次元で「声の大きさ」という一点が非常に影響力を持ちすぎており、死屍累々の現場が出来上がっていくのをごく最近でも何度も目にしてきた。

「否定的なニュアンスを発する人」は必ずしも「その対象のアンチ」ではないし、「書いていないこと」は「書き手が考えていないこと」とイコールでもない。世の中には灰色が沢山あってそれはネットでも変わらないのに、こんなにも空が青いくらいに当たり前の事実を改めて叫びたくなるほど屈折した窮屈さを最近は感じてしまうし、更に言えばこんな形容にも「夜だったり大気汚染があると空は青くないですよ!」と真顔で言われたりするので「うんざりofうんざり」なのだ。“そういうことじゃない”のだ。


※※※


何度でも書くが、これは何も読み手だけの話ではない。私のようにブログを書いたりSNSで文字を発する人も皆が皆、意識して「中間情報」をうまく文字に加工していかなければならない(もしくは、全方位に100点満点の「主張」だけを発信するしかない)。また、これはなにも“最近”だけの話ではなく“そういう人”は昔からいたのだと思うが、最近はあらゆるネットサービスが提携し相互に情報が行き交うようになり、その手の面倒な話題は全盛期の飛脚より足が速くなった。ここ数年で一気に可視化された“そういう人”は、そのスポットライトを曲解して更に声を大きくする。



常識人は淘汰される? ネットの風潮を左右する”ヤバい人バイアス”とは


更に加えて、小野ほりでいが提唱する「ヤバい人バイアス」もここに作用し、より一層の“白黒化”が進んでしまう。今や、灰色の人は大人しく細々と暮らした方が(ネットにおいては)得策のようにも感じてくる。その灰色が“どの灰色か”が意見交換の肝なのだけど、そこの面白さを追求するよりも先に白組か黒組かに強制配属されてしまうような、そんな感覚…。





書き手も、読み手も、理想としては神経を研ぎ澄まして“そこ”にある「中間情報」を常に感じ取らなければならないのだろう。そしてそれを盛り込み・汲み取る努力も、忘れてはいけない。とは言いつつ、あまりにも身近になりすぎたインターネットでそんな毎日のようにアンテナをバリバリ立てる訳にもいかず、本来そこはネットで大小の泥仕合を経験しながら“慣れ”でカバーされていくもの …だと思いたい。私も、毎日のようにブログを書く「物書き」の端くれの端くれの端くれのひとりとして、「灰色」を上手くネットにドロップできるよう、日々精進していきたい。 (追記:私がテキトーに定義してしまった「中間情報」ですが、正確には「ノンバーバルコミュニケーション」というらしいです)


(オススメ記事)
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どうして「体育の授業」のおかげでスポーツが嫌いになってしまうのだろう


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【過去記事】
仮面ライダークウガという呪縛
男はポジティブに熱心に「結婚できない理由」に沈んでいくのかもしれない
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「ウォーターボーイズ」の波紋、その邦画界へ流れ込んだ功罪とは (サンプル)

仮面ライダーゴースト 第9話「堂堂!忠義の男!」【週刊ライダー時評 ゴーストウォッチメン】

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

ついに1クールのクライマックスに向けて動き出した感じのあるゴースト。タケルもいつの間にか残り20数日でまだ10個もアイコンを集めなくちゃいけなくて、「こんなん間に合わねぇよ!」と思ったらどうやら予告を観るにジャベルの横槍で強制的に全てのアイコンが集まっていく様子。今週はちゃんと怪我した五十嵐さんを御成にお願いしたり追いかけるときに呼び止めるために適切な声を投げかけたりと、タケルの高感度が地味に高い(割と冷静に頭がキレるタイプ)。演技力の上昇も怖いくらいだ…。


目次】:【8話】<【9話】>【10話】


■第9話「堂堂!忠義の男!」(2015年12月6日放送)


「最後の時が来るまで命を燃やし切るって決めたんです!」

仮面ライダースペクターの正体が10年前に行方不明になっていた幼馴染のマコト兄ちゃんだと知ったタケル。そして、マコトから亡き父・龍が10年前に何をしていたか知っているのか、と問われる。10年前に何が起こったのか?仙人に尋ねるがいつものように誤魔化されてしまう。そんなタケルたちのもとに10年前に失踪した物理学の権威・五十嵐博士がいた研究所で不可思議現象が起きていると匿名の依頼が舞い込む。五十嵐の顔に見覚えがあるタケルは龍の遺品を調べると父と五十嵐、そして西園寺が共に映っている写真を発見する。五十嵐博士の事件をたどれば10年前に何が起こったか分かるかもしれない。タケルたちは調査に乗り出す。

一方、アランの元には新たな仲間が現れる。そして西園寺は計画を次のステップに移す。眼魂を巡ってタケルが、西園寺が、マコトがそしてアランたちの思惑が絡み合う。激動の第9話、ご期待下さい。

仙人曰く、今回の偉人は「千本の武器を集めると誓いを立てていた・・・」

再び消え去るまでの時間は○○日
残り10個の眼魂(アイコン)を集めろ!

脚本: 毛利亘宏
監督: 山口恭平


仮面ライダーゴースト9話、一気に話が動いてきた印象。現状、四つ巴状態なんだな。ベートーベン回でのタケルの決心が全くブレずにゲストの五十嵐やマコトに投げかれられていくので、観ていて非常に気持ちが良い。敵怪人の造形がすごいと思ったら倒されなくて笑った。ついに1クールクライマックスか。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

ゴーストの勢力図として、「タケルたち寺メンバー」「妹のために戦うマコト」「タケルパパを裏切った西園寺」「アランやジャベルの眼魔軍団」、この四つな訳だね、現状。で、タケル以外の三勢力が地味に繋がってるというか、物語開始時点では同じだったけど地味に分裂し始めてるのかな。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

タケルパパや五十嵐さんは眼魔帝国の存在と近い未来における侵攻を何らかの機会に知り、その世界を繋げるモノリスを研究し食い止めようとしていた。しかし自らの研究や野望のために助手の西園寺がマコトや彼の妹を人体実験的に利用し、離反。その流れでタケルパパは命を落とす。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

西園寺は眼魂を集めるために暗躍し、そして帝国から陛下の息子であるアランがこちらにやってくる。利害一致で結託した彼らは、眼魔による眼魂収集を開始、アランは同時に謎の紋章を各地に根付かせつつもうひとつのモノリスまで研究している。(おそらく眼魔大群を移動させるための通路を作っている)

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

一方眼魔帝国に吸い込まれたマコトはそこでアランたちに拾われ、妹を眼魂に変えられるも尖兵として育てられる。アランの部下としてゴーストドライバーを与えられ地球に舞い戻ったが、脅迫&餌(動機)として与えられた妹を蘇らせる眼魂収集に傾倒しすぎてしまい、ジャベルに叱られてしまう始末。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

とにかく眼魂を収集したい西園寺と、帝国のために暗躍するアラン(その計画進行が遅いためジャベルが遣わされる)、そして妹のためには帝国の動きなんて知ったこっちゃないマコト。ここにゴーストという存在が現れたために彼らは緩やかに分裂し、そして1クールのクライマックスに向かっている、と。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

...恐らく遠からずこんな感じでしょう。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

そうなると、やはり帝国側がマコトに与えたであろう武具と仙人がタケルに託した武具、つまりゴーストドライバーが共通であるというのがこの上なくきな臭いし、仙人は例えば眼魔帝国の要人だったけど今は離反している ...例えばダイレンジャーの道士・嘉挧のような背景があるのかもしれないな。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

もうすぐ仮面ライダーゴーストに登場いたします! 僕はリアルタイムで見れませんが、 感想お待ちしております!

— 聡太郎 (@sotaroyasuda) 2015, 12月 5

ジャベルはゲキチョッパーの人ということで懐かしいなあ。 pic.twitter.com/CdApUVQpwZ

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

タケル殿、完全版ですぞーっ!!「仮面ライダー」入場者プレゼントを御成が紹介 https://t.co/kJvRQt91O1 #仮面ライダーゴースト #仮面ライダードライブ pic.twitter.com/9FofHGRxTU

— 映画ナタリー (@eiga_natalie) 2015, 12月 5

本日の9話いかがでしたか?ゲキチョッパーを演じていた聡太郎さんが、ジャベルとして登場。この後の暗躍っぷりに注目です! そして御成のサイドストーリー完全版が、以下公式サイトにて公開!バッチリミナーでお願いします!https://t.co/n3APZI5GiO #仮面ライダーゴースト

— 仮面ライダーゴースト (@kamenghost_toei) 2015, 12月 6

スペクターがほんと典型的なサブライダーしてる。ま、去年の今頃も魔神チェイサーが同じようなポジションだったけども。

— otomusic (@ak_otomusic) 2015, 12月 5

研究仲間が敵になるってどこの友よどうしてライブマンだよ #nitiasa #SHT #kr_ghost pic.twitter.com/GWH6wAxP5z

— ぱく (@pac_amniotic) 2015, 12月 5

敵の造形がやたら凝ってて面白かった。ゾウでありヒゲであり龍になってて中華で武具で弁慶との対比、と。 pic.twitter.com/VxE00Xh06b

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

初戦が怪人相手に白星をあげられなかった弁慶眼魂だけど、ツタンカーメン相手に圧勝と純粋なパワーではかなり高いっぽい。そういえばゴーストはパワータイプの姿がなかったし、力押しの場面では今後多用されていくのかも。 pic.twitter.com/7w4LKZSYFR

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

敵を仕留め損ねるのは平成ライダーによくあることだけど、それでも一応一話完結ということにしてくれるだけで視聴ストレスが軽減されるというか、むしろあの緑怪人が西園寺の優秀な手駒として幹部オーラを出し始めてるのが面白い。これでいいんだよ、これで。話を一度閉じてくれれば良い。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

次回で眼魂は15個が揃ってしまうとのことだけど、やはり前に予想したように残り10個を使うのは年明けになるだろうな。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

マコトの動機、つまり妹の蘇生(?)をタケルが知ったなら、タケルは眼魂を集めた生命の権利を割とサクッとマコトに譲りそうな感じがある。「他人の心配をするな」と豪語するマコトに、最後まで他人の心配をするタケル。これが年末のフィナーレならベタながら最高でしょ。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

マコトの動機を知るタケルの図は、例えば龍騎でゾルダ北岡の不治の病を知った真司と構図が似てる訳なんだよね。願いはひとつ、互いに譲れない。龍騎の場合はそれが終盤だったからじっくり悩む暇もなかったけど、タケルがここにどう決断を下すか、そしてマコトがそれをどう受けるか、ここが肝だなあ。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

やはり、タケルがそのまま生き返る、って線はもう無いと思う。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

“仮面ライダー:“ゴースト”西銘駿「これからは僕が引っ張っていく!」 劇場版完成披露で熱い決意 - MANTANWEB(まんたんウェブ)” https://t.co/E4oLsi1Wut

— FUJIPON (@fujipon2) 2015, 12月 6

橋の向こうから走ってきて変身するスペクターとか、ゴーストドライバーの内側から見えるスペクターとか、今週のカメラワークというか、画づくりというか、なんて言ったらいいかわからないんたけど、ハッとする感じで好き #仮面ライダーゴースト

— Akira (@Akira_sabo3) 2015, 12月 5

「お前に俺の何がわかる!」 めんどくさい二号ライダーが言いそうな台詞ベスト3いただきましたー! #ghost #nitiasa

— 辰矢(ラッキューロ3周年) (@tatuya031200) 2015, 12月 5

俺はマコトの典型的な拗らせっぷりがもう大好きでね...。これだよこれ... こんな野郎、平成ライダーにしか出てこないよ...。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

このアタッシュケースがプレバンで出るぞ、って頭の中のユルセンが喋ってる。 pic.twitter.com/1mN61tkrvJ

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 6

さてさて、今週末は超MOVIE大戦。


目次】:【8話】<【9話】>【10話】


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【過去記事】
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ブログの逸失利益が60万を超えていた

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

このブログも開設から早21ヶ月目に突入した。「不定期に気ままに書く」というモットーのまま毎日更新もせず書きたいことを書きたい時に書いてきたが、おかげさまで最近は沢山の方に読んでいただけている。アクセス解析であるGoogle Analyticsをちゃんと導入したのが2015年の7月。しっかりひと月単位で集計できた8月から11月までのアクセス数を順に追っていくと、59万・42万・52万・55万 …完全な自画自賛ではあるが、「50万PVブログ」と名乗っても罰は当たらないだろう。

しかしこのブログは、全く収益化を図っていない。広告もgooブログの非表示にできない最低限のものだけで、毎日いくらアクセスがあったところで私の懐は1円も暖まらない。むしろ月額数百円のコースに入っているので(容量を増やしたり独自のアクセス解析を利用するため)、ブログ単位で見ると赤字である。年間数千円の“赤”だ。


※※※


とはいえやはり数字は気になるところで、仮にこのブログが収益化を図ってアドセンスを設置し広告収入を得ていたらどれくらいになるのか、ちょっくら調べてみた。「50万PV」「収入」などのキーワードでググって、体験談や収益履歴をいくつかピックアップ。数件見つかったので、その平均額を出してみた。どうやら、50万PVのブログだと月に15万は稼げるらしい。つまり、最低でもこの直近4ヶ月で…

60万!?!?!!! 60万!ちょっと60万ですよ奥さん!やっべぇ!こりゃすごい額だ。逸失利益60万!(厳密には債務不履行も不法行為も無いけどニュアンスで伝われ)!仮に60万あったら欲しい物沢山買えるよなあ、と思いつつ、Amazonで60万円分のウィンドウショッピングをしてみた。






…いや面倒くさっ!使い切れない!こうやってテキトーに並べただけでまだ20万そこらだよ!おい!!というか、いざ欲しいもの並べてみてもこんなもんか!!“これら”か!!!この類の物だけかよ!!いい歳してもっと他に何かないのかよ!!!(自分にキレている)


※※※


まあそんなこんなで。自慢に見えましたか? はい、ちょっと自慢しました。すみません。でも、重要なのはここからで、私は別に60万が夢の塵となっていようが全く損した気はない、という話。別に強がりとかじゃなくて、そうだったら今頃とっくにアドセンスの勉強をしてバシバシと貼りつけてますからね…。

これはもう自分との戦いでもあるんですが、仮にブログを収益化しちゃったら、書きたいこと書けないんだろうな、と。これはグーグルから制限をかけられるとかそういうことも含めるんだけど、基本的には自分の話。私は自分自身がよく出来た人間だとも思っていないし、野次馬根性は根強いし、ネットで炎上している話題があるとやはりホイホイと群衆に紛れて見に行ってしまう。そんな自分が「アクセス数=お金」のメディアなんかを手に入れた日には、もう酷いですよ。クズブログの誕生ですよ。毎日のようにネットでそこそこ燃えている話題を引っ張ってきては偉そうにマウント仕掛けて目先の数字だけ追っちゃうようなゲスofゲスな運営にしかなりませんよ…。

なので、「自分の考えをアウトプットしてそれが沢山の人に読まれたら嬉しいな」、というブログを始めた頃の根源的欲求を維持するために、私は赤字ブログを運営し続けているのです。心の弱い人間が自分を律する術なのです。実際に“沢山の人に読まれたら嬉しい”が前述のとおり達成されているからこそ、臆面もなく言えばその表現欲求&承認欲求が満たされることがこのブログの“利益”となっている。おかげさまでSNS等でその筋の有名人やプロの方に読まれて紹介されることも増えてきて、だからこそ「もっと中身で勝負してぇ!読まれてぇ!」という欲求が、こうやってキーボードを打ち込む原動力になっていく。我ながら、これはとっても楽しい。

単純に書く行為そのものがとても楽しくて、それがアクセス数という結果として浮かび上がってくるのだから、ブログというのは何かをアウトプットしたい人間には格好の手段だなあ、と。だからこそ他人のブログを読むのも好きだし、その「アウトプットの幅」を見て回るのが日課になっている。この好循環は、今後も小さな財産として持っておきたいな、と思っている。

誤解を招きたくないので再度書いておくが、私はブログの収益化自体はとても良いことだと思っている。むしろ、収益を得ながら良質なコンテンツを作り続けるなんて、私にはできそうもないことで純粋にすごい…。絶対無理だそんなの…。引っ張ってきた話題にスポイトで油をぴゅっぴゅとかけながらドヤ顔をかます記事を書いてしまう欲求とどう戦えばいいんだ…。敗戦必至な土俵には登れないよ…。

そんなこんなで好きにやっているからこそ、0円電子書籍を作ってみようなんて変なチャレンジも始めたし、そして、色んな人のブログを読んで回るのが趣味になっている。前にも別な記事で書いたが、これを読んでくれている貴方がもしブログをやっていたら、コメント欄等で教えてください。定期的に読みに行きますので。何だか取りとめもない感じになってしまったが、今後も「ブログ」とはこういう距離感で付き合っていきたいんです、という読者に向けての意思表明ということで。今後ともどうかよろしくお願いします。


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【過去記事】
ネットから灰色が消えようとしている
仮面ライダークウガという呪縛
男はポジティブに熱心に「結婚できない理由」に沈んでいくのかもしれない
俺は「遊☆戯☆王リアルタイム世代の熱い思い出」を召喚!ドン☆ (サンプル)

スター・ウォーズがこわい (サンプル)

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

コンテンツには「角度」というものがあるのだと、私は常々感じている。例えば「ドラえもん」を例に挙げてみると、まずは原作漫画という「角度」があり、言うまでもなく国民的番組であるアニメという「角度」があり、そのアニメにおいても声優一新前後でのファン層の違いという「角度」、劇場版やそのリメイクの内容という「角度」、グッズ展開や各種メディアミックス、後世に与えた影響などの「角度」 …挙げていけばきりがない。

それらの「角度」は、オタク的なニュアンスで言い換えれば「語り口」とも表現できる。「ドラえもん」という作品をいかに捉えるか、そして、そのコンテンツを大いに味わうためにはどの程度の「角度」をカバーすれば“それなり”になれるのか。具体例を挙げれば、「帰ってきたドラえもん」を読みもせずに「ドラえもん」を語るのは“あり”なのか、という話だ。

この観点でいくと、私は「スター・ウォーズ」ほどに「角度」の多いコンテンツは無いのではないか、と感じている。まずもって映画6作のシリーズというのは決して気軽に観られる本数ではないだろう。しかも、そのどれもがしっかりと2時間以上のボリュームだ。というか、そもそもそんな次元ではないのだ。この6作、そして新たに2015年から始まる三部作を含め、「スター・ウォーズ」は文字通り大いなる“歴史”を紡いできた。1977年の「エピソード4 / 新たなる希望」から2005年の「エピソード3 / シスの復讐」までの28年間。ある意味、単なるシリーズでも、もっと言えば映画ですらなく、「スター・ウォーズ」というジャンルであり宗教として燦然と輝き続け、そして10年ぶりの続編を携えてその光は一層強くなってきている。

私は映画が好きで、特撮が好きで、SFも大好きなのだが、実はつい最近までちゃんと「スター・ウォーズ」を観たことがなかった。2014年にやっとこさ6作を一気に鑑賞したのだ。それに至った理由はいくつかあるが、むしろその前、「なぜそれまで観る気にならなかったか」というのが表題の「こわい」に相当する。





率直に答えから書いてしまうと、それは、「角度」が多すぎるから。新作公開に際してネットでも一層スター・ウォーズ熱が高まっており、その界隈では筋金入りの好事家たちが布教に熱心だ。しかし実際に観るまでの私にとって、その呼びかけは非常に距離のあるものだった。いくら「初心者大歓迎だよ」と言われても、それは深い深い谷の向こう岸から叫ばれるような感覚であった。この感覚も、言ってしまえば私自身が非常に面倒臭いオタクであることの証左だったのだろう。

「角度」は、実はオタクであればあるほど“数えられる”ものだ。オタクは、そのコンテンツに対する中途半端をどことなく嫌う。好きな物なら突き詰めてナンボ。ネットの普及と共に知識量が拳になる時代はもう終わりを迎えていると思うが、それとは別に、やはりコンテンツを隅から隅までむしゃぶり尽くしたいという“気概”を持っているのではないだろうか。少なくとも、私自身はそうであるし、それは今も大きく変わらない。だから、例えば全く門外漢のアニメを観る際に、それが原作付きならそれにも目を通したいし、スピンオフや番外編もあるならその鑑賞も視野に入れるし、何ならネットを開いて放送当時の反響やレビューを探しに行ったりするだろう。

そういう「角度」が、「スター・ウォーズ」にはあまりにも多すぎるのだ。私自分の趣味の範疇から考えても、「スター・ウォーズ」の「角度」は非常に数えやすく、それでいて数え切れなかった。6作の合間合間に位置する小説が多数あるのは前提として、そもそも公開版とディスクに収録されている内容とでは違いがあるとか、幾度とない修正が施されているとか、特別篇というものが存在するとか、スピンオフのアニメシリーズも結構なボリュームがあるとか、ワンシーンに映る多種多彩な宇宙人やメカの細かな名前すらファンは知っているとか、あまりにも膨大な裏設定や考察に囲まれながら、何より“それ”が全世界に巻き起こしてきた旋風や論争までもが明確に「角度」に数えられてしまう。だから、全く観たことのないこじらせたオタクが“それ”と相対した時に、非常に高い壁と多い角度を察知してしまうのだ。俗な表現で端的に言ってしまえば、「敷居が高い」。

今となっては遅いが、もっと自分がオタクとしてこじらせていないタイミングで踏み切れば……






■完全版は2015年12月末発売予定の電子書籍『THE BEST』(0円)に収録予定。詳しい内容や進捗状況はこちら


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ウルトラマンネクサスがXで魅せた11年ぶりの「夜襲」

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

平日火曜の夜にアラサーが咽び泣くとは、あまり褒められたことではないかもしれない。しかも自宅のリビングだ。風呂上りの嫁さんはサッパリしてリビングに戻ったら旦那が喉仏まで涙を流しながら嗚咽を漏らしていたので、正直ドン引きしたと思う。しかし私は人目(嫁目)をはばからず泣き続けた。涙が止まらなかったのだ。改めて冷静に書くと我ながら気持ちが悪すぎる…。

11年前の2004年、「ウルトラマンネクサス」という番組が放送を開始した。言うまでもなくウルトラマンメインシリーズの当時最新作にして、後年も語り継がれる異色作となっている。「主人公はウルトラマンにならない」「ウルトラマンになる人間は劇中で変わっていく」「毎週必ず怪獣を倒す訳ではない」「陰鬱としたテイストで描かれる連続ドラマ」。結果としてその新機軸は広く受け入れられたとはとても言い難く、打ち切りという形で幕を閉じた。視聴率は1%も記録したと聞くし、玩具の売り上げも悲惨だったとのこと。

ウルトラマンネクサスは、過去の平成三部作(ティガ・ダイナ・ガイア)に比べ極端に少ない予算で製作された。円谷プロ自体が経営難だったことが最大であり唯一の原因だ。それを受けてか、ネクサスは自ら「メタフィールド」という亜空間(別次元)を作り出し、そこで怪獣と戦うという設定が設けられた。言うまでもなくその亜空間は毎回同じセットであるため、ミニチュアの予算を大幅に削減できる。敵怪獣・スペースビーストは良くも悪くも生命力が強く、何週にもわたってウルトラマンと戦い続けた。要は、新しい怪獣の着ぐるみを作る予算が不足していたのだ。





これらの“製作上の都合”が卵か鶏かは分からないが、作劇はそれを補うように構成されていった。元レスキュー隊員の主人公・孤門一輝は、ある日銀色の巨人に命を救われる。そのウルトラマンに変身する姫矢准という青年は、戦場カメラマンという経験からくるトラウマと自責の念を抱きながら孤独な戦いを続けていた。「ウルトラマンは亜空間を作りだし我々の知らない場所で戦っている」というミステリアスな設定が、「次第に姫矢の心の内を知っていく孤門」という構図と重なっていく。また、いわゆる“防衛隊”であるナイトレイダーも多彩な科学を用いて秘密裏を徹底する組織であり、その隠蔽性もウルトラマンの謎や全体のテーマに一役買っている。

後にウルトラマンの力は千樹憐という青年に受け継がれ、彼の自身の命を軽視した戦いぶりを姫矢との関わりを経て成長した孤門がたしなめる、という流れになっていく。憐の生い立ちの謎を入り口としてナイトレイダーという組織やネクサスの謎が明かされていくも、この辺りで番組の打ち切りが決定してしまう。しかし、“巻き”の展開ながら絶対に「ネクサスがネクサスらしくあること」を製作陣が崩さず、駆け足にはなったが真の黒幕と孤門の活躍を1クール短縮という状況で描き切った。今でこそネットではネクサスを称賛する声に溢れているが(私もご多分に漏れずそのひとりだが)、ネクサスは打ち切られたからこそ傑作になったのかもしれない、とも感じる。あの怒涛のクライマックスとリアルタイムでの“終わってしまう”感覚。それが、作り手と視聴者に過度の緊張感をもたらしていたのだろう。


※※※


カルト人気を持つ打ち切り作品というと「未完の大作」という表現がよく用いられるが、ネクサスの場合は「既完の奇作」とでも書いた方が正しい。ウルトラシリーズが他のヒーローもの、例えば仮面ライダーや戦隊ヒーローとはまた異なる部分で確実に持っていた「分かりやすさ」「お決まり」「パターン」、それらを崩すことを半ば目的として作られたネクサスだったが、当たり前のように当時の子供たちから“真っ直ぐな”評価は得られなかった。私のような、十代にしてすでにオタクとしてこじらせてしまっていた好事家たちは、熱心に手を叩いて鑑賞していたのだけども…。

とは言いつつも、私はネクサスは決して「良く出来た作品」ではないと思っている。「好き」と「クオリティが高い」は、往々にしてイコールではない。毎週のように似たような怪獣が出てくるにも関わらず、ウルトラマンは中々それを倒さない。しかも、毎度のように苦戦する。番組内容としての挑戦云々以前に、特撮ヒーローという土台に求める「カタルシス」「爽快感」というものが非常に偏っている。また、主人公がひたすらにくよくよ悩むのも特徴で、恋人を悲惨な形で失った際には、放送リアルタイム換算で1ヶ月ほど抜け殻状態になっていた。





土曜の朝に観る番組としてこれほどに不適当なものはない。ドラマのバランスももうちょっと緩急やメリハリが欲しかったし、ネクサスの戦い方もフィールドが同じであるのならもっと技や動きのバリエーションで魅せても良かったし、スペースビーストの造形も毎回似たような色合いなのでその亜空間設定と伴って“代わり映えしない映像”という印象を受けてしまう。

何度も書くが、決して高クオリティでも何でもないと思っている。しかし、そんな(製作費的に)過酷な状況の中で、非常に高い意識と目的の中で作り上げられていることはカットごとにガンガン伝わってくるし、それをウルトラマンでやるという行為そのものが当時の私の頭を毎週のように殴っていたのだった。その結果、完全にあの3クールもの間、見事に酔わされていた。だから、“私の中で”「ウルトラマンネクサス」は傑作に位置しているのだ。


※※※


そんな劇的な最終回から約10年が流れ、シリーズ最新作である「ウルトラマンX」にて、ネクサスが客演で登場を果たした。この「エックス」は、改めて振り返るとまさに「2周目のウルトラマンメビウス」とも言うべきタイトルに成長を遂げており、平成シリーズのウルトラマンたちが多数ゲスト登場を果たした。それも、ただ出てくるだけでなく、しっかり原典の面白さや魅力がX用に再調整されており、ファンにはたまらない演出も数多く登場。何よりも製作陣が「こだわって」「楽しく」やっていることがひしひしと伝わり、その明確なベクトルで毎回大いに楽しませてくれている。(もちろん、客演回以外のアベレージも異常に高いということは書き置いておきたい)

20話「絆 -Unite-」にて、ネクサスはなんと「X」内の防衛隊Xioの女副隊長・橘さゆりを変身者として登場した。ネクサスに変身できる者、つまり適能者(デュナミスト)であるが、それをすでに20話近く登場していた既存のキャラクターに割り当てるとは非常に“攻めた”構成である。そもそも「客演」なのだ。正直、孤門や姫矢がウルトラマンXになる大地の前に現れて「諦めるな!」と声をかけネクサスに変身して一緒に戦ってオーバーレイ・シュトロームでも一発撃ってくれれば、それだけで拍手喝采する用意は存分にできていた。「ネクサスがまたテレビで観られる」、それこそが最大の旨味だからだ。





しかし、阿部雄一監督率いる製作陣は、当時と同じようなある種こちらを突き放すような意識の高さを、10年ぶりに作中に込めた。「女性の副隊長」がネクサスの適能者に選ばれるのは、言うまでもなく原典のナイトレイダー副隊長・西条凪をオマージュしたものだ。そう、“ネクサス”の力は受け継がれていくからこそ意味があり、それは作中でも度々明言されてきたことだった。ある意味、“孤門や姫矢が10年経っても未だネクサスの適能者であってはいけないのだ”。だからこそ、まさかのシークレットゲストとして登場した孤門役の川久保拓司は、そのレスキューぶりでファンサービスを振りまきつつ、ネクサスをどこか確信じみた表情で見つめるだけに留まった。それは、過去に自身が持っていた力だからか、妻の鼓動を感じたからか、それらを上手い塩梅でボカして魅せた演出に惚れ惚れするばかりだ。

言うまでもなくベムラーが登場するのは、ネクサスの第0話に相当する映画「ULTRAMAN」の敵怪獣ザ・ワンのデザインイメージ元であり、湖で暴れるのは初代ウルトラマンの1話と同じである。スペースビーストを上からの拳ひとつで倒すアンファンス、渋谷というロケ地、何より「女性がウルトラマンになる」という未だ斬新さの薄れないインパクトなど、初めて「ウルトラマンネクサス」を目にした2004年10月2日の朝8時と同じ感覚に襲われてばかりだった。11年前に第1話「夜襲 -ナイトレイド-」を観た時の、「うわっ!これはこれまでのウルトラマンとは違う…!“何か”すごいものを観ている気がする!」という、ワクワク感。同時に込み上げる、「ウルトラマンでこれをやっていいの?」という仄かな焦燥感。




▲「ウルトラマンネクサス」第1話より


ネクサスは観る側を突き放す不親切さが意識の高さとイコールであり、だからこそ、その突き放された“距離感”を埋めたくて必死になって追いかける。そうして、次第に熱中していく。そんなあの頃の心の動きと全く同じパターンが11年ぶりに私に降りかかってきた。「え?え?」と戸惑いながら、驚きながら、そうして、見えや絵面だけでなく「ウルトラマンネクサス」という番組そのものを客演させる手法。そしてそれを見事に“やれている”という感動。こんなので嗚咽を漏らさない訳にはいかなかった。「感動して泣く」という言葉じゃ到底足りない感覚が、11年ぶりに思いっきり頭を殴ってきたのだ。

メタフィールドなのに雲が見えすぎているとか、橘副隊長ならではのジュネッス形態が観たかったとか、その手のクソオタク的な感想も無いと言えば嘘になるのだけど、ただ単にネクサスが出てくるだけでなく「ウルトラマンネクサスを客演させるという意義」をこれほどまでに高い次元に見出し、そしてそれが見事に達成されたこのX20話。とっても、素晴らしかったと思う。現役の子供たちは、「ネクサスは女が変身するウルトラマン」とでも捉えただろうか。それも、全く間違いではない。でも確実に伝わったのは、「ネクサスは他とは違う変なウルトラマン」という、今後も不変であろう評価の根っこの部分であると、一介のこじらせたオタクとして信じて疑わないのだ。


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男はポジティブに熱心に「結婚できない理由」に沈んでいくのかもしれない

ブログ発「0円電子書籍」の完全版商法について(ブロガートライアル07)

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

なんとか2015年内に発売したいと考えている「0円電子書籍」(ラインナップやこれまでの経緯など詳細はこちら)。募集した挿絵もとてもありがたいことに続々と完成品をいただいておりまして、そのどれもが素晴らしく、早く公開したいとウズウズしている(いやマジで本当にすごいですよ。期待しててください!)。「スター・ウォーズ」について書いた記事もあるのでなんとか「フォースの覚醒」公開前に完成させたいところだけど、累計10万字を軽く越える物量の編集作業を考えるとギリギリ間に合わない…かも…。その場合は最悪でもクリスマスまでに、という感じで。頑張ろう。

このブログを度々読んでくださっている方はもうご存知だと思いますが、電子書籍収録の記事は完全版商法でサンプルを公開している。ある意味自分の文章に“買わせる魅力”があるという自覚の裏返しなので非常におこがましいのだけど、実際の“物”は無料な訳であって、テレビ放映する映画のCMが数週間前から流れているようなものだと思っていただきたい…。


【公開済みのサンプル】
「ウォーターボーイズ」の波紋、その邦画界へ流れ込んだ功罪とは
俺は「遊☆戯☆王リアルタイム世代の熱い思い出」を召喚!ドン☆
オタク旦那とノンオタク嫁の家計事情 ~KEIZAI大戦ジェネシス
スター・ウォーズがこわい

※それぞれ完全版は5,000字越えです


実際にブログ発の電子書籍を作るにあたって、ただ「作って出す」だけじゃ面白くない、と考えた時に、挿絵の募集企画であったり、完全版商法のような宣伝手法であったり、色々試してみようかな… という思いが沸いてくる。何より、まずはこのブログを定期的に読んでくれてる固定読者の方に「出たら買おうかな、どうせ無料だし」という意識を植え付ける種蒔き作業のような感覚でやっている。まあ、どれほどの成果が出ているかは分からないけど…。

以前からこのブロガートライアルのカテゴリーで進捗を更新しているが、前回の記事ではサンプル版を公開し、それが200以上もDLされた。とてもありがたい。と同時に、「PDF版が読み辛い」という貴重なご意見も頂戴して、やはり色んな盲点や死角があるな、と反省。内容をザクザク書いている最中だけど、過不足の無い案内の方法もしっかり組み立てないといけないよなあ、と。

サンプル版が200DLということで、本発売における目標は取りあえず500くらいなのかな、と。まあ全く根拠のない数字なのだけど…。他にも、例えば実際に発売されたらその電子書籍のレビューを書いて下さる方を募集したいなあ、とも考えている。御礼としては、私がその方のブログなりをこのブログでご紹介する、という感じになりそうだけど。うーん、どうかなこれ。まあ、兎にも角にも完成の目途が立ってから考えるということで、今はとにかくどんどん執筆&編集し続けるしかないっ!

…という、何のアレも無いけど「とにかく地道に進めています」という経過報告でした。


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【過去記事】
ウルトラマンネクサスがXで魅せた11年ぶりの「夜襲」
仮面ライダークウガという呪縛
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【告知】『YU@Kの映画ランキング2015 in Twitter』12.12(Sat.)19:00~ 開催!

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

毎年恒例のこの時期がやってきました…。映画好きとしてはやっておかなきゃならないでしょう、年末の映画ランキング!昨年と同様、私が今年鑑賞した全ての映画をランキング付けしてTwitterにてリアルタイムで発表していく企画、今年は12月12日の土曜日、夜19時から行います。(昨年の記録はこちら





約50作品(悔しいくらいに少ないけど…)を下位から全て発表!今年のワーストは? そして1位に輝く作品は? 140字内での解説やブログレビューへのリンクも貼っていきますので、今年の映画の振り返りにどうぞ見ていってください。私のTwitterアカウントはこちらです。タグは「#YUK2015」。昨年同様、後日保存用にTogetterにまとめる予定なので、前述のタグをつけて作品のご感想等を呟いていただければ、一緒にまとめさせていただきます。

あえて「スター・ウォーズ / フォースの覚醒」公開前にやってしまうというこの小狡さ…。最終的なランキングはまたブログにまとめるかもしれませんが、まずはTwitterでリアルタイムな感想を発表していきたいと思います。何卒よろしくお願いします。

※言うまでもなく、あくまで「私が」面白かったか否かというランキングなので、作品の面白さやクオリティを保証するものでは全くありません。


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仮面ライダー冬の蒸しパン演出祭り!「ゴースト&ドライブ超MOVIE大戦ジェネシス」(ネタバレ込み)

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

いつも「仮面ライダーゴースト」TVシリーズの感想をまとめている「週刊ライダー時評ゴーストウォッチメン」。今回は特別編ということで、毎年恒例の冬のMOVIE大戦シリーズ最新作「仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス」の感想。前半はいつもどおり観た直後のTwitterでの感想を貼り付けたもので、細かい内容への言及やネタバレに配慮済み。後半からはネタバレ込みでガッツリと語ってます。内容だけでなく、色んな感情もガッツリ語っちゃったというか…うん…その…うん…。


■ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス

「仮面ライダー」シリーズの最新作とその前作がクロスオーバーする「MOVIE大戦」の第7弾。

平成ライダー18作目として2015年10月から放送を開始した「仮面ライダーゴースト」と、その前作で、自動車に乗る設定が話題を呼んだ「仮面ライダードライブ」が共演する。共通の敵・眼魔を追う中で出会った仮面ライダーゴーストとドライブは、突如巻き起こった時空の歪みにより、10年前の世界へ飛ばされてしまう。そこには進ノ介(ドライブ)と知り合う前のベルトさんや、眼魔に殺される前のタケル(ゴースト)の父の姿があった。

タケルは過去の世界で父を救おうと決意するが、それは眼魔の手によって復活した世紀の天才レオナルド・ダ・ヴィンチの仕かけた罠だった。

監督:金田治
脚本:林誠人


目次】:【9話】<【超MOVIE大戦ジェネシス】>【10話】


[仮面ライダー]「ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス」 時を巧みに使った展開 https://t.co/Ge8ZmXcVPr

— 【公式】マイナビニュース 新着記事 (@mn_all) 2015, 12月 11

「ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス」鑑賞。シリーズ初の分割なし1部構成のコラボ劇はボリューム感があり良かったが、痒い所に手の届かないシナリオとバランス配分の悪さと金田監督のもさもさっとした絵作りでなんとも「まあまあ」な出来。ドライブ組はこれがラストになるのか...。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 12

「MOVIE大戦ジェネシス」、本編の細かい設定や美味しい部分において拾うところと蔑ろにするところのバランスが妙に歪で、「え?そこはそんなあっさりやっちゃうの?」「物足りなすぎる...」「そこは拾うのに!?」「うぅうんんん?」みたいなリアクションが多発するタイプの映画だった...。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 12

「MOVIE大戦ジェネシス」、タイムパラドックスやバタフライエフェクト、ハリポタでいうアズカバン的なドラマの作り方は面白いんだけど、その割には敵の行動原理とかあれこれが粗雑すぎてこれは観た後の考察も捗らない...。その上にアクションも終始偏差値43モードで進行するから見応え薄い。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 12

「MOVIE大戦ジェネシス」。やっぱり金田監督は個人的にちょっと頭の痛い部類になってきた...。メリハリも緩急もなく、かといって重さもなく、ダラダラ&ふわふわとした絵作りがずっとそのまま進行するだけ。アクション畑の方なのにその戦闘シーンもぶっちゃけ全然面白くない。うーん。うーん。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 12

春映画は土台からうんこなので観た後にイライラするんだけど、「MOVIE大戦ジェネシス」は一応ちゃんと作ろうとして何者にもなれてない感じのめちゃくちゃ普通な凡作という感じで、がっかり感しか沸かないのがむしろ辛い。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 12

進之介と霧子の結婚へのドラマも、あれでいいの? 本当にこれでドライブ組は一応の完結なの? うーーん。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 12

東映「お前なんかシラクラ大聖堂で歴史改変ビームを浴びろ!」

俺「うわ〜〜〜」(消滅)

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 12

ひとっ走り燃やし切りたかった...。徒歩で不完全燃焼だったよ、MOVIE大戦ジェネシス...。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 12

もっと出来たろ...

もっと...

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 12

超MOVIE大戦ジェネシスのゴースト、例の浮遊アクションをやるんだけど、ふわー、ふわー、っと敵にボディタッチでちょっかい出して飛び回るだけの映像になってて、そこにタケルが「はぁ!」「たぁ!」とかっこよくアフレコするもんだから、もうよく分からないシーンで失笑しか無かった。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 12

※以下、作品のネタバレがあります。



大筋は悪くないというか、同じ父親を失った者として進ノ介とタケルがタケルの父の死に向き合うというプロットは正直とても良いと思う。が、端々の演出や練り込みの甘さがあまりにも多すぎて、全く素直に楽しめないのがこの上なく辛い。

まず冒頭、TVシリーズ最終回で「仮面ライダーに変身しなくても俺は刑事で仮面ライダーだ」と決意を新たにした進ノ介が、仕事に消極的でギアが入っていないというシーンでガクっと。霧子との結婚で悩んでるのは分かるんだけど、それでも刑事という仕事には熱量高く向き合っていて欲しかったなあ。また、ゴーストの「見えない設定」が蔑ろにされていて、ゴーストだけが見えて眼魔だけ見えないという訳の分からない状況に。そもそも進ノ介とタケルがまるで初対面のように扱われているので、特別編やニュートンアイコンのあれこれもあやふやになっているという…。

また、マコト兄ちゃんがいきなり「だからお前は甘いんだ!」と言いながら乱入してくる非常に素っ頓狂なキャラクターになっているのも首をひねる。まあ、これは本編との兼ね合いでキャラをどっちに寄せるかがかなり微妙な時期だったので、仕方ないとは思いつつ…。結婚式で笑顔で進之介と霧子を祝福するマコト兄ちゃんはどこの世界線からやって来たのか苦笑いしかできないし、眼魂の特性(偉人への知識や想いが無いと発動できない)をちゃんと把握していないのも彼らしくない。





そもそも敵のタヴィンチも、いまいち行動原理が分からない。過去のアカリをさらって復活したかと思えば、10年間は表舞台に出てこない。「10年ぶりだな」とライダーの前に登場して「タケルが眼魂を集め出すのを待っていた」と言うが、そもそもなんでタケルや仮面ライダーたちのことをそこまで知っているのか分からないし、眼魂総取りを狙うなら15個が集まったタイミングで一斉蜂起するべきである。それらしくワンカットだけ出てきたアランと西園寺が妙な入れ知恵をしたという補完にしておくか…。

過去のベルトさんはそもそも、なぜ寺の境内に放置されていたのかも全く説明されない。驚きの雑さ。ベルトさんと進ノ介の再会のドラマも、感動も、ロジックも、何も無い。ただベルトさんが戸惑いつつも脚本の都合で協力するだけ。TVシリーズで描かれたベルトさんなら、そもそもいきなり自分を使おうとしてくる青年のことなんか信用すらしないだろう…。また、最後の戦闘で凍結から復活するくだりも、そもそも10年前から分かってたんなら凍結前にそれをちゃんと進ノ介に伝えておけとか、凍結を3ヶ月先伸ばしにしろとか、色々言いたいことはある。例によって記憶のロックがかかっていたのかもしれないけど、この説明すらも御都合主義が過ぎるので全くノれない。そして豪快に登場したトライドロンもまともに活躍しない…。

タケルの親父さんはめちゃくちゃカッコよかったし、斧で戦うのも、諸々を察してる姿も、息子を戦地に連れて行きつつしっかり守りながら戦ってあげる様も、とにかく魅力的だった。結局正史とは違うパターンで、しかし同じ流れで殺されてしまった訳だけど(タイムスリップにおいて細かいところは変わっても大筋が変わらないというよくあるパターン)、TV本編で親父さんの死の真相は明かされるのかな…? タケルの子役はめちゃくちゃ良い演技で、冷めた姿も泣きわめく顔も決意の表情もとても良かった。過去の自分を結構強めに叱咤するタケルもかっこよくて、正直ここはちょっとグッときた。





しかし、やはり問題はドライブ組である。鶴太郎と竹中直人のギャグシーンは面白いんだけど長過ぎて完全に話の間を切ってしまっているし、そもそも敵のダヴィンチ&味方のチェイスが登場して「ここから!」という場面で更年期ライダーのギャグに持って行ってそこからいつの間にか戦闘終了というのはもはや狂気の沙汰。チェイスの復活もあまりにもあっさり過ぎて感慨深さが無いし、別れのシーンも取って付けたような台詞を剛に言わせるだけで非常に勿体無い。そもそもこの映画、チェイサーもマッハもスペクターもまともに敵を倒していない。タイトルシーンの直前の前哨戦くらいで、後半は乱戦になるもちょっと善戦して後はフェードアウト。チェイサーも、結局はチェイスというキャラクター人気に頼っただけの再登場でしかない。ロイミュードの三幹部に至っては扱いが悪すぎて目眩がする。

結局は、記憶のロックといい、復活する人選といい、タイムスリップやバタフライエフェクトという説明が「御都合主義の言い訳」にしかなっていないのだ。本来このシナリオならば、その時間旅行の妙やロジックで魅せる必要があるのではないか。「モスラ3」のように眼魂を埋めて未来に送るあのテクニックのような、もっとあれを大局的にストーリーやクライマックスに絡めるべきだった。そもそも最初の戦いでゴーストが境内のオブジェを壊してしまい御成が「あれ高いのに~」とギャグをやるのであれば、タイムスリップした先で「…さっきのが壊れていない?(同じ寺なのに同じじゃない!)」というプロットにならないものか…。そこに気づいてこその進ノ介の聡明さや先輩っぷり、とかさ。

主に脚本に突っ込んだが映像も酷いもので、メリハリもケレン味もなく、やたら場面を切り替えてダラダラと進行する。いつの間にか取りあえず流した主題歌でライダー「以外」が活躍して、ゴーストチェンジもおまけのような扱いで、もう一体どこが魅力だったのかと…。唯一、高速で移動して射撃するフォーミュラくらいかな、良かったのは。前述したけど、ボディタッチしながら浮遊するゴーストはもうちょっとどうにかならなかったのか…金田監督よ…。鎧武外伝2でもそうだったけど、またもや完全なる「蒸しパン演出」祭りじゃん…。(妙にふわふわしていて途中で味が飽きる、の意)





進ノ介の先輩っぷりや、タケルの芯の通った強さ、親父さんや子役の活躍、霧子のウェディングドレスなど、良い点も沢山挙げられる。しかし、その良い点に集中できないほどに粗雑な点が多すぎて、「これがドライブのラストランなのか…これが…」と、がっかりしか湧いてこない。前売り券の売上が過去最高だったと聞くが、この内容でそれにどれだけ応えられるのだろうか。甚だ、疑問である…。


超MOVIE大戦ジェネシス、まさかの春映画特報無しとは...

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 12

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仮面ライダーゴースト 第10話「集結!15の眼魂!」【週刊ライダー時評 ゴーストウォッチメン】

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

なんだかんだもう2015年も終わりが近づいている…。昨年の今頃はドライブが初の3話構成でクリスマス回に向かっていてその後に剛ことマッハがちょっとアレなくらい派手に登場して界隈が騒然としていたなあ。あれからもう1年か。早い。しかし昨日観た「超MOVIE大戦ジェネシス」がぶっちゃけて言うと(個人的に)不満のバーゲンセールだったんだけど、それに比べ今回のゴースト10話の30分間のほうが何倍も面白かったと思えてならない…。やはり山口監督の映画監督でビューが待たれるのでは…!!


目次】:【超MOVIE大戦ジェネシス】<【10話】>【11話】


■第10話「集結!15の眼魂!」(2015年12月13日放送)


「俺、決めたんだ」

10年前に何が起こったか突き止めるために五十嵐の事件を追っていたタケル達一同。龍の死で心を閉ざしてしまった五十嵐の心をタケルが再び燃え上がらせた時、五十嵐はタケルをかばって致命傷を負ってしまった。「自分の信じる道を進むことが…龍の意志を継ぐことになる」五十嵐の言葉は何を意味するのか?

タケルは戦いの最中、マコトが持っている喋る眼魂に10年前にマコトと一緒にモノリスに吸い込まれた妹・カノンの魂が入っていることを知る。その事実を知ったタケルはある決意をする。そして西園寺はベンケイ眼魂の誕生で15個の眼魂が全部出揃ったことを知り、タケルとマコトが持つ眼魂に狙いを定めて動き出す。一方、アランの元に来たジャベルもまたアランの思惑とは別に眼魂を狙い動き始める。

眼魂を巡る物語もいよいよ大詰め。15個の眼魂を手にするのは一体誰だ?!

再び消え去るまでの時間は??日
残り8個の眼魂(アイコン)を集めろ!

脚本:毛利亘宏
監督:山口恭平


仮面ライダーゴースト10話。迷わずカノンちゃん救出を選択するタケルと、そんなタケルを一途に心配するアカリ。御成たちのサポートとギャグも良い塩梅で、すこぶるストレスフリーな面々ばかりなのが非常に見やすい。だからこそマコトの必死さが一周して浮いてきて滑稽に見えるから謎の愛着が...。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

やはり先週予想したように、アラン・ジャベル・マコトは同じ軍勢のよう。異世界の眼魔軍団の尖兵として眼魂を集める目的のために派遣されたマコトだったけど、完全に私情に走ってしまってる、と。それをジャベルは疎ましく思うけど、アランはマコトと仲が良かったのかむしろ寂しげなのが面白い。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

何よりタケルが好感度抜群なのがとても好きだ。事情を知ったらシームレスにカノンちゃん救出を主張するし、目の前が見えてないマコトにも幾度となく説得を繰り返す。生身で銃口を前に立つ凛々しさがかっこいい。演技も本当にアホかってスピードで上達してる... 変身の時の左指の動きとかすごいよ。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

タケルは割と子供っぽいキャラクターだけど、だからこそ妙なプライドとかはなくて、決心したことに眩しいまでにずっと一直線なんだよなあ。ベートーベン回で確信した「生き切る」の信念が絶対にブレないままマコトの説得にかかるから気持ちが良い。今週ちゃんと五十嵐さんに触れてたのも良かったね。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

アカリはアカリでヒロインらしく活躍するし、「私もタケルにそう思ってるっ!」の叫びはグッときた。ゴースト、キャラクターの描き方が本当に気持ちが良いね。暖かい気持ちで観られる。マコトさえも(一周して)可愛い。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

しかしジャベル変身態はめちゃくちゃ強いな。戦闘員の色替えだからこそアクションの幅がでかい。吹っ飛ばしてまだ滞空してるゴーストとスペクターに追いつき追撃とか「強い!」の演出が完璧だ。さすが山口監督。 pic.twitter.com/eRXxRljDqb

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

ほんの秒にも満たないカットだけどジャベルがゴーストとスペクターに向けて高速で走ってくるこの演出が肝だなあ。これが一瞬入るだけで「なんだこいつやべぇ!」オーラがガツンと襲ってくる。ちゃんと構図と向きがその前のカットと合ってるのも芸細。 pic.twitter.com/TIPVSAdr1n

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

ついに眼魂が15個そろった訳だけど、やっぱり残り5個ほどは年明けの使用になるんだろうなあ。まずは闘魂ブーストを発現させるのが先だもんね。色んな意味で。 pic.twitter.com/uj8R0lCI9I

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

手の構造上いっぱい眼魂いっぱい持てないから布を使うユルセンちゃんめっちゃカワイイ… #nitiasa pic.twitter.com/y8o8DEzm9l

— 藤珠こと 1日目ト07a (@fujitama_koto) 2015, 12月 12

御成で朝から笑ってる pic.twitter.com/NVbNf0b2gJ

— あゆんだむ (@amam29) 2015, 12月 12

自分の命と、人の命を「選べない」と心から言えるタケルすごいなぁ

— なつめ(未月) (@natumerisu) 2015, 12月 12

俺の命は俺だけのものじゃない。 生きるということは、たくさんの人と関わりながら生きるということ…

— なつめ(未月) (@natumerisu) 2015, 12月 12

そうそう、他人と自分の命を「選べない!」と断言できるタケルがまたかっこいいんだよなあ。「選べない...(ウジウジ」じゃなくて「選べない!!(なんならどっちも獲ってやるぜこんちくしょー!」なのが良い。しかもちょっと自己犠牲寄りなのをヒロインがたしなめるバランスも良い。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

おはよ☺️ みなさん!仮面ライダーゴースト第10話観ていただけましたか?( ´ ▽ ` )ノ カノンも出てきましたね…!! そわそわしながら観てました…笑 来週も必ず観てくださいね✨ #仮面ライダーゴースト pic.twitter.com/X76lFCGNJo

— 工藤 美桜 (@p_miokudo) 2015, 12月 13

【会員限定】大ヒット公開中!『ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』キャスト12名が10年前の自分を大告白する初日舞台挨拶の模様を配信中!12月15日(火)24時まで https://t.co/UbKUMrUl9E pic.twitter.com/kOIpfFTrgz

— 東映特撮ファンクラブ (@tokusatsu_fc) 2015, 12月 12

この映画に出ている瞳が炎の仮面ライダーゴーストがかっこよくてまるで自分がデザインしたんじゃないかと錯覚したけど全然デザインしていない(笑)(笑) #怪人200パー熱烈応援実況 #仮面ライダーゴースト

— 島本和彦31日東A59ウラシマモト (@simakazu) 2015, 12月 12

マコト兄ちゃんが生身の人間にキックしちゃうのはサクラに手をかけちゃうサスケを思い出したしそれを庇うアカリの図はやはりカイザがあわや真理をゴルドスマッシュで殺害してしまうシーンを思い出したな...。 pic.twitter.com/9LrxHK5D1R

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

しかし高岩さんも変身ポーズをモノにしてきたな。パーカーが憑依する際は取り憑かれるように俯いて、ワンテンポ遅れて両手がドクンと脈打つ、更に武器が目の前で生成されるまでは俯いたままで装備が揃ったらそれを手にしてスッ... と前を向く。まさに歌舞伎のごとき手順とケレン味。かっこいい。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

弁慶も強いなあ。長物の使い方が完璧だ。敵の攻撃をパワーと角度で受け止めて返しの一撃、受け止めて一撃、受け止めて一撃。止まらない進行と後退りする敵怪人。吹っ飛ばして距離を取ったらすかさず必殺技を上空から叩き込む。隙のない戦い方と魅せ方で高まる。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

ベタだけど俺はいくつになってもこんなセリフで興奮するんだ。 pic.twitter.com/WUURq4X1Hm

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

御成の言ってた「自己犠牲は尊いだろうけど、正しくはないこともある」 っていうのは 仏教の基本的な考え方で みんなが幸せになるために自分だけ不幸になればいい というのは、「自己満足という欲望にまみれている」と解釈されます #nitiasa

— コイル (@coil_nat) 2015, 12月 12

仮面ライダー×仮面ライダー 超Movie大戦ジェネシスの手描き看板in盛岡ピカデリー 撮影協力:友人(掲載許可取得済み) pic.twitter.com/3lbxviPVXB

— 黒苺@プリパラ緑熊 (@ku_ro0602) 2015, 12月 12

来週は年末商戦セールということで眼魂大盤振る舞いの総力戦か。年内は27日まで放送があるとすれば、その日に闘魂ブーストが華麗に活躍して第一部完、ってのがありそう。来週からは緩やかにマコト兄ちゃんがデレていきそうなので、その辺りも楽しみだ。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

※※※


https://t.co/o5wPQlJ3da言いたいこと全部書いてる

— のえ (@noenoe_yayoiori) 2015, 12月 12

仮面ライダー冬の蒸しパン演出祭り!「ゴースト&ドライブ超MOVIE大戦ジェネシス」(ネタバレ込み) https://t.co/kOmVmMIdl4 @slinky_dog_s11さんから 完全に同じ感想だった

— かとる/デレステ164840102 (@quatre_) 2015, 12月 12

仮面ライダー冬の蒸しパン演出祭り!「ゴースト&ドライブ超MOVIE大戦ジェネシス」(ネタバレ込み) https://t.co/sI5ozdir24 @slinky_dog_s11さんから 映画見てモヤっとした所全部書かれてて、スッキリした

— Masa(まぁさ) (@masa0121) 2015, 12月 12

ここまで「言いたいことはこれ」という感想が並ぶと書いた身として清々しいな。

— YU@K (@slinky_dog_s11) 2015, 12月 13

年内の放送はあと2回? まだまだ序盤とは思えない盛り上がりで楽しいぞ。


目次】:【超MOVIE大戦ジェネシス】<【10話】>【11話】


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【総括】この感想も今日だけの。ドラマ「掟上今日子の備忘録」と自分だけの隠舘厄介

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

またもや毎週楽しみに観ていたドラマが終わってしまった。日本テレビの土曜ドラマ「掟上今日子の備忘録」。主演は新垣結衣、そのワトソン役であり助演に岡田将生。作家・西尾維新による小説の実写化とのことだが、私はこれまで氏の作品には(アニメも含めて)全く触れたことがなく、たまたまテレビで予告映像を観て興味を持ったのがきっかけであった。というのも、第一印象は「ドギツイ」だった。何を隠そうあの新垣結衣の白髪のカツラだ。昨今“実写化”の際のビジュアル面には色んな方向からのバッシングが強い傾向にあるが、そんな最中にあんなに真っ白なカツラを被せた主演のドラマってどうなんだ …と一瞬身構えたのが始まりだった。

とはいえ観てみないことには何も言えないので、後追いで録画しておいた第1話を視聴すると、これがどうして中々面白い。ガッキー演じる掟上今日子(おきてがみ きょうこ)なる人物は探偵であり、寝ると記憶がリセットされる“忘却探偵”の異名を持っていた。毎日新しい知見と人間関係に触れ合う彼女と出会うのは、不運な冤罪体質の隠舘厄介(かくしだて やくすけ)。演じるのは“爽やかさ”の化身・岡田将生。その体質ゆえに事件を持ち込みつつワトソン役に収まっていく厄介くんと、彼を振り回しながらゴーイングマイウェイで事件を解いていく今日子さん。そのタッグを中心として、「いつもの場所」である喫茶店の面々や刑事たちという人物配置、基本は1話完結で進むライトなミステリーになっている。

「寝ると記憶がリセットされる」という一種の記憶障害である今日子さんだが、その体質に心を閉ざすことなく“探偵稼業”を全うしていく。探偵であり謎を解くことが彼女の生きがいであり、謎と触れ合うことで毎日リセットされる自分と世間を繋いでいる。そんな儚い毎日も込みで、彼女に異性として惹かれていく厄介。当初は「クライマックスはこの2人の恋愛模様になるのかなぁ」と思って観ていたが、割と早い段階で厄介は告白までやってのけ、見事に撃沈する。しかしその告白失敗劇すらも、今日子さんの記憶には残らない。そんなジレンマに悩みながら、厄介は今日子さんへの想いを「Kの備忘録」というタイトルで文字にして残していく。そんな2人の、ある種究極の“一方通行”な恋がドラマシリーズ全10話を通して着々と描かれていく。


※※※


面白いのは、今日子さんの「寝ると記憶がリセットされる」という記憶障害が、ミステリーのロジックとしてこの上なく機能していることだ。そもそもが探偵としてスピード解決を売りにしており(日を跨ぐ捜査が不可能)、更には機密の漏えい、守秘義務、これらが確実に守られることを物理的に約束できる。しかしそれは諸刃の剣であり、例えば睡眠薬等で意図的に眠らされてしまった場合はそれまでの捜査も推理も全て無に帰してしまう。ただ単に謎を解くだけでなく、「今日しかない」というタイムリミット、そして常に今日子さんの身体が危険に晒されているという状況設定があることで、ミステリーとしての“角度”(楽しみ方)が多くなっているのだ。

第1話でいきなり犯人に睡眠薬を盛られるシーンが挿入され、彼女の探偵としてのスキルとロジックがしっかり視聴者に提示される作りになっていた。そして、今日子さんが常にその弱点を抱えているからこそ、彼女と連続して関わっていく厄介が自動的にそれをフォローする役割になり、ナイトの地位を獲得していく。しかしその厄介の熱心なフォローすらも、今日子さんには“今日”しか覚えてもらえない。





これらの作劇のロジックに加え、何よりもキャスティングが素晴らしかった。新垣結衣と岡田将生。こんなにも清潔感のある組み合わせもそうあるまい。「昨日の自分を認知できない」という、ともすれば恐怖でしかない背景を背負ったキャラクターを、新垣結衣は意図的に淡々と演じ切る。「昨日と今日と明日の自分は別人」という“割り切り”と“諦め”を背負った複雑なキャラクターだが、軽妙で淡々とした語り口とあざとすぎる可愛さ、時に出る意地の悪さや悪戯な面も、その全てが“明日に繋がらない”ことを観ているこちら側に“惜しい”と思わせる。

そんな屈折した愛着を持たせるキャラクターを、新垣結衣は見事に演じていたと思う。「こんなに色んな表情を見せる今日子さんは、明日にはもう“いない”んだ…」。フィクション世界の“翌日”を心配して、観ている側が勝手に凹む。今日子さんの表情や仕草は番組開始時点では非常に淡々としているのに、それがいつの間にかその回の終わりになると深みと人間味に満ちた視線や表情になっている。今日この日に関わって彼女が得た感情はこんなにも豊かなのに、でもそれは“続かない”。今日子さんへの同情と、でもそれを何とも思っていないように振る舞う彼女とのその距離感を埋めたくて毎週視聴するけど、その傷口は広がっていくばかりである。





対する厄介は、特に終盤ともなるとやっていることは完全に今日子さんの重度のストーカーであった。彼女を毎日のように追いかけ回し、その全てを自宅のパソコンに記録する男なんて、どう考えても危ない野郎である。しかし、これを岡田将生が演じることでその気持ち悪さを完全に無効化。むしろひっくり返って純粋で実直な恋にしか映らないからすごい。さすがのイケメンである。不運設定も、毎度掴まされる冤罪に彼が顔をくしゃくしゃにして泣きそうな表情を浮かべるだけで、私なんか同じ男なのに「可愛い…」と感じてしまっていた。彼はどうにも「振り回される真面目くん」がよく似合う。そして、不運だからこその心優しさや、すぐ調子に乗ってしまうその性格、視聴者より半歩先くらいでキレる頭、岡田将生が見事に厄介というキャラを実在のものにしていた。

魅力的で清潔感あふれるこの2人が、毎週風変わりな事件に遭遇していく。その事件自体も、回り回って2人の境遇と今後を示唆するメッセージのようであり、現実を突きつけるものだったり、様々であった。今日子さんが「はい、僭越ながら!」と笑顔で事件を解き明かして、厄介くんがオーバーなリアクションで彼女に振り回される。シナリオも演出も、その全てが「この2人をずっと観ていたい」に全力で注力しており、視聴者の多くがそれにまんまとやられたことだろう。私も、例外なく。


※※※


番組開始前に少しだけ心配していた今日子さんのカツラも、全く違和感を覚えなくなっていく。作品そのもののフィクションラインが意図的に高めに設定されており、登場人物のダジャレのような名前・“いかにも”な雰囲気で登場するゲストキャラ・文字が画面を縦横無尽に行き交う演出など、実写ドラマなのに小説やアニメっぽい「嘘」の成分が高めであった。元が文字だけの作品ということもあってか厄介によるモノローグの量も相当多く、しかし絶対にテンポ感を損なわないリズムになっていたのは演出班の勝利だろう。リアルと嘘の線引き提示が絶妙であり、その線上において「白髪のカツラ」は問題がないほどに滲んでしまう。まあ、新垣結衣が持ち前の可愛さで何でも着こなす、というのも大きいが…。

文字が挿入される演出は同じ演出班がドラマ「ST 赤と白の捜査ファイル」でも多用していたものだが、効果音や演出のタイミング、いくつものフォントをビビッドな色に乗せて交差させる手法は、観る者を“ながら見”から引き上げるには十分な力を持っていた。音だけ聞いてもこのドラマは7割程度しか楽しめないからだ。だからこそジッと画面を観ると、そこには多くのモノローグ以上に多くを語る岡田将生の表情と、切なさと朗らかさを同居させた新垣結衣の繊細な演技がどっしりとドラマの幹となり鎮座している。あれよあれよと画面の魅力に引っ張られ、「この2人をずっと観ていたい」の中毒症状に陥る。





特に、更衣室で視覚的密室殺人が起こる第8話でそれを強く実感させられてしまった。この回は、ある意味仕切り直しかのように今日子さんと厄介の1日が描かれた。今日子さんが“初めて会う”厄介をどう感じるのかの感情の動き、“何度も会っているのに初対面”な厄介の今日子さんへの細やかで多少お節介が過ぎる言動。「また出会って、関わって、また忘れられる」。そんな関係性がルーチンになりつつも、それでも厄介の中では大事な1日であり、その想いが1日の最後の最後でほんの少しだけ今日子さんに届く。この改めて2人の関係性を描いた8話を観て、「あ、自分って思っていたよりはるかにこのドラマにハマってるんだな…」と痛感し、そして目の前にはもう最終回が迫っている。この時点でいわゆる「ロス」が殴ってくるもんだから、辛い。

最終回、絶対にやらないだろうと確信しつつ少しだけ心配していたのが、「今日子さんの記憶が“続く”」という展開。最終回なのだ。絆でも愛でも恋でも奇跡でも、「なぜか厄介さんのことだけは信頼できた…」「どうしてか厄介さんの名前は覚えていた…」なんて展開はいくらでもできる。できるのに、意地でもやらない。絶対にやらない。「今日子さんは眠ると記憶がリセットされる」。そのロジックに隙は無く、クライマックスだろうが奇跡なんて起こらない。ここが本当に偉いなあ、と。「描きたいこと」、そのテーマに関するプライドが絶対にブレない。今日しか続かない記憶だからこそそれは素晴らしく、儚く、哀しく、物語としては素晴らしい。

厄介からの返しのキスの長さと、「また一から口説いて下さいね」という今日子さんからのこの上ない殺し文句。それは奇跡なんて起こらず確実に記憶が消えるからこそ、大きな意味を持つのである。


※※※


そうして次第に思考の深みに嵌っていくと、自分だって昨日の自分と同じだとは断言できないのかもしれない、などと考え出してしまう。そりゃあ、今日子さんと違って昨日の記憶はあるけども、今日誰かと交わした会話は昨日とは違うし、目にする景色も絶対に同一ではない。通勤通学で決まって歩く道の脇にある田んぼも、気付かないだけでその稲穂は毎日姿を変えている。感じ方も毎日違うし、今こうやって書いているこのドラマに関する感想も、例えば今夜嫁さんと交わした会話によっては印象が変わってくるかもしれない。明日にでも全く違った見方をする感想と出会うかもしれない。

そう考え出すと、昨日と今日の自分を繋ぐ一本筋というのは、えらくふわふわした物にも思えてくる。物理的なことを言えば、細胞だって毎日膨大な数が死んでは生まれていく。昨日と同じ自分は、そこにどれだけ残っているのか。だからこそ、「誰かによる自分」という客観的な視点や事実が結局はその一本筋なのかもしれないし、例えば家族・恋人・友人といった知人みんなと関わることで、やっとこさ昨日の自分と今日の自分が同一になっていくのかもしれない。「自分」というのは、結局は無数の「他者から見たその人」の集合体ではないだろうか。戸籍から何から、結局は「承認」の蓄積である。





強めのデフォルメとフィクションラインによって縁遠く感じるかもしれないが、もしかしたら今日子さんの記憶がリセットされる設定は、ものすごく身近で概念的なもので、私たちもご多分に漏れず「自分だけの(自分を強く覚えてくれている存在である)隠舘厄介」を求めているのかもしれない …などと柄にもなくセンチな気分になってしまうほどに、このドラマによる喪失感は大きい。続編という形であの2人の“今日”がまた観られる日を願って、今夜も「明日の自分」が「今日の自分」とイコールだという保証はどこにもないのに、すごすごと眠りにつくのだろう…。


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【09.5.15】仮面ライダー史に残る重大流出事件「飯田ショック」の衝撃
仮面ライダードライブの新展開がテコ入れにしか見えないのはなぜか
「俺たちは戦士である前に人間だ!男と女だ!」 ~鳥人戦隊ジェットマン13,14話にみる恋愛群像劇
仮面ライダーファイズ 8話「夢の守り人」の欠点
仮面ライダー龍騎に狂酔した中学2年生の1年間
グリーンランドの仮面ライダーショー、九州最高峰は伊達じゃない!【特撮オフ会熊本遠征レポートその1】
復権を兆す怪獣と多様性を失うヒーロー、特撮の行く末
「初心者にオススメの平成ライダーは?」の模範解答を真剣に考える
【解説&予想】謎の円谷公式ムービー「ULTRAMAN_n/a」にみる和製CG巨大特撮の可能性、そしてその正体とは
「特撮映画」として、実写映画「進撃の巨人」を徹底解説する
完全なる伏線消化。「仮面ライダーディケイド」の最終回とは一体なんだったのか
新連載企画予告【週刊ライダー時評 ゴーストウォッチメン】
【総括】仮面ライダードライブが体現した平成ライダーの限界とはなにか
ヒビキさんが全ての平成ライダーのメンタルをケアしていくシミュレーションまとめ
仮面ライダークウガという呪縛
「S.I.C. 仮面ライダーメタル」にみるダブルの拡張性と基本設定の巧さ
ウルトラマンネクサスがXで魅せた11年ぶりの「夜襲」
仮面ライダー冬の蒸しパン演出祭り!「ゴースト&ドライブ超MOVIE大戦ジェネシス」(ネタバレ込み)


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【映画】カテゴリー記事一覧

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