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Channel: YU@Kの不定期村
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実写映画版『鋼の錬金術師』のストーリーを公開情報をフル動員して真剣予想する

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

「ハガレン」こと『鋼の錬金術師』といえば言わずと知れた大人気コミックであり、2度のアニメ&映画化に小説にゲームにその他諸々と、メディアミックスの話題には事欠かない巨大なムーブメントを起こした作品だ。ご多分に漏れず私も“ドはまり”した人間で、コミックスは読みすぎてボロボロだけど未だに出番が多く、Blu-ray Disc Boxも頻繁に棚から出動する。そんな愛すべき作品が2017年に実写映画化するとのことで、とっくに“終わった”作品でまた熱くなれることが楽しみでならないのだけど、ファンとして一度真剣に「ストーリー予想」をやってみようかな、と。

というのも、ご承知の通り近年漫画の実写映画化は非常に多い。一昔前は設定の大枠だけを借りて全くの別物にしてしまう例も少なくなかったが、近年では割と「基本はそのままに映画やドラマとしていかに取捨選択&再構築するか」がメインストリームになっている印象が強い。最近だと、映画『暗殺教室』は原作完コピをベースにエピソードのピックアップを行ったり、ドラマ『デスノート』は先の映画版がやらなかった魅力を原作要素に付加してみたり、『進撃の巨人』は原作そのままの物語を(原作連載中のため)途中で分岐させたりと、あくまで「原作はどうだったか」がまずスタートにあるように思えてならない。

という仮定の上で、『鋼の錬金術師』大好き人間が、現在公開されている情報から一介のファンなりにストーリーを予想してみたい。まず、監督を務める曽利文彦氏のインタビューを改めて読み返してみる。




曽利監督にとって、松本大洋の人気漫画を実写映画化した『ピンポン』(2002)以来、初めて自ら企画した作品だといい、「自分の内からやりたいという気持ちが湧き上がってきたもの」と証言。「この作品は実写でできると思っていたし、(それまで)待ってもいいと思っていた」と思い入れたっぷりに語る。

(中略)

「僕の悲願は、素晴らしい物語を素晴らしい映像で映画化すること。この原作には、子供向けだけではもったいない、上質なストーリーがある」とあくまで原作を支えるストーリーが重要であると強調。そのため、時には原作者である荒川弘の意見を聞きながら脚本を完成させた。

実写版「ハガレン」最高のストーリーを最高の映像で実写化!監督の意気込み




\曽利文彦監督インタビュー!/「シネマトゥデイ」さんにて掲載!曽利監督が『#鋼の錬金術師』実写映画化への意気込みを語ります。原作者・荒川弘先生のご意見を伺いながら脚本を完成させたエピソードなども披露!ぜひご覧ください。#ハガレン https://t.co/Bb8TPC787W

— 映画『鋼の錬金術師』公式 (@hagarenmovie) 2016年5月24日

監督が『鋼の錬金術師』という作品のストーリーを重要視していることが、このインタビュー記事からうかがえる。また、原作者・荒川弘氏のアドバイスも入っているというから興味深い。同インタビューで明言されている確定要素は「原作のエドは15歳だが、映画では20歳前後に」「文化的な背景は、原作通りヨーロッパがベース」の2点。年齢設定は主演の山田涼介の容姿を考えると納得の変更であり、後者については原作そのままなので特に言うことはない。


\🎬✨遂にクランクイン👊/撮影順調!『#鋼の錬金術師』スタッフ&キャストが、遂にイタリア🇮🇹入り!あの世界観をそのまま切り取ったようなロケ地で、いま一丸となって挑んでいます。📸こちらの写真は脚本の表紙。ご期待下さい!#ハガレン pic.twitter.com/gExHXHJLC3

— 映画『鋼の錬金術師』公式 (@hagarenmovie) 2016年6月8日

実際に使用されている台本のロゴも原作準拠のものなので、やはり先に仮定した「原作を根っこから覆す組み立て方ではない」だろう、という予測が強まる。別のインタビューでも、監督自らほぼ明言してしまっているほどだ。




「このストーリーを映画にするというのが自分の悲願。このために生きているといっても過言ではない」と言葉に力を込める。エドの年齢が20歳前後になるなど、変更点はあるが「なるべく原作に沿った形で表現していきたい」といい、「ルックや外側で固めることを売りにしたくない。いかに優れたストーリーが展開されるか、映画として成り立つかというのが自分の勝負」と、重厚な物語を描くことに注力すると明言した。

「鋼の錬金術師」実写映画化決定!「Hey! Say! JUMP」山田涼介×曽利文彦監督が世界に挑む



\曽利文彦監督インタビュー!/「映画.com」さんにて掲載!曽利監督が、10年以上前に『#鋼の錬金術師』実写映画化の構想を抱き、ご自身の悲願でもあったこの企画を、約3年前から始動させた事も披露!ぜひご覧ください。 #ハガレン https://t.co/MecfOJd69o

— 映画『鋼の錬金術師』公式 (@hagarenmovie) 2016年5月24日

他に、エキストラで募集されたのは20歳以上65歳以下の男性。最初は軍の人間かと思ったが、隊列で上官の指示を受ける面々に65歳がいては少々不自然なため、おそらく「賢者の石の材料にされる囚人やそれに類する存在」であると予想される。単なる一般市民なら性別を指定する必要性に欠けるし、水島アニメ版(第1期)第2クール終盤あたりの展開が最も近いのではないかな、と。


🎉『#ハガレン』エキストラ大募集! 2016年6月中旬~行われる撮影のエキストラを大募集‼️(※注:男性のみの募集となります。年齢は20歳以上65歳以下の方限定)詳しくはこちら⇒https://t.co/mEhedWKyXE pic.twitter.com/FGCOK6DodH

— 映画『鋼の錬金術師』公式 (@hagarenmovie) 2016年5月24日

つまり、予想のための材料として、まずは以下の点が挙げられる。

・監督がストーリーを重要視している
・エドワードの年齢は20歳
・舞台はヨーロッパ
・なるべく原作に沿った形で表現
・原作者のアドバイス込み
・いかに映画として成り立つか、という観点がある
・賢者の石の材料っぽいエキストラ募集


では、改めて『鋼の錬金術師』の物語とは、何なのか。人体欠損描写をモロに扱った本作は、主人公が最初から一種の罪人であること、そして、戦闘能力的にはほぼレベル100であることが特徴である。後者は言わずもがな、心理の扉の向こうの「あれ」をエドワードが物語開始時点で目撃しているため、錬成のための錬成陣は手パンにより肩から腕全体で“円”を構成し、必要な錬成情報は脳内に叩きこまれているため陣による表記は不要、という理屈である。だからこそ通常の少年漫画に見られる「努力」「特訓」等の要素はほぼ排除され、自らが犯した罪に向き合ってあがきながら敵組織の思惑と戦う、という方向で物語が進行する。

劇中のキーアイテムである「賢者の石」。これを手に入れれば失くした腕と脚と体が手に入るのだと、エルリック兄弟はその錬成方法を求めて旅を続ける。しかし、原作序盤で「賢者の石の材料は生きた人間」であることが発覚し、目的が大きく頓挫。「他者を犠牲にして自分たちが助かる訳にはいかない」と決めている彼らは、最終的には「兄弟の互いが互いを犠牲にする」という結論で、各々を救ってみせた。エドは錬金術を失い、アルは一時的に魂までも“持っていかれて”しまう。

そんなストーリーをなるべく原作に沿った形で表現、そして、「生きていくことの真実」(監督の表現)を突き詰める物語ということで、「エドとアルが人体錬成の末の咎人であること」「求めていた賢者の石は他者を犠牲にしてしまうもの」といった原作の持つダークな部分は、おそらくしっかりと盛り込まれていくのだろう。


【曽利文彦監督コメント①】『ピンポン』は企画段階から参加し、自らの想いが強く反映された作品ですが、本作はそれ以来となる、自らが立ち上げた作品であり、特別な思い入れがあります。(続く)#ハガレン #鋼の錬金術師

— 映画『鋼の錬金術師』公式 (@hagarenmovie) 2016年5月24日

【曽利文彦監督コメント②】(続き)『#鋼の錬金術師』の世界観やテーマ性、そして“生きていくことの真実”を描いた、この素晴らしいストーリーを、幅広い世代にご覧いただけるよう、チーム一丸となって全力で取り組んでいきたいです。#ハガレン

— 映画『鋼の錬金術師』公式 (@hagarenmovie) 2016年5月24日


加えて、今度は2016年8月22日現時点で発表されているキャストとその役柄に注目していきたい。




本田翼がエドワードたちの幼馴染で機械鎧(オートメイル)技師のウィンリィ・ロックベル役、ディーン・フジオカが兄弟の良き理解者で、若き士官“焔の錬金術師”の名を持つロイ・マスタング役、松雪泰子がふたりの前に立ちはだかるホムンクルス(人造人間)で謀略に長けた“色欲”のラスト役を演じる。

そのほか、佐藤隆太(マスタング大佐の親友ヒューズ中佐役)、蓮佛美沙子(マスタングの側近ホークアイ中尉役)、夏菜(ロス少尉役)、大泉洋(本作で重要な役割を担う国家錬金術師のタッカー役)、國村隼(ドクター・マルコー役)、小日向文世(ハクロ将軍役)、本郷奏多(“嫉妬”のエンヴィー役)、内山信二(“暴食”のグラトニー役)、石丸謙二郎(ホムンクルスと共謀するコーネロ教主役)が出演する。

『鋼の錬金術師』山田涼介で実写映画化!豪華キャスト13人の役どころが発表




『鋼の錬金術師』山田涼介で実写映画化!豪華キャスト13人の役どころが発表 | ぴあ映画生活 https://t.co/IqjxNr0HaG #映画 #eiga pic.twitter.com/O9V3DDetfg

— ぴあ映画生活 (@eiga_pia) 2016年5月24日

主に原作序盤のオールスターメンバーだが、実は重要なポイントがある。もちろん、後で追加のキャスト発表がある可能性も捨て切れないが、「スカー(傷の男)が不在」なのだ。これは、重要なヒントのような気がしてならない。というのも、彼はエドに対する中ボスのような存在でありながら、その出自と経歴が敵の画策する「国土錬成陣」の布石になっている。彼の故郷で起きた戦乱と、アメストリスの建国以来の動きが、符合していくのである。

原作は大きく分けると「賢者の石を求める旅」「国土錬成陣の阻止」の2つのラインがあり、映画を前後編ではない一作でまとめるとするならば、必然的に削られるのは「国土錬成陣の阻止」の方である。とするならば、スカーを出さずにその分の敵対&バトル要素をホムンクルス組に割り当てた方が、どう考えてもスムーズだ。

加えて、マルコー(賢者の石の錬成に携わっていた元国家錬金術師)、ヒューズ(出てくるからには死ぬことに意義のあるキャラクター)、ロス少尉(エドの護衛役)、ハクロ将軍(エドに救出されたり裏で浅く暗躍したりする子悪党ポジション)、タッカー(娘を己の研究に利用するガチクズ国家錬金術師でありながらなんと大泉洋が演じる)らの登場が決まっているので、そうなると、消去法も含め、自ずとストーリーが予想できていく。




1)エドとアルは旅をしている
2)登場がてらバトル&機械鎧&空の鎧を披露(その騒動の裏で暗躍するホムンクルスが顔見せ。ハクロ将軍を救出される役どころで消化か?)
3)賢者の石を探す旅の中で、マスタング大佐登場。軽く焔を披露
4)生体研究の第一人者であるタッカー家で研究するも、原作通り彼が娘と犬を使って錬成する(兄弟の護衛についたロス少尉がタッカーの研究に利用されてしまう展開も可)
5)ラストやエンヴィーあたりがタッカーを始末(彼の研究は賢者の石の必要性を低めてしまう危険性があるから、とか何とか理由はいくらでも)
6)タッカー殺人容疑のホムンクルスとマスタングやヒューズやホークアイあたりが戦闘
7)落ち込む兄弟はウィンリィやロス少尉(生きていれば)に励まされながら賢者の石を追い続けることに
8)ヒューズ、敵の動きを悟ってしまいラストに殺される(原作では国土錬成陣に気付いていたが、賢者の石が目的であることを悟ってしまう、程度でも可か?)
9)兄弟がドクターマルコーの居場所を突き詰めるも、彼の元にはホムンクルスの魔の手が
10)親友の死やハクロ将軍のちょっかい等々を乗り越え、マスタングも兄弟に合流
11)マルコーはホムンクルス組に脅迫され、囚人等を使って今にも賢者の石を作ろうとしていた
12)エド、タッカー事件の教訓を経て、マルコーを熱く説得
13)全面対決、アクションの見せ場
14)必要に演じてエンヴィーやグラトニーが巨大化し、映像的見せ場へ(ラストは大佐がヒューズの仇も込めて撃破)
15)原作終盤通り、超ピンチに兄弟が互いを犠牲にしてホムンクルスを撃破(アルが魂を等価交換するまではいかなくとも、何らかの形で自己犠牲して兄弟の愛と信念を描写)
16)“帰ってこられる場所”としてのウィンリィアピールタイム
17)「俺たちはこれからも誰も犠牲にしない方法で旅を続ける。等価交換は絶対かもしれないが、俺たちはそれに屈してばかりではいけない」
18)エンドロール後、大総統っぽい人の口元がほほ笑む



原作序盤を軸に、発表されている登場人物で物語を取捨選択し、2時間前後(であろう)尺に割り当てると、自ずと遠からずこんな感じではないかな、と思われる。ポイントとしては、タッカー殺害をホムンクルスに割り当てることで「兄弟&軍vsホムンクルス」の構図をシンプルに組み上げること(つまり、軍の暗部云々をバッサリと切り捨ててしまう)。また、ヒューズ殺害の下手人を原作のエンヴィーではなくラストに変更することで、原作通りの「マスタングvsラスト」に復讐劇の要素を付加できること。まあ、軍の暗部要素は残しても良いが、その担い手が現状だとハクロ将軍しか見当たらないので、少々役不足(誤用)と思われる。

ホムンクルス組の目的は原作では国土錬成陣の完成にあるが、主人公であるエルリック兄弟と同じ「賢者の石の錬成」を目的としてしまい、「他者を平然と犠牲にできる敵」と「それを許さない主人公たち」の構図にしてしまった方が、よりシンプルに深くテーマを追求することが出来るかもしれない。とはいえ、そうするとホムンクルスの出生設定がややこしくなるが、水島アニメ版の神業である「ホムンクルスは人体錬成の失敗作」設定を持ち込めば、実は簡単にクリア出来そうな気もするのだ。

ということで、公開はまだ一年以上先だが、ネタバレもへったくれもない完全なる一個人の「予想」として、上記の一連の流れをこのブログに書き残しておきたい。方々のインタビューを読むと監督は主に「映像に力を入れたい&原作は尊重したい」を掲げているようなので、ストーリーそのものはそこまでいじってこないのではないかな、と。近い未来の答え合わせは、一体どうなるか。兎にも角にも、公開が待ち遠しい限りである。


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『映画秘宝EX 最強ミステリ映画決定戦』に寄稿しました
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