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結騎了の映画ランキング2016 EPISODE III

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こんにちは、YU@K改め、この記事でもご紹介した通り、結騎了(ゆうき・りょう)(@slinky_dog_s11)です。

仕事も納まって、酒の席が続いて、いよいよ年末という感じがしてきました。しかし改めて、これから毎年この年の瀬に『スター・ウォーズ』の新作が公開されるというのは、本当に凄いことだなあ、と。ディズニー恐ろしい。…ということで、何の前置きにもなっていませんが、本日から「結騎了の映画ランキング2016」はトップ10に突入します。どうぞお付き合いください!


【目次】
EPISODE I(~21位)
EPISODE II(~11位)
EPISODE III(~6位)
・EPISODE IV(~1位)

※毎年のことですが、言うまでもなくあくまで「私が」面白かったか否かというランキングなので、作品の面白さやクオリティを保証するものでは全くありません。また、核心部分のネタバレは避けますが、所々展開に触れる文章がありますので、ご了承ください。







10位『SCOOP!』

あの『バクマン。』の大根仁監督、そして主演が福山雅治。奔放なゲス中年パパラッチの生き様を描く …とあれば、面白くない訳がない。福山雅治は本当に何をやってもキマるなあ、と、同じ男なのにスクリーン相手に見惚れてばかり。風俗嬢とヤってても、ゲスなセクハラしてても、何故あんなにかっこいいのだ…。中盤で福山演じる都城静の過去が語られ、つまりは世間的には軽蔑されるパパラッチでさえ彼にとっては立派な“戦場”だったことが明かされる。そして、そのプライドを突き詰めた終盤の展開。決して誰に褒められることもなく、認めてくれるのも同じ業界の人間だけで、その狭い世界の中で人間関係を構築し、共依存と自堕落の渦で葛藤する男。自分もこんなふうに「堕ちたい」とは思わないが、それでもこうやって何かに異常なプライドを持って打ち込んでいる人間は、やはり魅力的なのだ。同じ男だからこそ尚更、そう思ってしまうのかもしれない。

リリー・フランキーの見事な怪演は鉄板モノで、彼が物語を牽引する後半の展開は思わず(良い意味で)目を塞ぎたくなる。二階堂ふみも堂々とした体当たり演技と脱ぎっぷりで福山のオーラに負けていないのが素晴らしい。端役までニヤリとさせるキャスティングが多く、「邦画の秀作」として外れのない一本だと思う。ただ、福山のアイドル性にちょっと引っ張られたかのようなラストの演出は、個人的には無かった方が好み。

大根監督は原作にあたる『盗写1/250秒』を本当に溺愛されているようで、2011年頃からこういうツイートが残っていたり。本当に念願叶った映像化だったのかと思うと、こちらまで妙に感慨深くなってくる。


「盗写1/250秒」はヤフオクで見かける度に買って結局手元に5本ある。日本中のこの映画のVHSを集めようと思ったが意味が無いのでやめた。ご興味のある方はどうぞ。あ、新品6500円・・・欲しい・・http://t.co/nSPEjja

— 大根仁 (@hitoshione) 2011年7月22日

ほんと誰も知らない青春映画の大傑作「盗写1/250秒」。斉藤慶子も最高だが、個人的原田芳雄のベストアクト。これ、今のパパラッチに置き換えて連ドラにリメイクして満島ひかり主演でやりたくて企画書作ったな。 pic.twitter.com/3PwG1EtmGu

— 大根仁 (@hitoshione) 2013年5月1日






9位『GANTZ:O』

ガンツ直撃世代として、そもそもこの原作がこんなにも美麗でハイクオリティなフルCG長編映画になっているという事実にもう感謝しかない。ありがとうございます。本当にありがとうございます。この漫画は、作者がおそらく頭の中で描いているであろうSF映画的な超絶アクションが独特のタッチで誌面に起こされている作品で、今回のこの『GANTZ:O』は、その「作者が脳内で描いていたであろう映像」の映像化のような印象を受ける。つまりは、「漫画の映像化」ではなく「漫画の元になった空想映像の映像化」とでも言えるだろうか。原作者が各種インタビューで御礼と太鼓判を並べまくっていることからも、そんなふうに思えてならない。

妖怪たちのヌメヌメとした質感、そして次々と繰り出されるSF重火器と脳天に響くSE。エロ可愛いヒロインたちも十二分に魅力的だし、主人公・加藤のどこまでも馬鹿正直な正義感も清々しい。加藤がガンに飛びついたりするスローモーション演出がちょっと頻度的にくどいかなあ、とも思いつつ、もう映像面では本当に感謝しかない。誰もが『パシフィック・リム』あたりを思い出したあの巨大戦も、ビルの影にある巨体演出が見事にキマっていた。更には、原作においては完全に「前後ありき」な大阪編を一本の映画にするための足し引きとアレンジもお見事。最後にちゃんとサプライズもあるし、原作未読者も、既読者も、誰もが入り込める塩梅になっている。

あと、主題歌の「人間ビデオ」がいかにも「ガンツ!!」という歌詞と音楽なので、今年相当ヘビロテしました。












8位『何者』

まずもって、完全に「予告勝ち」だった。中田ヤスタカ作曲の主題歌に乗せて、旬な若手俳優・女優たちが青春で斬り合うあの感じ。あれだけでもう見事にノックアウトだ。内容は単に「就活って辛いぜ!」なものではなく、あくまで就活はひとつのケースとして、人間が誰しも持つ「他者と自分の距離感」や「大人になるとはどういうことか」という議題についてひたすら突き詰めていく内容。要は別にこれ就活作品じゃないのだ。だからこそ、面白い。

一生懸命にやっている人を冷ややかに見てしまう。駄目だと分かっているのに、その人の粗が目についたりする。嫉妬心から心の中で悪口を言ってみたりする。SNSに誰相手とは分からぬように批判を書き残してみる。そうやって誰だってどこかでやってしまったような小さな「罪」を、「Twitter」という現代的な“繋がる”ツール、「就活」という他者に対し自分を良く魅せる戦場、これらの装置を通して出力する。出てきたものは鋭利に研がれた刃のようなもので、観ている人の胸を一刺し。まさにそういう作品だった。

大人になるとは、どういうことなのか。他者を認め、多様性を知り、自分の限界を認めることなのか。何者でもなかった主人公が何者かになろうと奮闘し、挫折し、そして何者が交差する群衆に消えていく。現代型就活に対する皮肉も面白く、ぜひ大学生や若い世代にこそ観て欲しい作品だ。







7位『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴースト with レジェンドライダー』

坂元監督は以前から「東映版アベンジャーズを撮りたい」と色んなインタビューで答えていて、その念願叶ったのかな、というお祭り作品。加えて自分の中では、昨年のMOVIE大戦が残念な出来だったのと、『仮面ライダーゴースト』TV本編が非常に惜しい展開ばかりだったのもあって、それらで下がったテンションを見事にブチ上げてくれた“加点”部分が大きい。よくよく考えると敵の思惑とかよく分からない部分もあるのだけど、タケルがTV本編以上に命を燃やし、永夢がTV本編以上に患者のために命をかけるその姿は、やはり単純にかっこよかった。「変身できるとかできないとか関係ない!」と啖呵を切るタケルの姿は、間違いなく1年間戦い抜いた男の姿であった(作中経過が半年というのは置いておいて)。「変身しなくても仮面ライダーだ」は更に先輩のドライブが辿り着いたアンサーでもあるので、先の台詞は二重にも三重にも熱い。

挿入歌が流れ出してからの強化フォーム無双や、各ライダーのメインBGMや主題歌など、盛り上がりどころでしっかり外さずやってくれるのは流石の坂本監督だなあ、と。逆に、完全に「いつもの坂本監督」が炸裂している映画なので、氏の作風が肌に合わない人は今作も普通に肌に合わないだろうな、とも思う。あと、せっかく先輩ライダーたちが豪華に集合したのに個別マッチに分かれてしまったのは残念で、例えばウィザードと鎧武の共闘、ドライブとゴーストが一緒に必殺技を放つなど、そういった組み合わせも観てみたかった。この辺りが心残りである。







6位『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影(シャドウズ)』

もう本当に、お見事。今回も製作に名を連ねるマイケル・ベイの“節”が炸裂しているが、しかし「見やすい!」「分かりやすい!」「ダレない!」の未曾有の三拍子。想像してみてください… あの『トランスフォーマー』ばりのバトルシーンが… 普通に位置関係が分かりやすかったりするんですよ…。ストーリーも分かりやすい展開ながらタートルズの決意と覚悟が見え隠れする塩梅で、本当に素晴らしい。異形の姿の意義、影から大好きな街を守る大切さ。若造連中がしっかりと大人に成長していくシークエンスに、一切の無駄がない。

また、相変わらずのミーガン・フォックスが「どエロい」感じで、本当にありがとうございます。今作はまるで彼女のファッションショーのような性格もあり、そういう意味でも楽しめる。2016年は色んな映画が大ヒットを飛ばして、この映画はちょっとそれに埋もれてしまった感じはあるけれど、絶対に間違いのない「娯楽映画の決定版」なので、ぜひ沢山の人に観て欲しいです。


※※※


ということで、明日の最終日は上位5作品の更新になります。最後までお付き合いいただけますと幸いです。


【目次】
EPISODE I(~21位)
EPISODE II(~11位)
EPISODE III(~6位)
・EPISODE IV(~1位)


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【過去記事】
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『別冊映画秘宝 特撮秘宝 vol.5』に「田口清隆監督&『ウルトラマンオーブ』紹介コラム」を寄稿しました
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