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結騎了の映画ランキング2016 EPISODE IV

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こんにちは、YU@K改め、この記事でもご紹介した通り、結騎了(ゆうき・りょう)(@slinky_dog_s11)です。

4日連続更新企画でお送りしてきました『結騎了の映画ランキング2016』。おかげさまで本日が最終日になります。残る上位5作品のレビューと、簡単なまとめ(のようなもの)を書いて、本企画の締め・並びにブログ書き納めにしたいと思います。ではでは、最後までどうかお付き合いください。(あと、通知用LINE@がひと月の上限数に達してしまったため、記事更新通知が出来ない状態にあります。申し訳ありません)


【目次】
EPISODE I(~21位)
EPISODE II(~11位)
EPISODE III(~6位)
EPISODE IV(~1位)

※毎年のことですが、言うまでもなくあくまで「私が」面白かったか否かというランキングなので、作品の面白さやクオリティを保証するものでは全くありません。また、核心部分のネタバレは避けますが、所々展開に触れる文章がありますので、ご了承ください。







5位『オデッセイ』

改めて今振り返ると、多少なりと『シン・ゴジラ』に通ずるところもあるのかな、と。事故で火星に取り残された主人公を救うために、世界中の人々と国々と選りすぐりの変人(という名の天才)が集まり、技術の粋を結集させる。映画体験は“没入感”が大きなポイントを占めると思っているが、この作品はまるで「プロジェクトX」のドキュメンタリーのように進行していく性格もあり、その一部始終をリアルタイムで追って応援する「いち地球人」の感覚に自分を持っていける。『シン・ゴジラ』のヤシオリ作戦は日本人の一般市民として映画に“没入”できるが、この『オデッセイ』は地球人としてそれが出来る、という訳だ。

しかし一方の主人公は割と元気に火星で過ごしていて、好きな音楽をかけながら鼻歌交じりにジャガイモを飼育したりする。しかしその一見能天気な様子は、言わずもがな絶望的なまでの孤独の裏返しでもあり、彼が地球との僅かな時間の交信に一喜一憂したり、壊れてしまったビニールハウスの前で絶望したりすることによるその演出的落差が、より一層心を揺らす。また、この手の遭難映画によくある「帰りを待つ家族描写」が割と徹底的に省かれていたのも印象深い。“それ”をやりたい訳じゃないんだよね、という。

詳しくは個別のレビュー記事でも書いたが、何よりクライマックスの救出シーンが素晴らしかった。ここまで高めに高めた期待値や、観ている側の「助かってくれ~」な祈りのような感情に、しっかりと演出で応えてくれる。ただ助かって良かったね、ではなく、とても芸術的な画作りで仲間と再会を迎える主人公の姿は、思わず涙を誘う。ハラハラして、泣いて笑って手に汗握る。そして感動し、小気味よく終わる。見事なエンタメ大作として、末永く復習鑑賞していきたい。







4位『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』

以前の『エイジ・オブ・ウルトロン』のレビュー記事に、「明朗にやってきたMCUが遂に影の領域に振り戻した」というような感想を書いたが、その影はまだまだ序の口だったなあ、と思わせてくれた作品。世界的にヒットを飛ばしているシリーズでここまで踏み込んじゃったか、と。その製作側の覚悟が面白いし、興味深いし、しかしアベンジャーズが綺麗に分裂してしまったのは、やはり寂しさも覚える。この作品がなぜ『アベンジャーズ』ではなく『キャプテン・アメリカ』なのかは私も公開以降何度も考えたが、つまりはどんな状況でも・それがたとえワガママだったとしても「意固地に貫き通す男」であるキャップの物語だったのかな、と。国のために命を捧げる覚悟で実験に参加し超人化した男が、遂には人間味が薄れた完璧超人として一種の暴走領域に突入する。今作のキャップには、私は(良い意味で)人間味が希薄に感じた部分もあったので…。

どうしても引っかかるのは「トニーの〇〇を〇〇したのがアイツだという事を、キャップはいつの時点で知っていたのか(そして黙っていたのか)」という部分。この答えによって、キャップという人間に対する理解が割とガラッと変わりそうではある。シリーズ過去作を観ても確定的なタイミングはどうやら描写されておらず(「あの時かな?」というのはあれど)、答えによっては「ずっと一緒に戦ってきた盟友に隠し事をしていた」という属性が付与されることになる。まさか“知ってて”AOUの薪割シーンとかやっちゃってたの? …と思うと、心がザワついて仕方ない。というくらいに、このシリーズはキャラクターの描き方が多重的だ。

そんなモヤモヤもありつつ4位に置いたのは、映像的な満足度の異常なまでの高さが大きい。空港での乱闘シーンはまさに「実写版スマブラ」だが、誤魔化しの効かない昼間のライティングで、属性もスタイルもサイズも様々な超人たちが殴り合う。ただのドリームマッチではなく、互いの戦闘スタイルを分かった者同士が縦軸・横軸に柔軟に動きながら相手を制圧しようとする。アイデア・笑い・燃えらもしっかり含まれており、この一連のシーンにマーベルスタジオの経験値がこれでもかとブチ込まれている感じだ。見事までの構成力に、天晴れである。







3位『ちはやふる 上の句』

『下の句』まで観終わってから考えると、この二部作併せて「俺の好きな要素」が完全にこの『上の句』に寄ってたな、と。そりゃあ、『下の句』に食い足りなさを感じる訳だ…。「(世間的には)マイナー競技の興味深さ」「凸凹チームの結成劇」「熱さや友情“だけじゃない”ロジカルな勝ち方」。これらの要素が『上の句』に集約されていて、一転、『下の句』はそれらを全部説明済みとして綺麗に廃し、「三角関係」「カルタで繋がる思いと人」というメンタル部分に寄せた。二部作どちらも鑑賞することでこの『ちはやふる』が描きたいテーマが100%に満ちる訳だけど、やはり自分としては『上の句』の要素が単純に好みだったかな。非常に燃えて、そして見事に泣かされた。もっと悪い意味でキラキラした青春映画かと舐めてかかった自分を殴りたいくらいに。

競技カルタはやはり世間的にはマイナー競技な訳で、その面白さや戦法をじっくり劇中で説明してくれたのが面白かった。「句を最後まで聞く必要はない」「手の払い方・ねじ込み方やその角度にテクニックがある」「勝負は一瞬で決着する」。しかも、扱う内容は完全に文化系なのに、畳をズバンッ!と弾いてその札を取りに立つ一連の空気感は完全に体育会系のそれなのだ。このバランスが最高だし、「『上の句』の面白さ」の半分くらいは「競技カルタそのものの面白さ」だったなあ、と。チーム戦で横並びに一気に腕が払われるあの爽快感がたまらないのだ。(余談だが、チーム戦のルールやその前後の雰囲気にどこか『ヒカルの碁』を思い出したりもした)

広瀬すずの圧倒的なオーラに目を吸い込まれながら、所々視覚効果がシャレオツなのもあって、とても目に優しい邦画だったなあ、と。上ではウダウダ書いたが、後編にあたる『下の句』が面白くないということは決してないので(要は期待値と好みの問題なので)、ぜひ未見の方は一気に二部作鑑賞なんかに洒落込んでいただきたい。







2位『シン・ゴジラ』

なんというか、まあ、圧倒的だった。観る前に死ぬほどモヤモヤと抱いていた「国産ゴジラがついに復活するのか」「海外ゴジラと比べられてどういう感想が溢れるのだろう」「エヴァ続編を叫ぶ層の不用意なヘイトを覆す魅力はあるのだろうか」「国産特撮怪獣映画の明日はどっちだ」などのオタクトラブルを見事に吹き飛ばしてくれた。それがクリアだったか・叶ったかという話ではなく、観終わったあと、“そんなこと”は綺麗さっぱり頭から抜けてしまっていた。それほどまでに、「喰らえっ!」という“圧”のある作品だったし、見事に満腹にさせられたなあ、と。

細かい感想云々は個別レビュー記事で書いたのでそちらを読んでいただきたいが、「ゴジラ」という海を越えて有名なキャラクターを一度白紙に戻したその手口は、本当に素晴らしかったと思う。東宝怪獣映画としての“前作”にあたる『進撃の巨人』の特撮シーンも見事なものだったが、それとはまた毛色の違う映像表現の追求が成されたのは、今後の国内特撮の継続・発展に間違いなく寄与していくだろうな、とも思う。しかし、あまりにも『シン・ゴジラ』が「『シン・ゴジラ』として」面白すぎて、これは逆に広く既存のゴジラシリーズに興味を持たせるには適さないかも、と思ったりも。そうやって、またこの「ゴジラ」というコンテンツでネットのオタク同士「あーだこーだ」やれたここ半年が、単純に楽しかった。特撮が好きで良かった。そう思わせてくれたのだ。

続く長編アニメーション版『GODZILLA』といい、キングコングとの対決が予定されている海外版『GODZILLA』といい、「ミレニアム期」から続くシリーズ(?)は、言うなれば「バリエーション期」なのかもしれない。様々なクリエイターが、既に確固たるイメージと実績のあるキャラクターを新たなアプローチで描いていく。とっくに成熟し、悲しきかな衰退を予期させてしまっていたコンテンツだからこそ、この方向性は本当に嬉しい。







1位『劇場版 遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』

これが1位じゃなきゃ、私の半生が嘘になる。こう断言したくなるほどに、完璧な映画だった。遊戯王直撃世代が抱く、今新たに続編が作られることへの期待・不安を全て受け止めて完璧に成仏させるストーリー展開。今年何度も映画館で泣いたが、他作品の累計よりこの映画一回の水分量の方が多かったと思う。ここまで完全無欠な「ファンの期待に応えた」映画を、私は他に知らない。

個別のレビュー記事で死ぬほど熱く語ってしまったのでもはや書くことがあまり無いのだけど、単純にアニメーション映画として驚異のクオリティだったな、とも思う。どこまでも美麗な映像がグリグリとノンストップで動き続けるあの130分間は、本当に極上だった。

……って、…ああ、もう、なんだこれ、語れねぇよ。むしろ語れねぇ。言葉はねぇんだ。「俺の好きだった作品が!最高の形で!帰ってきた!!」…これに叶う“理屈”なんて世界中どこにもねぇんだ!あるはずがないんだ!ありがとう!本当にありがとう!生きてて良かった。この世界に生を受けて良かった。お父さん、お母さん、そして全てのご先祖様。俺をこの映画に辿り着かせてくれて本当にありがとう。ありがとう、それしか言葉はない。Thank You!謝謝!Danke schön!Merci!ありがとう!心の底から、ありがとう!!!


※※※


…ということで、これにて『結騎了の映画ランキング2016』、閉幕になります。ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございました。来年は今年よりもっと沢山の映画を観たいなあ、と思いつつ、子供も生まれるし、おそらく仕事も今より忙しくなるしで、より一層時間のやりくりが求められていきそう…。まあ、趣味に義務感が生まれたら本末転倒なので、来年も「好きに」「自由気ままに」、映画やその他諸々の感想を呟いたり・書いたりしていきたいと思います。何卒、来年もよろしくお願い致します。

それではまた来年、そして『結騎了の映画ランキング2017』をお楽しみに。


【目次】
EPISODE I(~21位)
EPISODE II(~11位)
EPISODE III(~6位)
EPISODE IV(~1位)


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