こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。
映画というものは、どうにも他人の評価が気になってしまうものだし、それが好きな者であれば往々にして評価をしたくなるものだ。日本の娯楽産業は多岐に渡っているけれども、映画ほど“評価”が楽しみ方のひとつになっているものも珍しい。それは、他の映像分野、例えばアニメやドラマに比べて「レビューサイト」の数がかなり豊富なことからも見て取れる(それも、個人のものではなく公式に企業から提供されているもの)。芸術作品に一概の採点基準を設けることの是非はもちろんあるのだけど、やはり好きな映画(または自分に合わなかった映画)の世間的な評価は気になってしまうものである。
そんなこんなで私もかっこつけてこの「映画ブログ」なんてものを日々書いているが、先日メールフォームにある依頼が届いた。「株式会社WATCHA」という会社からだ。内容は、「WATCHA」という映画レビューアプリの紹介をブログで書いてもらえないか、というものだった。
なんでこんな背景をわざわざ書いているかというと、これは正式な依頼を受けて書いている記事だからだ。前々からこのブログでは「広告を一切貼らず収益化をしない」ことを明言していて、それは今も変わらない(現在表示されている広告類はgooブログの仕様)。だからこそ、ぶっちゃけた話、報酬を受け取って書いているこの記事はそのポリシーに抵触する。俗に言う「ステマ」な扱いは避けたいし、そこはいつも読んでいただいている方に対してフェアにやりたいので、「株式会社WATCHA」様にこの「おことわり」の許可をいただき、長ったらしくも前置きという形にしている。
とはいえ、本当に気に入らないアプリであれば当然のごとくお断りする予定だった。ダウンロードしたアプリを触ってみて、とても良いところ、まだまだな部分、僭越ながら色々な感想を持ったので、それをブログに書いてみたいという欲は素直にあった。だからこそ、ダメな部分はダメとハッキリ書くし、この一文すら公開前に「株式会社WATCHA」担当者様の検閲をくぐり抜けていることをご理解いただきたい。(しかも一発OKだった…)
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さて、ということで、アプリの名は「WATCHA」。このブログでは映画レビュー記事を(おかげさまで)沢山の方に読んでいただけているので表題を「映画アプリ」としたが、実はドラマとアニメも対象になっている。特にドラマは中々ネットでも大手のレビューサイトに乏しく、平均的な評価を見たい人には持ってこいだろう。
・ダウンロードはこちらから → http://goo.gl/gZv3oP …このURLはiOSでアクセスした際にはApp store、androidでアクセスした際にはgoogle playのアプリダウンロードページに飛びます。
アプリをダウンロードし初期登録を済ませると、「まず作品をレビューしてください」というページに移る。映画・ドラマ・アニメの作品がランダムで並び、それぞれ10作ほどの点数をつけることになる。正直、最初はいきなり「点数をつけろ」と言われて面食らってしまった。ランダムとはいえ観ていない作品もあるし、スクロールしていって点数をつけるのは地味に面倒臭い(とはいえこの画面は飛ばすことも可能)。しかし、ここで点数をつけておくことが、タイトルにも書いた『感覚を先回りする映画レビューアプリ』のプログラムになるのだ。自分だけのロボットを作っている感覚で、少しだけ辛抱して点数をつけていきたい。
無事それが終わると、アプリが使えるようになる。全体的なイメージとしては「Filmarks」にも近く、レビューサイトにSNSの機能を持たせたタイプだ。
それぞれ固有のアカウントがあり、プロフィールを設定でき、フォローし合うことができる。フォローしている人がレビューをすれば、それがタイムライン(ホーム)として流れてくる。星は5点満点で小数点第一位まで設定可、鑑賞日を入力できるほか、TwitterやFacebookとアカウントを提携させてそっちにも同時に投稿することができる。観たい作品をストックしておくこともできるし、注目度によるランキングの閲覧、タグ付け機能、「購入する」からのAmazonリンクや作品の詳細情報、ギャラリーによる画面カットや予告編の鑑賞など、およそ映画レビューサイト(アプリ)に求める全てが整っている。
また、操作の感触が非常に「ぬるぬる」であり、これは非常に嬉しいところ。読み込みの重さは感じないし、アイコンやヘッダーを設定できるのもSNSとしての面白さがある。個人的にニヤリとしたのは「興味なし」機能で、わざわざ興味のない作品をそこにリストアップすることができる。(良い意味で自分だけの)面倒臭い使い方ができそうだ…。
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ここからが本題だが、このアプリ、人工知能というと超絶に大げさだけど、使い手の感覚を先回りして映画をオススメしてくるのだ。「なんだオススメ機能なんでどこにもあるじゃないか」と、そう思う方も多いだろう。しかしこのアプリは、なんと予想採点点数を小数点の位まで突きつけてくるのだ。
つまり、過去に評価した作品の嗜好傾向から、「この作品が好きな人はこれは3.6点」「これが苦手ならこっちは3.1点」というのを細かに数字で見せてくれるのだ。「おー、おー、なるほど」と。この時点で、すでに観たのにまだレビューしていない作品がどう予想されているかがもう面白い。さーっとオススメ一覧を観ただけでも、その点数を観ていくと傾向を掴まれているようでニヤニヤしてしまう。
統計データというものは面白くて、何でそうかと考えると「データは嘘をつかないから」という結論に辿り着く(少年漫画に出てくる眼鏡キャラみたいな台詞だけど…)。個々の感覚が集約されて、それにひとつの傾向を見出した時に、心のどこかで少しだけ嬉しくなる。だから、例えばTwitterだと時たま自分の総ツイート数を見て「もうこんなに呟いたのか」とどこか感慨深くなるし、アンケート結果で「好きな作品ランキング」などと謳われているとついつい覗いてしまう。
データが積み上がった時のその“面白さ”を映画の予想採点という形で自分に返してくれるこの「WATCHA」は、言うなれば使えば使うほどにハマっていくものだろう。統計データの精度が段々と高くなっていくからだ。最終的には、アプリの中に疑似的な「映画を楽しむもう一人の自分」がいることになるし、単にオススメされるより、予想採点が高いものをレンタル屋で選ぶ方が趣味ライフが充実するのは言うまでもない。
また、他のユーザーの採点は単なる平均値を表示するのではなく、波状のグラフで視覚的に捉えることができる。単に平均4点の映画でも、それは4点ゾーンが大きく膨らんでいるのか、2点と5点の二か所が膨らんでいるのかでは、大きく印象が異なるだろう。一面だけで捉えず、観た人の感想を多角的に理解することができるアプリになっている。
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さて、そろそろ「さすが報酬貰ってんなコイツ」と思われるくらいに褒め倒してしまったが、ここからはダメだと感じる部分。
まず致命的なのが、現状の利用者の少なさ。海外ではすでに160万人以上が利用しているとのことだが、正直なところ日本ではまだまだ。前述のように「ビッグデータだからこそ」の面白さもウリのアプリにおいて、これは正直痛い部分だろう。使う人が増えれば増えるほどデータが積み上がり、予想採点の精度も上がっていくと思われるからだ。『感覚を先回りする』と書いたが、その感覚を研ぎ澄ますためにも、より一層のユーザー獲得を期待したい。
第二に、これまた致命的なのだが、レビューの最大文字数が100文字なのだ。これは本当にいただけない。最初に書いたとおり「評価したがり」なのが映画好きなので、Twitterより少ない100字では毛頭足りない。良かった点、悪かった点、それぞれを箇条書きで少し書こうものならすぐに文字数をオーバーしてしまう。星の採点だけの方が気軽なのは分かるのだけど(データ容量的な問題もあるとは思うけど)、ここは是非文字数制限を撤廃していただきたい。最低でも2,000字ではないだろうか。
また、私のようにブログを持って映画レビューを書いている人も少なくはないと思うので、プロフィール設定に自分のHPのURLを載せておける欄も設けて欲しいし、タイムラインに相当するホーム画面ではポスター画像のサイズが大きく全体に目を通しにくいとか(文字だけの簡素版タイムラインとの切り替えが理想)、めちゃくちゃ個人的なことを言えば私のハンドルネームである「YU@K」は記号が使えないことから「@」を入力できないとか、挙げようと思えばこの辺は沢山ある。まあ、万人が100点をつけるアプリなんて始めから無いのだけど。
とはいえ最初に書いたように、レビューアプリとしての最低限の機能はしっかりと備わっているし、予想採点、波状点数表示など、これまでの映画レビューサイト(アプリ)とは一味違った楽しみ方ができるのは大きなウリだろう。アニメやドラマがあるのも嬉しい。私も探り探り使っていきたいと思うが、何よりユーザーの総数が増えることを期待したい。まずは、頑張って初期設定の採点をクリアし、予想採点一覧を見てニヤニヤする時間を過ごしてみてはいかがだろうか。
・ダウンロードはこちらから → http://goo.gl/gZv3oP
(この映画はレビューしないでください)
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・「アベンジャーズ / エイジ・オブ・ウルトロン」は駄作でも傑作でもない
・【総括】「NARUTO」全73冊+映画2本+傑作「BORUTO」を完走したので1万字かけて感想を語り尽くすってばよ!
・どうして「体育の授業」のおかげでスポーツが嫌いになってしまうのだろう
・映画「アントマン」のここが惜しかったからお茶をください角砂糖は結構です!