こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。
昨日、夫が隠し持っていたエロ本を発見したという主婦のブログを偶然発見し、同じく結婚しエロ本を隠し持っている旦那である私は思わず飛びつくように読み進めた。旦那の部屋を片付けている最中に“ブツ”発見したということだが、直後の彼女の感想が「若干の殺意」と記されていて、思わず「マジかよ…」と声が漏れてしまった。その後ネットで体験談を調べたりママ友に相談したりしたらしく、末尾には「世の旦那たち、とりあえず謝った方が賢いと思うよ」とまとめられており、思わず「マジか…!!」と漏らしてしまった。
もちろん冗談半分とは思うが、「エロ本を持っている」という事象はパートナーから「殺意」という単語を引き出すほどのものだったのかと戦慄してしまった。また、それについて「謝った方が賢い」、と。いやもうこれ正直に誤解を恐れず書くと、「“何に”謝るの?」というのが正直な感想だ。もちろん、この事象に対する女性の感想も様々だと思うので一概には言えないが、やはり「男性の性欲」に関する認識は男女で大きな隔たりがあるのだな、と痛感した。
改めてネットでその手の体験談を検索すると、やはり女性側からの認識は芳しくない。「やはり、若い女がいいのか?きれいな体がいいのか?もう私じゃ駄目なのか??女として見られていないのか??」「私が女としてもう駄目みたいに思われていたのかと、かなりの自信喪失」。こういう声はちょっと検索しただけで無数に拾うことができた。私も、持っていたエロ本やAVが結婚から日の浅いタイミングで嫁さんに発見され、微妙にひと悶着起きたことがある。だから、その時に色々と嫁さんの意見も聞いたし、やはりネットでいくら他人の体験談を読み漁るよりもそれは身に染みたものだ。
ということで、「なぜ男はパートナー(彼女・妻)がいるのにエロ本やAVを持っているのか」問題について、あくまで“私見”ということで解説のようなものを書いてみたいと思う。言うまでもなく、私と、嫁さんと、ネットで見つけたいくつかの声との“主観”が幾重にも交わった上での話なので、それをご承知の上で読んでいただきたい。
※※※
まず、「男性の性欲」の認識について、おそらく男女で大きな差があるんだろうなあ、という部分。嫁さんの意見も含めた上で、私が考える「おそらく女性が認識する『男性の性欲』ってこうなっているのでは?」というのが、下の図である。
女性の認識の「男性の性欲」は、このようなピラミッド型というか、明確な上位互換・下位互換という階層があり、一直線に下から上に連なっているのではないだろうか(と言いつつも、これは分かりやすいように多少簡略化している)。まず二次元の産物、つまり具体的に言うと「エロ本」があって、その上に三次元の「アダルトビデオ」がある。そしてその上に「パートナーとの性行為」、つまり「セックス」が位置している。
二次元よりは三次元、三次元よりは実体験。“性”物としての最上級は性行為そのものであり、それに近付くにつれて上位にランクインする。性欲は一直線に並んでおり、逆に言うと、上が満たされていれば下は必要がない。日常的に性行為ができる環境があれば、ピラミッドの最上位が完遂されている訳で、下位のAVやエロ本は必要がない。(何度でも言うが、あくまで私見であるからして、反論異論はあって当然だと思う。)
対して、「男性が認識する『男性の性欲』」だが、それはおそらくこれである。
ピラミッドとか、互換性とか、直列とか、そういった要素は全くない。それぞれが独立に存在しており、違う方向を向いている。しかも、往々にして女性が思うより矢印の数が膨大であり、この図に挙げたものもほんの一例である。だから、「パートナーとの性行為」である赤い矢印が満たされているからといって、他の矢印にはほとんど影響がない。依然としてそれらは存在しており、伸び続けている。もっと言うと、赤い矢印とその他の矢印はカテゴリーが全く別であるとも言える。同じ「食べ物」でも、「和食」と「中華」くらい違う。繰り返すがそれは上とか下ではなく、並列であり、時にねじれて四次元空間に個々に存在している。
しかし、純粋に体力的な問題もまた別に存在する。ポケモンのHPのように、男は日々性欲というライフポイントを有している。「性行為」はひとりで行う「マスターベーション」より体力消費を要する“矢印”であり、それは他の“矢印”よりHPを多く消費する。だから、パートナーとそれを日常的に行える環境があると、女性から見れば「私がいるからそれで十分」と見えるかもしれない。しかし、消費するパターン(矢印の組み合わせ)が変わっただけで他の矢印はそっくりそのまま現存しており、完全に失われることは往々にして無い。
この認識の差が、最大の「原因」でないかと思う。女性からすれば「私がいるから(性行為が満たされるから)十分でしょ?」となるが、男性からすれば「それはひとつの矢印が満たされているに過ぎない」訳であり、依然として他の矢印も生存している(=エロ本やAVを所持し続ける)。そしてそれが、女性からすれば「ピラミッドの下位(エロ本やAV)を持っているということは、上位(性行為)で満足がいかないからでは?」に変換され、「私が女としてもう駄目みたいに思われていたのかと、かなりの自信喪失」というモヤモヤに成長してしまう。
誤解を招きたくないのでここは赤文字で書きたいのだけど、「パートナーのいる男性がエロ本やAVを持っていたからといって、それが相手への不満を表す証拠にはならないし、相手への愛情や想いが足りていないということでも無い」。ここが、ひとりの男性として僭越ながら女性の皆さんにお伝えしたい部分だ。しかしいくら言葉で説明しても、女性の皆さんとしてはモヤモヤを抱えてしまうことも分かる。分かる、分かるのだけど、こちらとしても分かって欲しいのだ。それは、「裏切り」でも「不満」でもなく、あくまで“男性にとっては”ごく自然なことなのだ。むしろ、パートナーが出来たからといってエロ本やAVをパッタリ見なくなる男性なんて、はるかに少数だと思われる。イリオモテオオヤマネコといい勝負かもしれない。
※※※
続いて、今度はそのエロ本やAVの「中身」について。包み隠さない表現で書くと、「プレイの内容」なのだが、これもまた誤解を招きやすい。例えば、パートナーが持っていたエロ本の中身で、Aというプレイが行われていたとする。しかし、実際に彼が彼女や奥さんに求めたいプレイもAだとは …限らないのだ。そこはBだったりするし、Cかもしれないし、もちろんのようにAそのままのパターンもある。しかし、ネットの女性の体験談を色々読んでいると、ここを「A=A」と認識してしまう人が多いように見受けられる。そしてそれがまたもや、「Aに応えらない私に不満がある?」に繋がってしまう。
女性の皆さん、大丈夫です、そんなことはありません。しかし、その「A=A」であるケースがあることも、もちろん否定はしません。私が言いたいのは、“必ずしも「A=A」ではない”ということだ。だから、例えば「言ってくれればAだってやるのに…」となった時に、もちろんそのお気持ちは心の底から嬉しいのだけど、「ち、違う!Aは確かに好きだけど“君”に求めたいのはBやCなんだ」となってしまうのだ。ここが非常に難しい。前述のテキトーな方向に向いている沢山の矢印を思い返して欲しい。男性の性欲は、そのカテゴリーも、プレイ内容も、決して直列ではないのだ。
また、ここまで私はこうやって長々と書いているが、最終結論は「だから男性がエロ本やAVを持つことを“肯定”してくれ」、ではない。多くの女性にとって、「なるほど分かったハイそうなのね」にならないことは、嫁さんとの実体験を通して嫌でも理解しているつもりだ。頭では分かっても感情で理解できないことなんで、この世には沢山あるし、この話はその最たるものだろう。
※※※
…ということを昨晩考えながらTwitterにポツポツと呟いていたら、女性のフォロワーの方が大変参考になるツイートをされていた。前述の「Aが好きだからといってパートナーに求める内容もAとは限らない」に関して、「不倫ドラマに熱狂する主婦が、別に旦那さんに不満があるわけじゃないのと同じかな」、と。
不倫ドラマに熱狂する主婦が、別に旦那さんに不満があるわけじゃないのと同じかなとは。ただ、政略結婚が普通な中世欧州社交界で、身分も飛び越えて女王を愛する騎士の物語がご婦人に受けた辺り、女性はエンタメに現実を重ねる傾向があるのかもはしれない。ので、男性のエロ本所有が許せないのかな?
— 黒河けーこ (@chocolad0121) 2015, 11月 19…そう!そんな感じのそれです!そこはあくまで“別口”なのです。続けての「ただ、政略結婚が普通な中世欧州社交界で~」も、大変膝を打つお話。
また、「隠されるから、『健全なことだと主張するならどうして隠すの』『不誠実』『私に言ってくれたらいいのに(あなたのためなら、その本に載ってることもするのに)』みたいな面倒くさい乙女心があることも、男性諸氏にご理解があると嬉しい」と。これ、これなんですよね、私が嫁さんと揉めた時の最大の争点。
隠されるから、「健全なことだと主張するならどうして隠すの」「不誠実」「私に言ってくれたらいいのに(あなたのためなら、その本に載ってることもするのに)」みたいな面倒くさい乙女心があることも、男性諸氏にご理解があると嬉しいです。まあ相互理解ですよね。
— 黒河けーこ (@chocolad0121) 2015, 11月 19男性の認識としては、とても卑怯かもしれないけど、「健全なことだけど隠す」んです。“そういうもの”として、思春期の頃から社会に教わってきたから。「当たり前のことだけどオープンにはしない方が良い(多くの女性が不快に思うから)」、という肌感覚(マナーのようなもの)が、多くの男性には備わっているのです。一見矛盾してるかもしれないけど、これ、男性の中では割と自然に通っている理屈なんじゃないかと。
一介の腐女子としては、「私のpixivのブックマークをパートナーに見られたら恥ずかしすぎて死を覚悟するしかないので、きっとパートナーだって似たような気持ちだろう。そっとするに限る」としか思えないです。男性のエロ本所有話に関しては。
— 黒河けーこ (@chocolad0121) 2015, 11月 19そしてこの方の連投最後のツイートにも、まさに我が意を得たりと唸ってしまった。それについて「肯定」とか、「否定」とか、ましてや「理解の努力」とかでなく、「アンタッチャブル」をお願いしたい。まさにそういう事象なのではないかと。
※※※
何度でも書くが、ここまで書いた内容は決して万人に共通するものでもないし、断言でも、唯一無二の正解でも断じてない。しかし、「もしかしてこういうことなのでは?」という示唆が、誰かの理解の手助けになればと思い、書き置いた。何より大事なのは言うまでもなく「相互理解」なので、事が起きた時にどう動くかはそのパートナーの問題である。上に挙げたようにアンタッチャブルでも良いし、(私としてはちょっと腰が引けるけど)三日三晩話し合ったって良い。しかしその時に、前述のような「認識の差」があることを頭の隅に入れてもらえれば、建設的な相互理解に近付けるのではないかな、と。
そして最後に、「男性の性欲」について取り上げたからこそ、(本筋とは少しズレるのを承知で)こう書き残しておきたい。確かに男性は女性より性欲が強く、色んな“矢印”でそれをまかなう生き物かもしれない。しかしそれは、「常に道行く女性を性的な視線で見ている」訳でも「隙あらば性欲優先で浮気する生き物」という訳でもない。それを理性で制御(コントロール)できるからこそ、意味があるのである。多くの健全な男性は、その理性の扱い方が拙い男性を、女性の皆さんと同じく「良く思っていない」のだ。
(おすすめ記事)
・どうして「体育の授業」のおかげでスポーツが嫌いになってしまうのだろう
・ネットや世間が何と言おうと俺はマクドナルドを食べ続けたい
※映画・特撮の感想(レビュー)など、全記事一覧はこちら。
【Twitter : @slinky_dog_s11 】【はてなブックマーク : slinky_dog_s11 】【LINE : @fgt3013f 】
【過去記事】
・オタク旦那とノンオタク嫁の家計事情 ~KEIZAI大戦ジェネシス(サンプル)
・映画館のマナーCMに前の席を蹴らせない効果は本当にあるのか
・仮面ライダークウガという呪縛
・訃報とアニメ感想とテロの話題が同列に消費される世界
・【考察】「ジョン・ウィック」の生き様は果たしてバッドエンドか否か