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Channel: YU@Kの不定期村
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「S.I.C. 仮面ライダーメタル」にみるダブルの拡張性と基本設定の巧さ

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

先日、Twitterで以前から交流させてもらっているきろーさんが、自作改造フィギュアの写真をアップしていた。その名も「S.I.C.仮面ライダーメタル」。「S.I.C.」とはその筋では有名なハイエイジフィギュアブランドだけど、そんな高価なフィギュアにパテを盛りスプレーを噴き改造を施した、というワケ。「仮面ライダーダブル」の劇場版に登場した「仮面ライダージョーカー」がメタルメモリを使った姿、という設定らしい。以前から製作過程をずっとTwitterで見ていたので、完成の暁にはぜひブログで紹介させてくれ、とお願いしていた。(快諾をいただいたので以下掲載)


S.I.C.改造 仮面ライダーメタル 完成しました! 自分設定としてはジョーカーがメタルを使ったフォームチェンジですが、面倒くさいので呼び名は仮面ライダーメタルとします。 その辺の細かい自分設定はブログに書こう… うおおおおおおん pic.twitter.com/KIa5sGOc1Q

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

@shin_kiroh3 細部~① pic.twitter.com/1v6q3AmTpr

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

@shin_kiroh3 細部~② 仮面ライダージョーカーを素体として、造形をいじったのは頭部,胸部,背中,肩だけです まあ処女作?なのでこんなもんで 肩はMを模したモールドを入れました ポージングはまだ撮ってないので後程… pic.twitter.com/6uI1hU6BWG

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

『メェタルゥッ!!!』 pic.twitter.com/stfF58qhi3

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

@shin_kiroh3 「さぁ…お前の罪を数えろ…!!」 pic.twitter.com/8yZLaL7BLh

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

@shin_kiroh3 ぶんぶん!ぶんぶん!! メタルシャフトにメタルメモリを装填してマキシマムドライブ! シャフトを振り回して的に攻撃する『ライダースイング』が必殺技だー!! pic.twitter.com/Ug1vdoUDju

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

ジョーカーと一緒に 塗膜を過信してブンドドしまくってたら早速一か所塗装ハゲを作ってしまったのでビビッてあんまりポージングできなくなりました 強いと言っても限度があるね、さすがに既製品ほどまでにはいかない さあ…次はトリガーだ! pic.twitter.com/8mqB70p3wr

— きろー (@shin_kiroh3) 2015, 11月 25

適度なシルバーの出し方に随分苦労されていたらしいが、結果としてものすごくかっこいいと思う。テカテカなり過ぎず、それでいて澄んだ自己主張をする深みがあり、端的に言うととっても綺麗。ダブルの基本9フォームの中ではサイクロンメタルが一番好きな自分にとって、惚れ惚れする塗装。いやはや、お疲れ様です。


※※※


きろーさんの「仮面ライダーメタル」を見ていると、ダブル放送当時にひとしきり妄想したのを思い出す。そもそもダブルのシステム自体が、設定に凝りがちなオタクにとってドンピシャなのだ。メモリは左右に3つずつの計6個あり、その内半分が「戦闘スタイル」(格闘・棒術・銃撃)、もう半分が「属性」(風・炎・神秘)、という区分になっている。この9パターンの組み合わせを敵によって即座に使い分ける様は、やはり「仮面ライダークウガ」のフォームチェンジを思い出してしまう。

どうしてもフォームチェンジの数が増えると「その姿になる必然性」が薄れてしまいがちなヒーロー特撮番組だけど、こと平成仮面ライダーに限ってはクウガとダブルが秀でている印象が強い。オーズやドライブも頑張ってはいたけど、そもそもの消化しなければならないアイテム(玩具)の数の多さに押されてしまったような気がする。ダブルは、基本の9フォームにファングとエクストリームという計11形態をメインとし、他にロストドライバーを用いたジョーカーも登場した。メタルメモリはジョーカーと同じ「戦闘スタイル」“側”のメモリなので、おそらく使ったら前述の改造S.I.C.のような姿になったのではないだろうか。

誰もが妄想したものだと(私もご多分に漏れず)、やはり「仮面ライダーファング」は欠かせない。ファングメモリ単独使用で変身する、全身白色で鋭利なフォルムの戦士。ここで超獰猛な動きを見せるかフィリップ的な知的なしぐさをさせるかは、意見が分かれるところだろう。また、例えばドーパントメモリをダブルドライバーに刺したらどうなるか、というのは本編では実現しなかった。散った霧彦のナスカのメモリが仮に翔太郎に渡っていたら、撃破したテラーのメモリが砕けずに息子であるフィリップの手元に残っていたら…。妄想は止まらない。そもそもアクセルメモリがエクストリーム用として想定されていたというシュラウドの思惑が、更にファンの想像を加速させるのだ。





また、ダブルの物語そのものが「探偵もの」として小刻みに完結する形式であるため、アフターストーリーやサイドストーリーのバリエーションは無限に広がっていく。事実公式でもその後の劇場版に事件を絡めてゲスト出演を繰り返しているし、ドライブのスピンオフ「仮面ライダーチェイサー」にも事件を追ってアクセルが登場するという。探偵や刑事という設定は「依頼(捜査)が舞い込む」という“受け”の作劇であるため、例えば「クレヨンしんちゃん」や「サザエさん」のように、いつものメンバーが変わらずそこにいながら新たに来るイベントに対応するだけで、お話が十二分に転がっていく。こういった枠組みがまたもやファンの想像を掻き立てるのだ。ダブルの基本設定がいかに練りに練られた末に走り出していたか、完結から何年経っても実感する機会と度々遭遇する。

フィクション作品におけるリアルと嘘のバランスにおいても、本来なら「こんなに事件が起こったら~」「誰々があれを知らないのはおかしい~」「不自然だ~」という類のツッコミを、探偵ものならではの「守秘義務」、そして闇ルートで流通するドラッグのように描写されるガイアメモリというアイテムが、良い意味での細かい設定や線引きの“ボカし”として機能している。描かないところは「描かないこと」が不自然ではないし、それは転じてファンの妄想の種に昇華されていくのだ。

キャスト本人も熱望していると聞くが、私もやはり未だにスピンオフ「仮面ライダージョーカー」を諦めきれない。フィリップが何らかの理由で囚われてしまい単身活躍する翔太郎の雄姿とか、妄想を始めると本当にきりがない…。


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