こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。
「多くの皆さんに知られている作品なので、撮影に入る前にいろいろ考えてしまった。あそこまでプレッシャーのかかる役はなかった」。これは、俳優・窪田正孝がYahoo!検索大賞 2015パーソンカテゴリー俳優部門賞を受賞した時のコメントである(引用:『窪田正孝「デスノート」夜神月役は男泣きするほど重圧だった』)。2015年に話題になったドラマのひとつに、「デスノート」があった。言うまでもなく週刊少年ジャンプにて大場つぐみ×小畑健のコンビにて連載されていた超有名作で、シリーズにおいては三度の実写映画化、アニメはもちろんのこと、舞台からハリウッド映画化まで(現在進行中とのこと)、その人気は連載が終わった10年経った今でも衰えを知らない。
7月期の夏ドラマとして放送を開始したドラマ版「デスノート」は、発表当初から大きなバッシングに見舞われた。言うまでもなく、日本における「漫画・アニメの実写化」に対する風当たりは強い。製作側としては、すでにファンを獲得しているコンテンツを別メディアで展開するという至極当然の製作体制なのだが、それは“原作を尊重しているか否か”というファン個々人の線引きで判断されてしまう諸刃の剣だ。奇しくも同時期に実写版の「進撃の巨人」が騒がれたこともあり、この「デスノート」も放送開始前から駄作の烙印を押す人がネットには無数に存在した。
また、作品の設定が発表された際にも、まるで炎上商法かと言わんばかりの批判が巻き起こった。「夜神月は平凡な大学生」。原作最大のエッセンスであった「天才vs天才」という構図を崩してきたことについて、大きな批難の声が上がった。言うまでもなく作品の好みや楽しみ方は人それぞれだが、それを踏まえた上で、面倒臭いデスノートファンを自称する私は今でもハッキリとこう主張したい。「この設定だけでドラマ版デスノートを批難するのは間違っている」。それは、ファンであればこその想いがあるからだ。デスノートという作品が「天才vs天才」の頭脳対決“だけ”の作品だと思っているのなら、それがそもそも可笑しいのでは、という話である。上っ面だけしか楽しめていない。すこぶる勿体ない。
「デスノート」とは一体どのような作品だったのか。ドラマ版最終回放送直後に4度目の映画化が発表されたこともあり、2016年も「デスノート」が一層の盛り上がりを見せることは容易に想像できる。だからこそ、原作終了から10年、新たに紡がれたドラマ版「デスノート」を通して、この死のノートにまつわる物語の魅力を振り返っておきたい。
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夜神月は頭脳明晰容姿端麗な高校生。その卓越したスキルから毎日に退屈を覚えていたその時、死神リュークが気まぐれで落としたノートを手に取る。それはデスノート。人間の名前を書くと書かれた人間が死ぬという、何ともファンタスティックで残酷なアイテムだった。月はこのノートを使い、犯罪者を裁いて世の中を理想の世界にすることを決意、実行に移す。やがて彼は、“殺し屋”から“キラ”と呼ばれるように………
■完全版は2015年12月28日発売予定の電子書籍『THE BEST』(0円)に収録予定。詳しい内容や進捗状況はこちら。
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