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Channel: YU@Kの不定期村
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アラサー男子が観た「ジャニーズ年越しライブ2015-2016」とジャニーズ4属性

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

ここ数日、SMAP解散騒動で連日ニュースを騒がせるジャニーズ事務所。2016年も明けて早半月、そのジャニーズが毎年恒例にしている年越しカントダウンライブ「史上最多の大集合!ジャニーズ年越し生放送」(2015年12月31日23時45分から2016年1月1日0時45分まで中継)の録画を今更ながら鑑賞した。といいつつ私自身は特段ジャニーズのファンという訳ではなく、そして特段ジャニオタでもない嫁さんが録画していたこのカウントダウンライブ(通称「カウコン」と言うらしい)。「HDDの容量がヤバいから年末年始特番をどんどん観ていこう」と録画を流したが、結局1時間の放送を夫婦で大盛り上がりで鑑賞した。たった1時間なのにまるで2時間半のライブ映像のような濃さ…。中々に驚異的なライブだった。





やはり女性だからか嫁さんは私よりはるかにジャニーズのユニットやメンバーに詳しかった。私といえばメンバー全員の名前を言えるのが唯一SMAPほどなので、色々と解説してもらいながら鑑賞。年末年始、年の瀬にドームに集まったファンたちに向けて、総合司会・嵐が次々と事務所のユニットを紹介、休憩もなくドームの四方八方から矢継ぎ早に現れるイケメンたちの特製フェスティバル。ファンでない男性の私でさえ観ていてめちゃくちゃ面白かったので、現地のファンの方々は失神寸前だったのではないだろうか。

観ていて(嫁さんの解説も併せて)、さすがのジャニーズというか、その組織としての面白さにずっと目を奪われていた。というのも、一通りライブを観て感じたのは、「2016年現在のジャニーズユニットはおよそ4属性に分類できるのかな」、というもの。所属全てを網羅した訳ではないが、完全なる私見でそれを図にまとめてみた。





「皇子」タイプは、清潔感と爽やかさ、圧倒的なキラキラ感が魅力的な属性。嵐がここの筆頭。歌も踊りも演技も全てをオールマイティにこなすイメージが強い。「お笑い」タイプは関ジャニ∞が代表的。メンバー同士がワイワイやっている雰囲気が強く、ある意味ジャニーズとしてのプライドをかなぐり捨てて変顔したり体を張ったりスベったりがバッチコイな面子。「チャラい」タイプは決して悪い意味での“チャラさ”ではなく、言うなればエロくてセクシーな魅力が強い属性。清潔感とは真逆の男性的な魅力に溢れていて、メンバーの長髪率も心なしか高め。筆頭はKAT-TUN。最後に「レジェンド」タイプ。もはや上記3つの属性すべてを超越して国民的な称号を獲得しているメンバー。およそ日本のメディアのどこに出没しても一定の数字を獲得できるポテンシャルの高さを持つ。言うまでもなく、SMAPがここに属する。

重ね重ね書くがこれはジャニーズにさほど詳しくないアラサー男子の主観なのでひとつの参考程度に見ていただきたいのだが、およそこの4つの属性の中に全てのユニットが収まるような感覚がある。タッキー&翼はレジェンドながら皇子寄りだし、Kis-My-Ft2はチャラさとお笑いをどちらも内包している。山下智久はもはや突き抜けたチャラさがレジェンドに傾きつつあるし、Hey! Say! JUMPやSexy Zoneはむしろこれからもっとどれかの属性に傾倒していくのかもしれない。ちなみに、ここに出てこない「オラオラ系・土方系・ヤンキー系」の需要を上手くかっさらったのが(第二章以降の)EXILEや三代目J Soul Brothersという印象だ。

自分で分類しておいてなんだが、「清潔感」「爽やかさ」「面白い」「セクシー」等々、ジャニーズ全体を一般的に言われる女性が異性に求める色んな要素の集合体のように取ることもできる。「こんな男性がいいな」「あんな男性が魅力的だな」という様々な要素を時に突き抜けて時に複合的に網羅したユニットを取りそろえることで、世代を超えた多くのファンを獲得する。隙のない組織展開だと思うし、非常に興味深く感じる。

ジャニーズに詳しくない人でも、レジェンドを中心に各属性の先端に属するユニットを知らない人はほぼいないだろう。仮にメンバーの名前は誰ひとり知らなくとも、ユニット名の認知度はすこぶる高い。彼らが牽引するジャニーズ4属性の中で、図の中心寄りのユニットはこれからもっと方向性を顕著にしていくのかもしれない。嵐や山下智久に続くレジェンド寄りのユニットは、果たしてどこになるのだろうか。





話が逸れたが、年越しライブは本当に面白かった。改めてセットリストを振り返っても、これを準備するのは相当なものだ。ユニットを超えたコラボも多いし、メンバー全員が一糸乱れぬ動きで全体を見て行かないと回らない。時折後ろから出てくるのがちょっと遅れるメンバーがいたり、マイクの音が入らなかったり、リアルタイムならではの緊張感がまた良いスパイスとして機能していた。最近夫婦でキスマイにハマっているので「相変わらず舞祭組のメンバーはカメラに映らないな…頑張れ…!」とか、NEWSの手越や嵐の大野くんが歌が上手いとか、KAT-TUNの田口は近年めちゃくちゃ良い感じでエロくなってきたのに辞めちゃうのは寂しいとか、東山紀之の49歳とは思えないキレッキレのパフォーマンスと出てきた時の“生けるレジェンド感”がヤバいとか、ギャーギャーと騒ぎながら楽しく鑑賞した。

特に、NEWSの手越・Hey! Say! JUMPの山田・Sexy Zoneの中島、この3人が驚異的だった。なんというか、オーラが尋常じゃない。グループ全体にカメラが向いていても、その眼光&流し目で観る者の視線を無理やり自分に惹きつける魔力の持ち主たち。言うまでもなく全員が超絶なイケメンで、そしてエロくてセクシーで、己の魅力を自分で120%把握してそれをしっかり振りまく方法まで熟知している。イケメンが自分に酔いしれてイケメンビームを放つのに、男の私から見てもそこに嫌味っぷりがゼロ。まさに正真正銘の「アイドル」だと、心から称賛すべきメンバーだった。

レジェンドなメンバーであるTOKIO・V6・KinKi Kidsあたりは、さすがのパフォーマンスであった。会場の空気も若手ユニットに対するキャーキャー感とはまた違う、“ガチ”な雰囲気。自分たちのやるべきことをしっかりやり、ふざける時はふざけて、キメ顔も漏れなくキメて、貫禄を見せつける。経験則に裏打ちされた所作だったなあ、と。

面白かったのは、ファン投票により選抜された2人が特別にコラボする「初夢2ショット」のコーナーだ。私みたいな門外漢からすれば「なんでこの2人が選ばれたんだろう?」という組み合わせだが、その解説がしっかりテロップで表示される。「プライベートでも仲良し」「モノマネされる側とする側」など、ファンがジャニーズ全体を深く知っているからこその投票結果という印象で、観ていて非常に面白かった。サプライズとなった修二と彰の復活は、「青春アミーゴ」時にまさに高校生だった自分にとっても感動のステージ。あれからもう10年経っただなんて…。ははは…。





余談だが、この「初夢2ショット」の企画で1位だった滝沢秀明×渋谷すばるの解説テロップを読んで、昨今の日本のアイドル事情について色々考えてしまった。それは、「ジュニア時代に東西の顔だったから」というもの。ファンはジュニア時代から彼らをちゃんと知っていて、それぞれ今は別のユニットだけど、“それ”は投票で1位になるくらいにファンにとっては大きな“彼らの物語”なのだ。ジャニーズジュニアといういわゆる下積みの時代からアイドル個人に注目し、彼らが数年単位で表舞台に躍進していく日本式アメリカンドリームな物語。

これっていわゆる、AKBの研究生制度に近いのかもしれないと感じた。一昔前の女性アイドルが持っていた「偶像性(ある意味人間を超えた“うんちしない”存在)」に明確なヒエラルキーを与え、「下積み時代から表舞台に立つ」という共感性が高く人間臭い物語を付与する。ファンはその物語性にこそ感動を覚え、応援を加速させる。そこに「(俺が・私が)育てた」という特有のファン意識が芽生え、良い意味で依存度が増していく。モーニング娘は卒業&新加入という入れ替わり要素でファンを熱中させたが、そこに明確な上下の関係は無かった。AKBはこれに更にジャニーズジュニア的な「ヒエラルキーによる物語性」を持ち込み、更にはそのヒエラルキーをファンの金銭的貢献度によって変動させるという悪魔の手法を取り入れた。ドキュメンタリー映画にも見られるような、その「物語性」がファンを一層中毒にさせていく。

別にジャニーズとAKBが似ていると安易に言いたい訳ではないが、アイドルという偶像が「ヒエラルキーを超える」という人間臭い物語を持った地平にまで“降りてきて”、だからこそファンはその応援を加速させるというサイクルは、近年叫ばれる「アイドル戦国時代」という形容とは決して遠くないのかな、と。

そんなことまでボンヤリと考えてしまうほどに、「史上最多の大集合!ジャニーズ年越し生放送」は興味深く面白いライブだった。誰が出てきた!キャー!今度はこの人たちだ!ギャー!、夫婦で大盛り上がりな1時間で、ぜひ「2016-2017」も観てみたいな、と思わされた体験だった。今年の末も、ぜひ昨年に引き続きTV放映をお願いします…!そしてHDDの容量軽減のために鑑賞したのに面白かったから録画を消せないじゃないか…!くそっ!


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