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Channel: YU@Kの不定期村
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10年ぶりに遊戯王に触れた浦島太郎デュエリストがあまりの環境変化に膝から崩れ落ちてかっとビングした話

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

歳を取ったな、という思いと共に浦島太郎よろしくヒゲを生やし独り愕然としてしまった。10年ぶりに触れた「遊戯王オフィシャルカードゲーム」。もはや「生贄召喚」という単語が用いられていない時点で頭を抱え、あまりの特殊召喚合戦に脳内処理が追いつかなかった。原作連載開始時に小学生だった自分は、東映版のアニメ「遊☆戯☆王」やバンダイから発売されていたカードダスを経て、満を持してKONAMIが繰り出したOCG(オフィシャルカードゲーム)にも思いっきりハマっていった。その後、いわゆる“第三期”(~「ファラオの遺産」)の終盤で離れてしまったために、私の中での遊戯王は完全に「過去のもの」となっていた。





もちろん、ずっとカードゲームが続いていたのは知っていた。今ではルールやセオリーがどんどん変わっているというのも小耳に挟んではいたが、詳細はまったく知らないまま。しかし、2015年にアニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」がリマスター版とバトルシティ編で再放送を開始し、この2016年には原作最終回のその後の物語が原作者監修で映画化するという…。「遊戯王第一世代」としてはこの波に乗らない訳にはいかない!…久々にOCGに触れてみようかな、と思い過去のDSのゲーム等の中古を探していたら、「タッグフォーズはいいぞ」というアドバイスをTwitterで頂戴した。(実物カードに触れると金銭沼に沈むからやめた)





最新作「タッグフォース スペシャル」、しかもPS Vitaでも出来る上に半額セール中ではないか。最近のルールはよく分からないけどゲームならチュートリアルもあるし、遊戯王熱を高めるためにもまずは体験版やってみるか! …その結果が「浦島太郎デュエリスト」であった。もはや私がやっていた頃のセオリーは完全に霧散していた。シンクロ召喚…? エクシーズ? おいおい待ってくれよ…。そこには懐かしの故郷はなく、別次元の戦いが繰り広げられていた。


※※※


懐かしの「あの頃」の遊戯王。「サンダー・ボルト」が何よりも強力だった時代。当初は「ブルーアイズ」が超最強モンスターで、彼を葬るには「サンダー・ボルト」くらいしか手が無かったんだ。あとは「はさみ撃ち」とか。





「生贄召喚」というルールが定着してまず思ったのは、「レッドアイズは弱い」、だった。原作漫画やアニメではこれでもかとキーカードなのに、生贄2体で攻撃力2400は弱すぎる。「デーモンの召喚」を見習ってくれ。しかもデーモンなら後に出た「黒き森のウィッチ」等でデッキの中から持ってくることができるんだ。あの頃は誰も守備力なんか見ちゃいなかった。





「強欲な壺」「人喰い虫」といった変則的なカードが出てきだして、そこからやっと“戦略”というものが生まれてきたんだ。その前までは、単なるパワープレイと除去魔法の応酬だった。レアカードを持ってる奴が強い、という原作漫画序盤の雰囲気そのまま。段々と色んなカードが出てきて、「強いレアカードにもいくつかのカードを組み合わせれば勝てる」という土壌が整っていった記憶がある。「セイント・マジシャン」も、みんな必ずデッキに入れてたなあ。「心変わり」とか。





「神の宣告」(通称“かみせん”)というカウンタートラップの登場、「キャノンソルジャー」という物量野郎、使えそうでぶっちゃけ使いづらかったトゥーンモンスターに、みんな大好き「サイコ・ショッカー」。パックが発売されるごとに多彩な効果を持つカードは増えていったが、基本は「生贄というコストをしっかり貯めて払って上級モンスターで殴る(しかし除去系の魔法や罠で反撃される)」がセオリーだった。





だから、生贄素材はなるべく強いモンスターが良い。通常モンスターにおいて長らく前線で活躍したのが「ヴラッド・ヴォルス」「ヂュミナイ・エルフ」。“1900の壁”はあの頃確かに存在した。攻撃力が50劣る「メカ・ハンター」も活躍し、後に「デーモン・ソルジャー」や「サファイヤドラゴン」も登場。まずはこいつらをしっかり場に配置するのが定石だった。





アルティメットレアというレア分類が登場し(「不死王リッチ―」とかいう特殊なやつもいた)、スピリット、ユニオン、という特殊な効果モンスターも出てくるようになった。みんな大好き「八咫烏」が猛威を振るい、カオス系の“墓地除外”という概念が広まったのもこの頃。それまで墓地は本当に墓地でしかなかったのに、次第に「あえて墓地に送る」というプレイングが本格的に流行った。「カオス・ソルジャー -開闢の使者-」「混沌帝龍 -終焉の使者-」の2枚のカードはあまりにも強力だった。






「ギアフリード」に「蝶の短剣エルマ」を装備して魔力カウンターを永久に溜められるのではないか、とか…





「サイバーポッド」で手札に加えるカードは互いに公開するべきか否かで揉めたり…





「トークン」の代わりに要らない雑魚カードを並べたり…






昔は今ほどネットが普及していなかったから、禁止・制限カードはおもちゃ屋が開示する情報でみんな確認していて、そのおもちゃ屋・カード屋が必然的に俺たちのデュエルフィールドだった。学校に遊戯王カードを持ってくることが問題視され、一部のレアカードがショーケースで高値で展示され始め、そうやって遊戯王はいつの間にかワールドワイドなカードゲームになっていた。自分はずっとその第一線にいたつもりだったし、誰とデュエルしても知らないカードなんて無かった。当たり前のように全て覚えていたから。

カードにはざっくり三種類の認識があって、「スタンダードに使えるカード」「状況が整えば使えるカード」「ぶっちゃけ使えないカード」という脳内分類が割と自然に成されていたように思う。何かの属性や種族、効果に絞った“テーマデッキ”を作るのも流行ったが、結局は「強い4星モンスターと強い効果の上級モンスターと使い勝手の良い魔法と罠で除去と蘇生サポート」というスタイルが根強く、皆ほとんどが似たようなカードを使いこなしていた(少なくとも私の周囲では)。ライフポイントが3000を切ったあたりから「上級モンスター1体か4星モンスター2体のダイレクトで死ぬ!」という緊張感が生まれ、ギリギリの攻防戦が盛り上がった。


※※※


そんな環境のタイミングで遊戯王を離れたので、モンスターがレベルアップする「LV」の概念や、E・HEROのシリーズ、宝玉獣など、たまに実家に帰った時の年の離れた弟のカードを目にするくらいで、名前しか知らない…。という状態で10年ぶりの「タッグフォース」だ。まずもって、ルールのチュートリアル画面を何度も何度も読み返した。





「シンクロ召喚」という方法で場に出る白いモンスターカード。特殊召喚扱いということで、通常召喚とは別に出せるとのこと。「チューナー」という属性を持ったモンスターと、それ以外のモンスター、場の2体以上を累計した星の数と合致したシンクロモンスターを、もうひとつの山札であるエクストラデッキから場に召喚する。“星の足し算”という概念が必要になってくるのだ。

いや、これ、やばいでしょ…。やばいっしょ、これは。なんたって、それまでのセオリーが完全に破壊されている。前述したように「シコシコと生贄素材をそろえた上で上級モンスターで殴る」という方法論が、完全に“遅く”なった。特殊召喚扱いだから通常の召喚と同じターンに行えるし、短い準備期間で高レベルのモンスターがポンと出てきてしまう。





そして真っ先に思ったのが、「レベルの低いモンスターが台頭する!」ということだった。ふっと頭に浮かんだのは、例えば「ホワイトシーフ」。相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えたら手札を捨てさせることができる効果モンスターだけど、如何せん攻撃力がたったの1000。上にも書いたように、結局は“1900の壁”がある以上、「相手の手札を捨てさせることが出来る」メリットは「攻撃力1000のモンスターを攻撃表示のまま場に放置する」リスクより小さく見積もられていた。だけど、シンクロ召喚をメインフェイズ2で行えば、こういう「効果を発動して絞りかすになったモンスター」を相手の絶好の的にすることなく、しかも更に強いモンスターへの素材として“逃がす”ことができる…。

PS Vitaの画面でルールを読みながら、思わず「やべぇな…」と呟いてしまった。“1900の壁”がある以上、結局は攻撃力の低いモンスターはよほど強い効果が無いと前線には出てこなかったし、下級モンスターのほとんどは星4で固めるのがあの頃のセオリーだった。作る側もそこを分かってたからか、「そこそこ強い効果を持つモンスターは攻撃力や星が低いから実践では中々使いづらい」というバランスで設定されることが多くて、それこそ「ホワイトシーフ」なんかはその手の代表格だったと思う。シンクロ召喚を多用すればそんな“当時の雑魚カード”のリスクが一気に撤廃されるし、日の目を浴びるどころの話じゃないな、と。

つまり、上に書いた「スタンダードに使えるカード」「状況が整えば使えるカード」「ぶっちゃけ使えないカード」という脳内分類が完全に覆されているのを強く感じた。あの頃の私の経験則は完全に死んでしまったのだ。





更には別の特殊召喚、「エクシーズ召喚」というものもあると言うではないか。なになに… とルールを読んでいくと、シンクロと同じように場のモンスター2体を素材として召喚するが、そのモンスターの上に重ねる形でエクシーズモンスター(黒いカード)を出して、まるで魔力カウンターのように下にある素材をコストとして払う(墓地に送る)ことで効果を発動するというのだ。しかも「チューナー」という縛りが無いので、どんなデッキに入れても対応が可能ということになる。登場当時、シンクロ召喚という概念はエクシーズに上書きされてしまったのだろうか…。私は立て続けに悪夢を見ているようで頭がクラクラした。





そして極めつけが「ペンデュラム召喚」。お前デュエルマスターズかよ!って感じのグラデーションを持ったカードは魔法カードとしても扱うことができ、両端のペンデュラムゾーンにそれぞれ配置することで、その間に含まれるレベル数のモンスターを一気に何体でも好きなだけ場に並べることができる。






…って…  お前…


馬鹿野郎っっっ!!!!!!!!!!!!!


こんなの…もう…!!!生贄素材を場にそろえて大切な召喚権を使って上級モンスターを出すというあの頃のセオリーが!!!死んだ!!!いやとっくに死んでたけど!!けど!!シンクロ召喚や!!エクシーズ召喚は!!!!まだ「融合モンスター」の遠い親戚くらいで納得ができる!!!!!!一応の“しばり”の中で場に出すから!!!!でも!!ペンデュラム!!!お前っ!!!!!!それ専用にレベルを組み合わせたデッキを作ってしまえば…!!速攻で強いモンスターが場にEXILEするだろこんなの!!!なんだこれ!!これは…っ!!!!!


馬鹿な!!!馬鹿なっ!!!!!!!!!!これが今の遊戯王かっ!これが!!!10年ぶりに帰ってきたはずの故郷は!!!!!もう地元なんかじゃない!!!!!異国!!!異国の地!!!!ナポレオン!!!インディアン!!!!!!開拓時代!!!!!!!!!覆される概念!!!!!新たなる発見!!!!!先輩面するつもりだった俺は…!!!!!原始人!!!まるでバーバリアン1号!!!!!!!!!!



…という大層なショックを受けたものの、でもこれは当時の「こいつは使える」「こいつは使えない」の概念が根っこからひっくり返されているという環境で、捉えようによっては、過去の遺産として忘れられていたカードたちにも一周して活躍の場が与えられている、ということだ。最初期の頃のカードでも、当時求められたコストを完全無視して別の方法で場に繰り出すことができる。その中で更に今は必中のセオリーが台頭してはいるんだろうけど、新しく入った少年少女も古いカードに触れることのできる機会は設けられているのかな、と。(「最近の遊戯王は数ターンで決着がつく」とは聞いていたが、それが身を持って実感できた。これだけ瞬時に高レベルのモンスターを配置できるとなると、そりゃ8000くらいすぐ尽きる。)

遊戯王、奥が深い…。さすがギネスに認められたカード。舞い戻った浦島太郎デュエリストは「タッグフォース スペシャル」の体験版でショックを受け、「かっとビング!」とかいう訳の分からない奴にモンスターを一気に展開され速攻で敗北した。後に、本ソフトを購入。まずは声優の違う闇遊戯とタッグを組みながらロードを歩むことに決めた。シンクロ、エクシーズ、ペンデュラム…。使いこなしてやるぜ。俺ならできる。あの頃のデュエリストのソウルを思い出すんだ。そして遊戯王熱を高めに高めて今度の映画に臨むんだ…っ!





その昔ダンジョン・ダイス・モンスターズを初めてプレイした遊戯が戸惑いつつも見事なプレイングを見せたように、今、それが自分自身に求められているのだ…!倒せ!ゴッドオーガス!!!!!


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