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Channel: YU@Kの不定期村
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【攻略&解説】カーズランド「ラジエーター・スプリングス・レーサー」が最高すぎるから今すぐ渡米しよう!

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

先日、初めてカリフォルニアのアナハイムにあるディズニーランド・リゾートに行った。丸々2日かけてディズニーランドとその向かいにあるカリフォルニアアドベンチャーを堪能したが、非常に充実した時間だった。パークホッパーパスを所持していたため、好きなタイミングで両パークを行き来でき、しかもファストパスはパークごとの発行制限なので、移動の手間さえかければ人気アトラクションをほぼ矢継ぎ早に待ち時間なしで乗れる状態。暑い夏の日でさすがに体力は限界が近かったが、それを吹き飛ばす圧倒的な“夢の国”っぷりには本当に舌を巻いた。

その中でも一番すごかったのは、カリフォルニアアドベンチャー内に2012年にオープンした「カーズランド」、およびメインアトラクションである「ラジエーター・スプリングス・レーサー」。すごかった!…と言い放つのは容易なのだけど、これが非常に計算され尽くされたアトラクションで、劇場型・体験型の美味しいとこ取りという間違いのない傑作になっていた。ということで、じゃあいかに「すごかった」のかを、思い出しながら書き並べていこうと思う。





まずもって、「カーズランド」だ。ピクサー映画「カーズ」を観たことがある人なら確実にため息が漏れること間違いなしの臨場感。あの映画に出てくるラジエーター・スプリングスという田舎町を、完全に1/1スケールで再現しているのだ。あのお店もあのスタンドもそっくりそのまま作られている。

カリフォルニアアドベンチャーの割と奥に位置するカーズランドは、どの方向から向かっても全容が把握し辛い設計になっている。それはつまり、訪れた人が必ず真正面からラジエーター・スプリングスのメインストリートを眺めることになる、ということ。一気に視界の全体にあの車の街、そして奥にあるカリフォルニアの雄大な景色が広がり、ここで一気に心が掴まれる。




▲朝一番に撮ったまだ少し肌寒い車の街。映画の情景そのまま。




▲あのコージー・コーン・モーテルも完全再現。サリー!泊めてくれ!




▲タイミングが良ければマックィーンと一緒に写真も撮れる。


アトラクションに乗る前からこれでもかと心を掴まれるため、この「カーズランド」そのものがアトラクションの一部と言っても過言ではない。しかも、目的の「ラジエーター・スプリングス・レーサー」はこの街の一番奥に設けられている。街並みを十分に堪能しながらテンションを盛り上げ、その勢いでアトラクションに挑む。洗脳かというレベルで気分が高揚していく。

街中にはグッズやお土産が買えるショップが二店舗あるが、日本人観光客が好む「小分けの袋タイプのお菓子」は無かった。沢山の種類のカーズTシャツやピストンカップの優勝カップを購入できる。

「ラジエーター・スプリングス・レーサー」の並びは当然2つあって、通常入口と、待ち時間なしで入れるファストパス入口。大人気アトラクションなので、なるべく並ばずに挑みたいところ。私は複数回乗るためにまず朝一番でファストパスを発券しつつあえてそれを使わずに乗ったりもした。2回乗れば3回目のファストパスが欲しくなるし、3回乗れば4回目を欲していく。まさに恐るべき麻薬のようなアトラクション…。ちなみに、「ラジエーター・スプリングス・レーサー」のファストパス発券場所はアトラクションの近くではなく「カーズランド」の入り口付近にあるため、注意が必要。







▲アトラクションのメイン看板。汚し塗装が雰囲気抜群。


さて、いよいよ「ラジエーター・スプリングス・レーサー」だ。まずは「カーズ」の世界観そのままの車たちに搭乗する。色や表情は完全にランダムなので、どの車に当たるかは運次第。前後3つずつシートがあり、最大6人の搭乗が可能。

私のオススメは端の座席で、以降次々と出てくる展示を眺めるのも、レースコーナーで風を感じるのも、圧倒的に端っこの席の方が良い。仮に2人組で3人席を確保できたら、真ん中の座席に2人分の荷物を置いても良いだろう。ちなみに身長制限は102cm。




▲続々と送り出される車たち。奥のトンネル出口を進むと…




▲カリフォルニアの空が一気に広がっている。


そして車は発進。搭乗エリアを抜けると、年中天候に恵まれるというカリフォルニアの青空が突き刺さる。もちろん奥にそびえる景色は全て作りもの。パークの外から見ると世界最高峰の夢のハリボテが拝める。シートベルトの確認を受け、本格的に車はスタート。

カリフォルニアの景色を悠然と進んでいく。車の後方にスピーカーが備え付けられており、そこから車内に向けてBGMが流れる。これがまた映画そのまま、あのランディ・ニューマンが作曲したスコアが流れ、そして短いトンネルを抜けると、前方に見事な滝が広がる。そう、映画のシーンを完全に追体験できるのだ。

「カーズ」の物語中盤、主人公マックィーンとサリーがデートをするシーンがある。BGMがふわっと膨らんだタイミングでマックィーンは雄大な滝の景色とサリーに見とれる。このシーンが!まさに!1/1で!体験できるのだ!もはや“没入感”という言葉でも足りない!




▲青空とのコントラストがとっても綺麗。


「ぐわあぁぁぁぁ!!!カーズぅうううう!カーズの世界の中にいるぅぅうう!!」という感動に打ちひしがれながら、車は屋内ゾーンに進んでいく。ここでは一転、辺りが暗くなり夜の場面に。大きな看板の向こうでは保安官のマーキュリー・ポリス・クルーザーことシェリフが待ち受けている。

ここでまた驚きなのが、この1/1の彼がまさに劇中のように動くのだ。何度も乗ったので色々と観察したのだけど、口のパーツのみを空気圧で伸縮させ、目には今流行りのプロジェクション・マッピング的な手法でアニメーションを投影、その全ての動きに合わせて車体そのものも動く、という設計だ。どこからどう見ても、まさに本人(本車?)がそこにいるようである。





ちなみにこの屋内ゾーンだけで10台以上の車が出現するが、あのメーターや街の仲間は総出演。メーターはしっかり後ろ走りを披露してくれるし、彼がからかって遊ぶウシのようなハイファーの群れや(ちゃんと音を立てて倒れる)、大きな音を立てて迫ってくる巨大コンバインのフランクも登場する。前述のシェリフや元一流レーサーであるハドソン・ホーネットことドックは口が空気圧で動くが、例えばマックィーンを始めとするアニメ調の口がデザインされた車はその口も投影で処理されており、非常に軽快に喋ってくれる。

車は左右に大きく幅を取りながら、まさに劇中そのままの情景の中を進んでいく。





屋内ゾーンの終盤はルートがふたつに分かれており、これはどちらに進むか運次第。片方はラモーンのペイント作業場で、もう片方はルイジとグイドのタイヤ交換(ホワイトウォールに換装してくれる)。そしてそこを抜けるとドックと対面、最後のレースに臨むことになる。

レースは、2台の車が同時に発進することになる。屋内ゾーンの最後の部分、つまりすぐ向こうにはまたカリフォルニアの景色が広がる絶妙な光量の屋内で、今か今かとレースのスタートを待つ2台の車。ここで完全に互いが並行になり停車、噴かしたエンジン音が鳴り響くため、2台それぞれに乗る我々乗客が互いの車と「いくぞいくぞー!」と一緒に盛り上がることになる。名も知らぬ相手と「いくぞ!」「まけねーぜ!」という歓声を交換し(もちろん実際は日本語じゃないけど)、間もなくレースがスタート!急発進した車は一気に屋外へ!





上下の激しい勾配と2回のコーナーを回りながらゴールまで一直線。屋内から一気に屋外に飛び出すので、解放感が疾走感を否が応でも高めてくれる。これがまた程よい速さで、ジェットコースター等が苦手な人でも大丈夫。だけどコーナリングのG負荷が絶妙に身体にくるため、体感速度は結構速い。2台一緒に盛り上がって叫んでレースを体感することになる。いやね、これが本当に気持ちいい。すごい。ゴール直前のトンネルでカメラが光って写真撮影なので、タイミングを合わせて両手を挙げるなりポーズを取るとなお良し。

「イェーーーーイ!」と大盛り上がりの中、レースは終了。程なくして車から降りる。ダイナコのロゴが入った給油モニュメントが置いてあったりと、演出が細かい。そしてアトラクションからの帰り道で、レースのゴール直後の大盛り上がりな車が走っていく絶好のビュースポットに遭遇する。今まさに自分が熱中していたレースをいきなり客観的に見せつけられ、気付いたら次のファストパスを取りに行っている …という流れ。カーズランドに入ってから次のファストパスを取るまで、完全に心理誘導されてしまうのだ。





ディズニーランド系列のアトラクションは大きく分けて2つあって、それは「劇場型」と「体験型」。前者は、まず何かに乗って、主に屋内で作り込まれた世界観の中を見て回るタイプのもの。精巧なパペットやライティングの妙技で、映画のストーリーを追体験するパターンが多い。対して後者の「体験型」は、まさに遊園地の代名詞。“高い”や“速い”といった五感をフルに使って楽しむタイプのもので、高所から落下したり水に飛び込んだりなどのコースター系がこれに当たる。

2012にオープンしたこの「カーズランド」の「ラジエーター・スプリングス・レーサー」は、「劇場型」と「体験型」、2つのタイプの旨味を併せ持ったハイブリッド・アトラクションなのだ。そりゃ楽しくない訳がない。ディズニーリゾートのこれまでのノウハウが詰め込まれ、そして計算され尽くされた、お見事としか言いようのない完成度だ。

この「カーズランド」および「ラジエーター・スプリングス・レーサー」が、海を超えて東京ディズニーランド(またはディズニーシー)に来る日があるかは分からないが、むしろこのアトラクションのためだけに渡米する価値は十分にあると、私はそう感じた。ディズニーアトラクションの決定版とも言うべき「ラジエーター・スプリングス・レーサー」、ぜひ多くの人に体感してもらいたい。




▲カーズランドは夜も素晴らしい。映画を観たことがある人なら、このライトアップの素晴らしさも知っていることだろう。


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