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Channel: YU@Kの不定期村
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「ブロガー」であり「アウトプッター」として ~50万PVに届くブログの育て方

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こんにちは、YU@K(@slinky_dog_s11)です。

最近、ブログって本当に「育てがい」があるなあ、と強く実感する。まるでゲームにおけるキャラクターの育成ステータス割り振りのように、結果は次の戦闘ですぐに反映され、それによる経験値も段々と積み重なっていく。キャラが強くなれば戦闘は有利に運ぶし、同じパーティの他のキャラは経験値のおこぼれが貰える。そうやって、ある時軌道に乗ったならば、それまでとは一段と違うスピードで全体が底上げされていく。

まさにそんな流れでここ数ヶ月もの間、このブログは底上げされた記録を残してきた。2015年8月のPV(ページビュー)は59万、9月が42万、10月はおよそ50万のペースだ。「広告は掲載せず収益化をしない」をモットーに、自分の書きたいことを書きたい時にぶちまけてきた。そんな記事の集合体が毎月これだけの人に読まれているという事実は、心の底から嬉しく、嬉ションの海でクロールを練習するレベルである。

この記事では、このブログをこうやって育ててきた19ヶ月の簡単な足跡と、そこから得たノウハウのようなものを綴ってみたいと思う。


※※※


2014年の4月に開設したこのブログ。きっかけはその前年に公開された映画「パシフィック・リム」だった(詳しくは『やっぱり、「パシフィック・リム」なんですよ。』参照)。ひとつの映画をきっかけに「ネットで意見交換をする楽しさ」に目覚め、ブログを書き始めることにした。一応メインは映画や特撮のレビューということにしているが、それ以外にも自分の思ったことを書きたい時に書くことにしている。それは最初からずっと変わらない。





最初に書いたのは「アメイジングスパイダーマン2」のレビュー記事(『「アメイジングスパイダーマン2」が放つ、ヒーロー映画のカウンター!』)で、今読むと酷過ぎる内容だ。文字のサイズはバラバラで読みにくいったらありゃしないし、構成も稚拙、全体的に浅く、今読むと非常に恥ずかしい。しかしこれもまた記録としてリライトせずにそのまま残している。自分の文章力の変遷の貴重なデータだからだ。その後も細々とレビュー記事なぞを書いていたが、初めて“バズった”のは「ベイマックス」の宣伝を取り上げた記事(『「BIG HERO 6」はなぜ「ベイマックス」なのか? ~ハートフルな国内宣伝にロケットパンチ!』)。これが主にはてなブックマークとTwitterで大いに拡散され、「自分のブログが見ず知らずの不特定多数に読まれる」という当たり前の感覚を強く実感した。

この「ベイマックス」の記事を境に、「ブログを育てる」という感覚を意識して持つようになっていった。この時期にその方法論を沢山調べたりしたのだけど、主に参考にしたのは2つのブログ。カトキチさんが運営されている「くりごはんが嫌い」、そしてしっきーさんの「しっきーのブログ」だ。

カトキチさんのブログは、メインは私と同じ映画の感想やレビューである。もちろんそのカテゴリーの記事も大変考察が深く読んでいて参考になるのだけど、私が注目したのは「実は人気記事が映画のレビューではない」ということ。はてなのブックマーク数で測ってしまうのが妥当かは分からないが、400以上の膨大なブクマを記録されているのは以下の3つの記事。どれも、映画の内容ではない。

・『なぜ埼玉県女性の平均バストサイズがAカップなのか?
・『「えっ!?これスピッツの曲なの??」って思わず言っちゃうスピッツの名曲ベスト
・『タモリがTVで「いいよね」って褒めた曲リスト

このことから分かるのは以下の2つで、ひとつは「この人は記事を不特定多数に読ませる方法論を持っている」、もうひとつは「題材だけでなく書き手にファンがついている」ということ。「映画レビュー」というのはあくまで“代表カテゴリー”としての最も大きな看板であり、それ以外のジャンルでも不特定多数に対する訴求力が発揮できるというスタイルは、まさに「ブログを育てたい」と思っていた私が求めていたものだった。カトキチさんのブログを読みながら、そのフランクさの裏にある記事の組み立て方を何度も盗ませていただいた。この場を借りてお礼させてください。ありがとうございます。

しっきーさんの「しっきーのブログ」は、近年じわじわときているブログ界隈活性化の中心地にある「はてなブログ」の、そのまたかなり中心に位置しているブログだ。軽妙な語り口や題材の裏には非常に計算され尽くされたロジックが張り巡らされていて、何かのミステリーを読むような感覚でいつも舐めるように読んでいる。プレゼン形式で読み手の印象を誘導するメソッドは、こちらも大いに参考にさせていただいた。我ながら、節操のない盗みっぷりだった。本当にありがとうございます。

中でも『書籍化&30万PV達成したので、ブログのアクセス増やす具体的な方法を教える』という記事の衝撃は大きく、「なるほど、ブログというのは“メディア”のひとつであり、それはこんな風にロジカルに狙って育てることが出来るんだな」とえらく感動したのを覚えている。





このお二方のブログに共通して言えるのは、例えばデジタル機器の扱い方やリリース速報だったり、芸能ニュースだったり、そのような「ネタそのもの」では勝負していない、という点だ。そのような内容は取り扱ったとしてもあくまで「きっかけ」であり、そこから展開される書き手の考えや人生観、ゆるやかに繋がっていく主張が記事のメインになっていく。だから、「ネタそのもの」を扱うより記事の鮮度が長続きするし、極端な話、1年後や2年後に読んでも通用するようになっている。日記ではなく、エッセイとも微妙にニュアンスが異なり、それこそひとつの「メディア」(読みもの)なのだ。

他にも参考にさせていただいたブログは山ほどあるが、私のブログがアルバムだったとしたら、スペシャルサンクスに載せたいのは「くりごはんが嫌い」と「しっきーのブログ」だ。重ね重ねですが、本当にありがとうございます。


※※※


そうやって、「自分の思ったことを書きたい時に書く」というモットーだけは常に念頭に置きながら、私はブログを育てることに熱中していった。ブログのアクセスアップは、試せば効果が出るのが速い。受験勉強などとは違い、ストレートに如実に数字が教えてくれる。だからこそ試すのは面白いし、その実感が楽しい。2015年初頭の頃は、ブログのPVを伸ばすことに注力していた。『4日に1回のブログ更新で月間17,000PVに到達する方法 ~アクセス数を増やす7つの具体的なテクニック』『【gooブログ戦略】私のブログがアクセスアップした“体験”や“方法”』と、偉そうにアクセスアップの記事なぞを書き綴った。今読めばまだまだ甘いのだけど。

時にはネットにおける流行りの話題に言及する記事を書き(『「宮崎駿に人生を壊された女」に矢を放つオタクたち』)、検索流入を狙ったキーワードを散らせた映画レビューを書き(『むしろ“100点満点”の原作実写化。映画「イニシエーション・ラブ」(ネタバレなし+あり 解説レビュー)』)、まずはこのブログを多くの人に知ってもらおうと考えた(とは言え書きたかった内容に微塵も嘘はない)。そして重要なのは、知ってもらったその“後”だ。カトキチさんやしっきーさんのように、「ネタ」ではなく「書き手」のゾーンにまで読み手を引きずり込まなければならない。目指すは、「“この人”が書くのなら興味のない内容でも読んでみよう」状態。ここまで読み手を拘束(あえてこう書く)できれば、その人は漏れなく固定読者になってくれる。事実、自分もそうやって多くのブログのファンになった。





だから、例えばはてなブックマークやTwitterでバズって拡散されても、肝心なのはその記事そのものではないのだ。そこから、いかに「書き手」まで引きずり込むか。アクセスが集中する記事の中に他の人気記事へのリンクを忍ばせ、目的以外の記事も読ませる。Twitterアカウントをしっかり明記しフォローしてもらう。そうやって、読んでくれた大事なお客様を本人も知らず知らずのうちに拘束してしまう。この小さな作業を積み上げることが、私の辿り着いた「ブログを育てる方法」だった。


※※※


おそらくこの上なく正攻法だと思うし、そして地道な作業が必要でもある。手軽にPVだけを稼ぎたければネットで燃えている旬な話題に端から順に手を付けていけば良いし、検索流入を狙いたかったらホットなキーワードに優先順位をつけて並べれば良い。その手法は大体分かったつもりだし、やろうと思えば存分にやれると思う。しかし、ブログを自分だけのメディアとして育てたければそれらは悪手でしかないし、多くの人から嫌われていくだけだ。たとえPVが記録されても、私の目指すところではない。

とはいえ、とは言いつつも、全く棘も熱もない文章はあまり面白くはないし、そこに「書き手」にまで引きずり込むパワーは宿りにくい。適度に主張し、適度にマイルドに調整し、全体のバランスを整える。そうすることで、ネットにおける「すぐ噛み付きたい人」の攻撃をかわしつつ、自分の言いたいことを言える下地ができる。先日、おかげさまで多くの反響をいただいた『どうして「体育の授業」のおかげでスポーツが嫌いになってしまうのだろう』という記事だが、「自分の書きたいこと」をいかに相手に正確に届けるかをかなり意識して書いたつもりだ。尖らせる部分と、かわす部分と、察して欲しい部分の、バランス。過去にも自分だけの主張をしたつもりで何度か矢を浴びたりで、そうやって培ってきたノウハウをほぼ全て盛り込んだ。久々に腕まくりして真剣にパズルを組んだ思いだった。(自分の主張に共感して欲しい、という目的ではなく、まずはその中身を曲解なく最後まで読んでもらえること、を目指した)





ブログを読んでいて面白いのは、その「ネタ」を取り扱いつつ、背景に「書き手の熱や棘」が見える時である。読み手を「書き手」のゾーンにまで引きずり込むには、前述のような小手先のテクニックも欠かせないが、その最たるは「熱や棘」を効果的にチラ見せさせることだ。自分の文章に(どんなベクトルであれ)情念を込めて書き切るのは本当に達成感があるし、おこがましい話だけど、そんな記事は往々にして書き切った後に「これは多分“読まれる”ぞ」という謎の電波を受信する。何度も何度もブログを更新していくことで、その「達成感」と「マーケティング」のズレが小さくなっていくのだ。

そこの擦り合わせが進むほどに、「熱や棘」の見せ方や演出も、身に付いてくる。ここを養うには結局は幾度となく書き続けるしかないし、私もここ数ヶ月でやっと「こう書けばいいんだな」と実感できたくらいだ。『ネットや世間が何と言おうと俺はマクドナルドを食べ続けたい』や『【総括】「NARUTO」全73冊+映画2本+傑作「BORUTO」を完走したので1万字かけて感想を語り尽くすってばよ!』あたりは、いい感じに熱を込められたと自負している。


※※※


自分の記事が当たり前のように不特定多数に読まれるようになって、最近少しだけ「ブロガー」と名乗る気恥しさが薄れてきたような気がする。でも根っこの部分では、私は「アウトプッター」を自称していきたい。なんてかっこつけた陳腐な名前だろうか。しかし、ブログはあくまでメディアとして育てるためのひとつの枠組みであり、「熱や棘」を演出するための根本的な部分は、自分の頭の中からアウトプットしていく情念に他ならない。熱を込めて書き切る。自分の頭の中にある色んな感情と感覚を、人に見せる形に翻訳していく。その精度を上げたくて上げたくて、ブログを書いているのだ。PVは、結局は後からついてくる結果でしかない。

PVを得るために書くのではなく、書きたいことを書いて結果的にPVを生む。そういうことができるブログに育ててきたつもりだし、今後もこれを継続していけたらと思っている。この記事では非常に偉そうなことを書いてしまったし、「こいつ自分に酔ってるな」「ドヤ顔が透けて見えてキモい」と渋い顔をしながら読んだ人もいると思う。しかし、ここまでもう4,000字オーバーだ。見ず知らずの相手に、こうやって原稿用紙にして20枚以上の文章を最後まで読ませることができる。そんな熱を込めたアウトプットの方法を、今後もひたすらに追求していきたい。


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